
ディーマ・アル・クデール
ジェッダ:「国家改造の旅」と題したドキュメンタリー番組が6日に放映され、サウジビジョン2030開始以前のサウジアラビアの経済・社会状況について解説があった。
大臣4人が、ポッドキャスト配信者オマール・アル・ジェライシ氏と率直に語り合い、サウジアラビアが歩んでいる旅について議論した。
1970年代以降サウジアラビアでは、必ず5カ年計画を立て経済発展を目指していたが、ビジョン2030の開始により状況は変化した。
「なぜ2015年には従来と異なり5カ年計画が策定されなかったのですか?」とアル・ジェライシ氏が尋ねた。「なぜ国家を改造する必要があったのでしょう?」
国家改造委員会のムハンマド・アル・トゥワイジリ委員長が答えた。「世界が変わったからです。地政学や市場が変化し、貿易戦争や災害が発生しました」
ハレド・アル・フレイ投資大臣は、経済面で最も重要な問題である石油依存の解決に取り組んだ。石油に依存していたため、輸出入を外国に左右されるようになってしまったからだ。
わずか5年間で、サウジアラビア企業の数は70%も増加した。
マジッド・アル・カサビ商務大臣
「サウジアラビアは当初、石油に依存した経済体制を構築しました。そのため外国に依存するようになってしまったのです」とアル・フレイ投資大臣は語った。「財政が黒字で貿易収支が黒字なら、正直言って経済を多様化する必要はないでしょう。残念ながら経済が石油依存のため、言いたくないことですが、我が国が外国に依存するようになってしまったのは事実です」
番組の中でマジッド・アル・カサビ商務大臣が、女性の権利に関する問題についてのサウジアラビアのランキングについて触れ、世界最下位だったことを明らかにした。「世界銀行のランキングで、我が国は女性の地位が圧倒的に最下位でした」と語った。
ワリド・アル・サマニ法務大臣も、女性の起こした訴訟が法廷で適切に審議されるのが遅かったことを強調し、こう述べた。「実際に数多くの障害が存在し、公正な裁きが出るのが遅れていました」
ビジョン2030の発表以前は、社会的地位の高い女性でさえ多くが同じ苦労を味わっていた。
「女性は車を運転できず、働ける分野が限られ、女性のリーダーなど存在しませんでした」と人材開発・社会発展省のハインド・アル・ザヒード女性活躍担当副大臣は述べた。
企業の法律顧問を務めるナジラー・アル・カハタニ弁護士は、同業者の女性たちが置かれていた状況を思い返し、2015年当時の法廷では女性であるがゆえに苦労していたと番組の中で語った。
しかしアル・ザヒード副大臣は、女性に関わる法律問題において進展があったことを指摘し、サウジアラビアが2020年に「女性と法律」の分野では世界銀行の指標で上位に入ったと述べた。
これまでに国家改造計画で定めた目標の多くを達成したことで、サウジアラビアは大きく前進した。
商務大臣はサウジアラビアの歴史の中で特に誇りに思う出来事について語った。2020年にサウジアラビアがビジネス環境の分野で、世界で最も改革が進んだ国として世界銀行に認められたということだ。
大臣は、改革の数だけでなくそのスピードと影響力が、ここまでの高評価につながったと付け加えた。わずか5年間で、サウジアラビアの企業数は70%増加し、65万社だったのが110万社を超えるにまで至ったのだ。