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日・サウジ・ビジョン2030:前進への道を切り開いたパートナーシップ

日本とサウジアラビアによるこの構想は変化の媒体となり、サウジアラビアは自国の理想を具体的な前進に変えることができた。(AFP)
日本とサウジアラビアによるこの構想は変化の媒体となり、サウジアラビアは自国の理想を具体的な前進に変えることができた。(AFP)
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21 Oct 2020 12:10:37 GMT9
21 Oct 2020 12:10:37 GMT9

アラブニュースジャパン

「日・サウジ・ビジョン2030」は、日本と連携しサウジアラビアの成長と繁栄に向けた具体的枠組みを構築することを目指し、2016年にモハンマド・ビン・サルマン皇太子が立ち上げた構想である。

この構想は、ムハンマド皇太子による日本訪問や、皇太子自身の日本と安倍晋三元首相との強い結びつきにより推進された。

両国間のこの構想は、サウジアラビアが石油依存型経済から脱却し、経済を多角化し、世界最高クラスの観光地を含めた質の高いライフスタイルを提供する社会を発展させていくためのものであった。

2017年のサウジアラビア国王の日本訪問後、両国は様々な事業に連携して取り組み、多様性、イノベーション、ソフト面の価値観を包括した共通価値観を作り上げた。

これらの共通価値観は、サウジアラビアのエネルギー、娯楽、医療、農業、文化、スポーツ、教育、金融の拡大を意図したものだ。

日本とサウジアラビアによるこの構想は変化の媒体となり、サウジアラビアは自国の理想を具体的な前進に変えることができた。

「サウジ・ビジョン 2030」の下で誕生したプロジェクトには、紅海沿岸に大規模スマートシティを建設するプロジェクト(NEOM)、紅海プロジェクト、アマラがあり、いずれもサウジの観光産業の強化に寄与している。

NEOMの最高経営責任者であるナドミ・アル・ナスル氏は1月、「我々は現在紅海沿岸に大規模スマートシティを建設するNEOMの開発準備を進めています。NEOMは、紅海沿岸地域を新しい都市生活の概念を提供する場所にするものです。これにより先進的経済セクターを創造するため世界最高水準の頭脳を集約するプラットフォームとなることが可能となります」と述べた。

「この計画の目的は、NEOMを投資、知識、イノベーション、技術を誘致するグローバルセンターにし、すべての経済資本都市と競合可能にすることです」とナスル最高経営責任者は続けた。

他の2つのプロジェクトは、サウジアラビアの観光により磨きをかけ、より豪華でかつ持続可能であり、文化的な解決策を提供するためのものである。

観光とは別に、女性の権利と女性のエンパワーメントは本ビジョンの根幹をなすものである。

「ムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下の先見の明のあるリーダーシップの下、サウジアラビアは女性のエンパワーメントにおいて大きな一歩を踏み出しました。世界はサウジアラビアで女性が運転できるようになったことを知り、それが話題となっていますが、この社会経済的、文化的変化には目に見える以上の意味あります」と、ハーバード大学博士号を持つハシミ氏はアラブニュースに語った。

また、女性の権利がより明確になり、この地域内での男女平等が全体的に発展したことも、サウジと日本の二国間関係を円滑にしている要素となっている。

サウジアラビアで女性が運転できるようになったことは、日本の自動車産業が経済的恩恵を受けることを意味し、サウジアラビアで販売された自動車の32%をトヨタが占めていると、エミレーツ外交アカデミー(EDA)の報告書は述べている。

日本とサウジアラビアの近年の関係性と2030年ビジョンへの持続的支援は、日本と湾岸協力理事会国との長い歴史的な結びつきに由来するものである。

1957年から日本とサウジの関係は石油による結びつきだったが、現在では日本とサウジの金融機関同士の経済的提携を促進することにより両国は関係拡大を図っている。

また、サウジアラビア総合投資院は様々な収益源を維持するため、SMBC、金融コンサルタント会社のSBエナジー等認可を受けた日本企業からの海外投資を歓迎している。

2019年には、サウジアラビアの主要政府機関や民間企業が、「観光とエンターテイメント」、「イノベーションと生産性」をテーマに、日本の機関や企業と提携する機会を紹介するビジネスフォーラムが開催された。

これらの取り組みにより、日本とサウジの関係はさらに強固となっており、「サウジ・ビジョン2030」実現に向けた両国の協力は、日本とサウジの長期的かつ多面的な友好関係を保証するものとなっている。

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