岸田文雄首相(自民党総裁)は7日、10日に実施する内閣改造・党役員人事に向けた調整を進めた。党四役では茂木敏充幹事長を留任させる方針を固める一方、総務会長、政調会長、選対委員長の3ポストの交代を検討。政調会長については、最大派閥・安倍派の閣僚経験者を起用する案が浮上した。
麻生太郎副総裁と松野博一官房長官(安倍派)の続投も固まった。林芳正外相(岸田派)も留任の方向だ。公明党内には斉藤鉄夫国土交通相の続投を主張する声が多い。
首相は7日、茂木氏や安倍派の萩生田光一経済産業相と首相公邸で会談し、人事構想をめぐり協議した。
現在の政調会長は、故安倍晋三元首相に近いものの派閥に属していない高市早苗氏。安倍派の有力議員と入れ替えることで、茂木、麻生両派と合わせた第1~3派閥が党運営の中枢を担うことを明確にし、政権を安定させる狙いだ。
岸田政権は今後、安全保障政策や新型コロナウイルス対策の見直し、追加経済対策の策定などが主な課題となる。新たな政調会長が党内の調整や公明党との協議に当たる。
首相は昨年秋の総裁就任時、総務会長に福田達夫氏(安倍派、当時は細田派)、選対委員長には遠藤利明氏(谷垣グループ)を登用した。今回、人事刷新により体制の強化を図る考えだ。
自民党は8日に臨時役員会を開き、首相が人事一任を取り付ける。10日の臨時閣議で現閣僚の辞表を取りまとめ、松野長官が新たな閣僚名簿を発表。皇居での認証式を経て改造内閣が発足する。首相は記者会見し、今後の政権運営の方針を表明する。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への対応についても説明するとみられる。
時事通信