


ロンドン:木曜日に開催されたイベントで、サウジアラビアは世界中からの観光客を「いつでも歓迎します」と、サウジアラビアの在イギリス大使が木曜日述べた。同イベントはサウジアラビアをメジャーな観光地としてプロモーションするために開催されたものだ。
「私たちは、母国を世界の観光客に向けて開放する運びとなり、とても興奮しています。多くの観光客をサウジアラビアの各地にお迎えすることを楽しみにしています」とハリド・ビン・バンダル・ビン・スルタン王子は述べた。
同王子はサウディア航空がロンドンで開催した国際ロードショー「The Next Big Destination」の場で『Arab News』に対して、世界中の観光客が「私たちが心から愛する地」を訪れることになればと希望を語った。
同大使からは、サウジアラビアが9月28日に新たな観光ビザの仕組みを立ち上げた直後のタイミングでコメントが出された形だ。新たな仕組みでは、49ヶ国からは到着時にビザを発行でき、またその他の国からでもシェンゲン協定を通して入国がより簡単になる。訪問客は12ヶ月の間に、1回の滞在が90日を超えない限り、複数回サウジアラビアに入国できる。各ビザは440サウジアラビア・リヤル(117ドル)となる。
サウディア航空のイギリス支部でマネージャーを務めるスルタン・オタイフィ氏は、同社は「サウジアラビアで行われている全ての変革に関して、とても嬉しく興奮しています」と述べた。ロンドンでのロードショーを皮切りに、さらにイベントを中国、フランス、及びアメリカでも開催すると明かした。
「この一連のロードショーの目的は、世界市場にサウジアラビアに関する情報を提供して市場をより豊かにすること、そして観光客に対してサウジアラビアの良さを伝えていくことです。世界に向けて、次に人気が出る行き先はサウジアラビアだとアピールしており、渡航の際にはサウディア航空を利用していただけるよう促しています」
「サウジアラビアには、あまり知られていない様々な場所が数多くあり、世界の人々はそうした場所を訪れてみたいとウズウズしています」
オタイフィ氏はさらに、サウディア航空は2020年3月29日からアムステルダムにも就航すると発表した。これも、サウジアラビアへの観光客を増やすための計画の一環とのことだ。
先日発表されたビザの仕組みは、サウジアラビアで100万もの雇用を創出すること、及び2030年までに毎年1億人の訪問客を迎えるという目標を達成することを目標に導入されたもので、ビジョン2030プログラムの一端をなすものである。
サウジアラビアの観光客への開放は、サウジアラビア経済の多角化と脱石油依存を目指すビジョン2030を実行していく上で、極めて重要な位置を占めるものだ。
サウジアラビア観光・国家遺産委員会(SCTH)は、年間11の異なる観光シーズンを設定して各地域をプロモーションしている。それにはリヤドシーズン、冬のタントラ祭が見所となるアル・ウラーシーズン、及びディルイーヤシーズンなどがある。
サウジアラビア観光・国家遺産委員会(SCTH)のアフマド・アル=ハテーブ議長によると、新たな観光ビザの仕組みが発表される前は、サウジアラビアのGDPに占める観光の割合はわずか3%だったが、2030年までにこの数字は最大10%まで成長すると予測されているとのことだ。
宗教的目的のための巡礼以外では、新たなビザでは宗教的理由で入国を拒否されることはない。現在までは、サウジアラビアを訪れる人のほとんどは、巡礼者またはビジネス関連の渡航者だった。
サウディア航空が渡航者に積極的に紹介している観光地の1つとして、アル・ウラーが挙げられる。アル・ウラーは、金色の砂岩の渓谷、巨大なアーチ状の岩、及び奇岩群を誇る、驚嘆すべき史跡地だ。
アル・ウラーを観光地としてプロモーションするために設置された王立委員会でマネージャーを務めるチャーリー・エランド氏は、「サウジアラビアにとって極めて重要な市場であるヨーロッパ市場でとても関心を持っていただいていますし、訪問したいという方が多くいらっしゃいます」と語った。
「ビザの発行が始まったことで、サウジアラビアでは何ができてどのような見所があるのか、とても大きな関心を持っていただけています」
「アル・ウラーは素晴らしい地域で本当に驚嘆すべき場所です。世界随一の秘境的名所であり、長い歴史も有しています。ほとんどまだ誰も訪れていませんが、豊かな歴史を見ることができます」
サウジアラビアの北西部の砂漠地帯の奥深くにあるアル・ウラーは、新石器時代、ローマ時代、それにオスマン帝国時代まで、数多くの古代文明が栄え、文明の十字路として重要な地点となっていた。