
モハメッド・アル・スラミ
ジェッダ: サルマン国王人道援助救援センター(KSrelief)は、「宗教的、民族的、政治的背景に関係なく、世界中の貧しい人々を支援しています。設立された使命に基づき、援助はどのようなアジェンダにおいても無償で提供しています」KSReliefの総監であるアブドラ・アル・ラビーア博士のこれらの言葉は、サウジアラビアの平和、生命の尊厳、威厳への取り組みを表すものである。 アラブニュースとの独占インタビューで、アル・ラビーア博士は、実に54か国で、総費用46億7,300万ドル(175億2,000万サウジ・リヤル)をかけて進行中のKSReliefの1,367のプロジェクトの内のいくつかを取り上げ、次の通り語った。
KSReliefが力を入れている分野の1つが、地雷の除去である。 アル・ラビーア博士は、紛争の勃発以来、イエメンのイランが支援する民兵が110万もの地雷を敷設したと推定している。現在までに、KSReliefの傘下プロジェクト、Project Masamのおかげで、192,000個以上もの地雷が安全に取り除かれている。
Q:KSReliefの業務展開はアラブとイスラム諸国だけに限定されているのでしょうか?
A:KSReliefの人道的、救援、開発活動は、アラブ諸国やイスラム諸国を含む世界のすべての貧しい国々にまで及びます。これは、世界中のすべての貧しい人々や被災した人々に、如何なる差別(宗教的、民族的、政治的、その他)無く、そして援助を如何なる隠された意図無く提供するというKSReliefの使命に沿ったものです。KSReliefが取り組んでいる1,367のプロジェクトとプログラムは、すべての大陸の世界54か国をカバーしています。
Q: 教育およびトレーニングプロジェクトを通じた開発は、KSReliefの業務の大部分を占めています。 その目的は何でしょうか?
A: サウジアラビアは、被災者の教育を支援し、学校に通えない子供たちの教育機会を強化することの重要性を信じています。これは、サウジアラビアが実施する人道支援活動の重要な部分であると考えています。サウジアラビアのこの信念に基づいて、センターはこれまでに、イエメン、シリア、ソマリア、またマレーシアやバングラデシュ国内のロヒンギャ難民の救いのために、そしてその他の世界の国々で74の教育プロジェクト、支援金総額181.3百万ドルを実施してきました。
子供たちへの教育の機会の提供に加えて、KSReliefの取り組みには、多くの国で職業訓練プログラムを実施することも含まれます。貧しい家族に職業に就ける知識や工芸品づくりの技術を教えることで、収入を自ら生み出すプロジェクトの実施を可能にするものです。こうしたプロジェクトへの参加を通じて、多くの家族は、コミュニティへ依存する存在から、きちっとした生活を送るのに役立つ基本的なニーズを自ら満たすことが出来る、生産的で自立した存在に変わります。
Q: KSReliefが援助を提供している主な国、またその援助額はどのくらいでしょうか?
A: KSReliefは、被災した国々での人道的援助で存在感を示しており、教育、健康、食糧、避難所サービスを提供する統合システムに従って、人々の苦しみを軽減し、基本的なニーズを満たすために、常に被災国及び被災した人々に支援の手を差し伸べようと努めています。援助を提供している国々の中で、現在最も重点が置かれているのはイエメンです。ここは、イランが支援するフーシ派民兵による長引く内乱に苦しんでいます。
KSReliefは援助の多くをイエメンの同胞たちに振り向けており、同国では現在513プロジェクト、総額32億5300万ドル相当の支援を提供しています。KSReliefは、シリアでも225のプロジェクト、総額2億9690万ドル相当を展開しており、シリアの人々に対してもKSReliefの多くの支援が振り向けられています。また、占領下のパレスチナ自治区に対しても、88プロジェクト、総額3億5960万ドル相当の支援を実施しています。KSReliefが実施しているその他の支援では、ソマリアで54プロジェクト、総額1億9780万ドル、パキスタンで113プロジェクト、総額1億2040万ドルが、他で実施中のプロジェクトの中でも顕著なものとなります。
Q: KSReliefの最新のプロジェクトの中で、例えばイエメンの避難民、ベイルート港の爆発で影響を受けたとコミュニティ、スーダンの洪水の被災者たちに具体的にどのように支援を提供しているのでしょうか?
A: KSReliefは設立以来、イエメンの同胞たちに、避難所、食糧、健康、教育など、すべての行政区において様々な形の人道支援を提供するよう取り組んでいます。KSReliefはまた、直近の洪水などの自然災害で被災し、多くの人命の犠牲や財産を損失に遭っているスーダンの同胞たちに、緊急支援を開始しています。そのための食糧、避難所、医療援助およびその他支援に必要な物資の空輸が開始されています。
KSReliefはまた、ベイルート港の爆発で被災し、人命の犠牲、財産の損失、インフラの損害に見舞われている人々のために、医療、住宅、食糧援助に必要な物資空輸を開始しています。こうした緊急のイニシアチブは、サウジアラビアのサルマン国王が貧しい国々や被災した国々に援助の手を差し伸べようという寛大な指示を出されている結果として実施されています。
Q: KSReliefは、王国で寄付を集めることを許可されている唯一の団体です。人気はありますか? 非居住者は寄付できますか?
