• パキスタンは喜んで気候変動イニシアティブに関する知見をサウジアラビアと共有する、とカーン首相は述べた

サイマ・サビール

イスラマバード：パキスタンの気候変動担当相は5月6日、イムラン・カーン首相がサウジ訪問中の7日に両国が画期的な気候変動協定に調印すると述べた。

カーン首相はムハンマド・ビン・サルマン皇太子の招待を受け、7日から3日間サウジアラビアを訪問する。

サウジアラビア指導者たちとの会談で、カーン首相は経済・貿易・投資・環境・エネルギー・パキスタン人労働者の雇用機会・サウジ在住パキスタン人の生活状況など、二国間で協力が必要な全分野について協議する。

カーン首相は3月にムハンマド皇太子宛てに書簡を送った。その中で、パキスタンとサウジアラビアは気候変動問題に関する多国間フォーラムにてすでに緊密に協力しているが「両国が有意義で計画的な協定を結ぶことで、共通のビジョンが実現に近づき互恵的な協力関係を築く動きが促進される」と述べている。

パキスタンは喜んで気候変動イニシアティブに関する知見をサウジアラビアと共有する、とカーン首相は付け加えた。

「両国は、持続的に協力するための基盤を築く画期的な気候変動協定に調印する準備が万端に整っている」とパキスタンのマリク・アミン・アスラム気候変動担当相がアラブニュース・リヤド本社の取材を受け述べた。

「イムラン・カーン首相とモハンマド・ビン・サルマン皇太子が合意文書に調印することで、両国が別々に進めてきた2つの重複する環境ビジョンが実質的に一体化する。共通の環境ビジョンは2つの友好国に住む若い世代の切なる願いを反映したものだ」

ムハンマド皇太子は先月、カタール・クウェート・バーレーン・イラク・スーダンの首脳たちと電話会談し、アラブ諸国が協力して実施する大規模植樹プロジェクトについて協議した。

サウジ・グリーンイニシアティブは、ムハンマド皇太子の石油収入への依存を減らし生活の質を向上させる計画「ビジョン2030」に含まれている。

3月末に発表された野心的なイニシアティブでは、サウジアラビアが今後数十年間で100億本を植林し、他のアラブ諸国との協力によりさらに400億本を植林するとされる。二酸化炭素排出量を削減し、環境汚染や砂漠化を食い止める狙いがある。

アラブニュースが入手したパキスタン・サウジ気候変動協定の写しによると、その目的とは両国が「共通の強い願いをかなえ、環境保護・保全・改善に関する様々な分野での協力関係を築く基盤を確立することだ。両国の現役・将来世代につけを残さず、持続的な経済発展を実現する狙いがある」という。

両国間で、合意文書に記された分野での意見・情報・経験・文献・研究成果・出版物をやり取りすることになる。

アスラム気候変動担当相は、今回の協定には再生可能なクリーンエネルギー使用の将来的な数値目標・国立公園と保護地域の拡大・国立公園局で若者を雇用することなども含まれると述べた。

協定には別段の合意がない限り、両国が財政上可能な範囲で合意文章にある各自の義務を果たすための費用を負担するとある。

「この合意文書の有効期間は5年で、一方が他方に書面および外交ルートを通じて合意内容を更新しないまたは終了すると通知しない限り、自動的に更新され5年間有効となる」と草案にある。「有効期限日の遅くとも6か月前には通知する必要がある」

パキスタン外務省は声明を出し、カーン首相のサウジ訪問は「利害の共通する地域・国際的問題について双方が意見を交わす目的もある」と述べた。「訪問中に数多くの二国間協定/合意文書が調印されると期待される」

カーン首相は、イスラム協力機構の事務局長・ムスリム世界連盟の事務局長・メッカとメディナの2大モスクの指導者とも会談する予定だ。カーン首相は「ジェッダ在住のパキスタン人とも対話する予定だ」と外務省は述べた。

パキスタンの陸軍長官、カマル・ジャビド・バジュワ将軍がすでにリヤド入りしている。バジュワ将軍は5日に、サウジアラビア軍参謀長のファイヤド・ビン・ハメド・アルルワイリ中将と防衛協力について協議した。

アルルワイリ中将との会談で、バジュワ将軍は地域の平和と安定のため、両国間の軍事協力を一層強化する必要があると強く述べた。