アラブニュース  リヤド 

• 新しいビザを申請することができるのは、ヨーロッパの38か国、アジアの7か国、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドからの旅行者である。
• 観光部門トップは、外国人女性は「控えめな服装」をしていればアバヤを着用する必要はないと述べている。

サウジアラビアは金曜日、世界49か国からの旅行者を対象に初の観光ビザを発給すると正式発表した。

サウジ観光・国家遺産委員会(SCTH) は、多くの旅行客が訪れる旧い街ディルイーヤで開催されたイベントで声明を発表した。

ムハンマド・ビン・サルマン王太子はポスト石油時代にサウジがアラブ最大の経済大国となることを目指し改革プログラム「ビジョン2030」を進めているが、観光業推進はその中心となる柱の一つである。

「世界観光の日」に合わせて開催された発表イベントにおいてアフマド・アル＝ハティーブSCTH委員長は「サウジ王国はこの歴史的瞬間に世界に向けて扉を開きます。サウジ国民は我が国を訪れる人々を歓迎し温かくもてなします」と述べた。

委員長はまた、各国の投資家らが金曜日、1150億サウジリヤル (300億ドル) を観光業界に投資することに合意したと語った。

「サウジの扉を世界からの旅行者に開くこの瞬間はわが国にとってまさに歴史的瞬間です」アフマド・アル＝ハティーブ委員長は上述の声明でこう述べた。

「旅行者の皆さんは…我が国が世界と共有すべき宝、5つのユネスコ世界遺産に驚くでしょう。これらは地域の素晴らしい文化であり息を呑むような自然の美です」

アル＝ハティーブ委員長は、国外から訪れる女性に対しては厳しい服装規定を緩めると述べた。これにより、サウジ女性が公共の場での着用を義務付けられているアバヤを外国人女性は着なくてよいことになった。

委員長はこれに加えて、ただし外国人女性にも「控えめな服装」は求められると述べたが、それ以上詳しいことは言わなかった。

新しいビザを申請することができるのは、ヨーロッパの38か国、アジアの7か国、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドからの旅行者である。

関係筋が以前アラブニュースに語ったところによると、ビザ取得にかかる費用は300サウジリヤル (80ドル) 、そのほかに旅行保険の保険料が140サウジリヤルかかる。

ビザの有効期間は1回の滞在日数が90日以内で1年間の合計滞在日数が180日未満の場合、発給日から360日とされる予定。

上記49か国の居住者はオンラインでビザを取得でき、申請手続きにかかる時間は7分ほどである。あるいは、サウジの4か所の国際空港には申請用の機械や特設カウンターが置かれているので到着時にそこで取得してもよい。

観光ビザの申請受付は9月28日に始まる。ビザ解禁の告知はウェブサイトやソーシャルメディアでの動画キャンペーンで繰り返し行われた。キャンペーンのハッシュタグは「Where in the world (いったいこれはどこ)?」。サウジアラビアのいくつかのランドマークや素晴らしい自然景観の映像が流れ、閲覧者はそれがどこか考えさせられるような作りになっていた。

SCTHによると、公開以来のサイト閲覧回数は9400万回を超えている。SCTHは木曜夜、サウジ全土の観光プロジェクトの支援に向け150億リヤルの基金を設立したことを発表したと報じられている。

SCTHはまた、100人の「覆面旅行客」にサウジに来てもらってフィールドワークを行ったとも述べた。このフィールドワークでは彼らに対する人々の反応を調べ、さらに彼らがサウジをどう思ったか、どのような改善点があるかなどについてのフィードバックも収集した。

旅行先としてのサウジアラビアのマーケティングはビジョン2030の主要目標の一つである。サウジは主要な収入源石油への依存度が非常に高い国であるが、ビジョン2030はそこからの脱却をめざす大胆なプランである。

聖地メッカやメジナに巡礼する人々が世界中からサウジにやってくるため、宗教関連の観光はサウジの収入の大きな柱となっている。しかし政府はこれ以外の場所にも旅行者に来てもらいたいと考え、聖地以外の場所のマーケティングに熱心に取り組んでいる。

例えばウラー、ネオム、紅海などが可能性を秘めた観光地として盛んに宣伝されているが、その他の多くの場所も観光客を迎えようと準備している。SCTHは記者会見で記者たちに、サウジアラビア全土には10,000か所の名所旧跡があり、うち5か所はユネスコ世界遺産であると述べた。