
アラブニュース
リヤド:5月10日、サウジアラビアとエジプトはパレスチナ人の権利を侵害したとしてイスラエルを非難した。エルサレムで衝突が何日も続いたため、イスラエルとガザ地区の間での砲撃の応酬に至ったからだ。
サウジアラビア外相を務めるファイサル・ビン・ファルハーン王子とエジプトのサーミフ・シュクリー外相との、エルサレム情勢を巡る電話会談の後にコメントが出された。
エジプト外務省のアーメド・ハフェズ報道官によると「パレスチナ人地区での急激な情勢悪化と、最近イスラエル治安部隊がアルアクサ・モスクの敷地へ侵入した件」について両外相が協議したという。
イスラエルに「国際法に従って現在進行中の違法行為をやめさせ、パレスチナ民間人に必要な保護を提供する責任を果たす」よう求めたエジプト政府の声明について、シュクリー外相がファイサル王子に簡潔に説明した。
さらに両外相は、パレスチナ人の合法的権利を侵害するすべての違法行為が容認できないものであることを確認した。
電話会談ではサウジ・エジプト両国間の協力関係強化についても協議された、とサウジアラビア外務省が述べた。
10日の電話会談以前に、エジプト政府はイスラエル治安部隊がエルサレムのアルアクサ・モスクを襲撃し、パレスチナ人礼拝者をモスクから追い出し、立ち入りを禁止したことを強く非難していた。
エジプト外務省はイスラエルに、今回事態が急激に悪化した責任を負うよう求め「現状を放置するとさらに緊張が高まり衝突がエスカレートする」とした。
1967年の第3次中東戦争によるエルサレム併合を祝うイスラエルの祝日に先立ち、10日にモスクにてパレスチナ人とイスラエル警察との間で再び衝突が起き、300名以上が負傷した。
さらにエジプト政府は、特にラマダン期間中にアルアクサ・モスクの尊厳を侵すあらゆる行為を止めるよう強く求めた。
「今回の要請は国際法に則ったもので、アルアクサ・モスクを含む東エルサレムにてパレスチナ民間人のあらゆる権利を保護するよう求めるものだ。一方でエルサレムとその聖地が、パレスチナ人・イスラム教・キリスト教にとっても重要な場所であることについて論評するものではない」
7日からエルサレムで続く衝突は、2017年以降最悪の状況を呈している。拍車をかけたのは、近隣にある東エルサレムのシェイク・ジャラー地区でユダヤ人入植者が長らく家屋の競売に入札しており、複数のパレスチナ人一家を立ち退かせようとしている件だ。
この件に関しパレスチナ人が不服申し立てをする最高裁の公聴会がもともと10日に予定されていたが、緊張の高まりを受けて司法省が延期を決定した。
国連安全保障理事会は10日、チュニジアの要請を受け今回の騒動を議題とする非公式会合を開催した。アラブ連盟加盟国の外相たちとイスラム協力機構は11日に緊急会合を開くと発表した。
(AFPとの共同執筆)