A: KSReliefは、実施しているすべての人道支援プログラム毎にオンライン寄付プラットフォームを設定しています。これにより、サウジアラビア王国の内外を問わず、寄付をしたい人は、支援したいプログラムへのアクセスを提供する個人アカウントを作成し、クレジットカード又は電子決済システムを通じて寄付を行うことができます。このプラットフォームは、寄付を行う機会を提供するばかりでなく、寄付を選択した国やプログラムに直接届ける機会も提供しています。
このオンラインプラットフォームは、KSReliefのプログラムに寄付する機会を人々に提供する唯一の公式プラットフォームです。このKSReliefのプラットフォームを通じて、選択したプログラムに寄付することで、その下にぶら下がる世界中の多くの国々の受益者に寄付が届きます。覚えておいて欲しいのですが、運営センターは、皆様の寄付から管理費を一切差し引いていません。このシステムの人気については、まだプラットフォームは新しいものであり、今後に期待しています。
Q: 健康及び女性と子供の保護は、KSReliefが重点を置いて取り組んでいるセクターの一つです。これらに特別な資金の割り当てはあるのでしょうか?
A: 受益者のタイプに関係なく、各セクターにはそれぞれの特別予算とそれに割り当てられた金額が設定されています。たとえば、保健セクターではこれまでに369のプロジェクト、総額7億9780万ドルが実施され、その内、教育関係のプロジェクトが74、総額1億8130万ドルを占めます。
KSReliefはまた、女性のために数多くのプロジェクトを実施していますが、そのプロジェクト数は225以上になり、総額3億9000万ドルの費用をかけて、この4年間では、6200万人以上の女性を支援しています。KSReliefは子供たちも気にかけています。設立以来、234のプロジェクトを通じて1億1,400万人の子供たちに支援を届けることができました。 このように、各プロジェクトまたは各セクターに分配される金額は、プロジェクトの規模と種類によって異なります。
Q: プロジェクトマサムは、イエメンで実施されているKSReliefの最も重要なイニシアチブの1つです。 その任務は地雷の除去に限定されているのでしょうか?
A: プロジェクトマサムは、イエメンの地雷の除去に特化したサウジアラビアの人道プロジェクトです。 イランが支援する民兵は、イエメン全土に渡って110万個以上の地雷を敷設しました。その多くは、民間人が住む地域に埋められています。
プロジェクトマサムではこうした地雷の除去に取り組んでいます。 これまでに多くの土壌、学校、家々から192,000個以上の地雷を取り除いています。地雷は様々な形や色でカモフラージュされ、異なった埋設のされ方をしています。その結果、多くの子供、女性、高齢者を殺害し、あるいは重傷を負わせています。
Q: 少年兵のリハビリプロジェクトを通じて、何人のイエメンの子供たちが助けられていますか?
A: KSReliefは、フーシ民兵によって雇われ、人間の盾として紛争に投げ込まれた子供たちをリハビリするための定性的プログラムを実施しています。センターでは、彼らのリハビリに取り組み、社会に溶け込ませ、通常の生活に戻し、子供らしい生活を送れるよう社会的支援を提供しています。
国際的に高い評価を得ているこのプログラムでは、子どもが兵士として採用されることの危険性について、保護者を教育することも目的としており、意識向上と教育セッションを通じて、また子どもの採用を犯罪とする法律の施行を通じて、健康的な家庭環境の構築に取り組んでいます。
ここで私は、子どもの兵士としての採用の危険性についての認識を高め、それを社会に明確に告知し、武力紛争における子どもの搾取を禁止する人権と国際法の原則を遵守することの重要性を強調します。
Q: サウジアラビア国内の難民にはどのような施設が提供され、また、どのような処遇が与えられているのでしょうか?
A: サウジアラビア王国は、国内に数十万人のイエメン、シリア、ロヒンギャの難民を受け入れ、 難民としてではなく、名誉あるゲスト、訪問者として扱っています。彼らには移動の自由が認められ、公立学校への入学、労働市場への関与、そして医療サービスへのアクセスも与えられています。
KSReliefは、難民、避難民、訪問者が王国の内外でサウジアラビアから提供される援助の種類と量を明確にするためのプラットフォームを確立しました。彼らに提供された援助はこれまでに137億ドルに達しています。
Q: KSReliefは国際機関と協力しています。イエメンや他の受益国でそうした機関とどのように連携していますか?
A: KSReliefは、貧しい人々に援助を提供するために、国際的な人道機関と絶えずそして継続的に協働しています。イエメンでは、KSReliefは、すべてのイエメンの行政区および地域において、人道支援の分野で最大の支援者となっています。したがって、イエメン内で活動しているすべての人道組織は、被災者への援助の提供を促進するために、センターとの協働を求めています。KSReliefはイエメン国内に支部があり、人道組織と定期的に会合を持ち、救援および人道分野で模範的な活動を行っています。
Q: KSreliefをサポートするボランティアは何人くらいいますか?彼らはどのように仕事に組み込まれているのでしょうか?
A: KSReliefはボランティアのためのプラットフォームを確立しています。登録ボランティアの数は15,562人に達し、彼らの専門分野とセンターのサービスの必要性に応じて分類されています。
KSReliefのボランティアプログラムは、サウジアラビア王国のビジョン2030に組み込まれており、国際法で認められている人道主義の7つの原則の1つとしてのボランティア活動の原則に基づいています。