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オマーンのハイサム国王、サウジアラビア訪問 両国の関係深化・さらなる協力拡大進む

サウジアラビアとオマーン二国間のパートナーシップをさらに拡大していく方策を見出すことは、サウジアラビアのサルマン国王の招待によるオマーンのハイサム国王の2日間のサウジアラビア訪問における主要議題のひとつである。(提供写真)
サウジアラビアとオマーン二国間のパートナーシップをさらに拡大していく方策を見出すことは、サウジアラビアのサルマン国王の招待によるオマーンのハイサム国王の2日間のサウジアラビア訪問における主要議題のひとつである。(提供写真)
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11 Jul 2021 04:07:06 GMT9
11 Jul 2021 04:07:06 GMT9
  • 両国間のパートナーシップ構築と経済関係強化が訪問のテーマ
  • 2020年1月にオマーンの指導者の地位に就いて以来、ハイサム国王の初の外国訪問となる

ヌーア・ヌガリ、ラマ・アルハマウィ

リヤド:半世紀以上にわたり、サウジアラビアとオマーン両国政府は、さまざまな地域内および国際的な問題に関する協力、相互尊重と理解を重視した関係を築いてきた。.

同様に、人と人のレベルでの関係も、歴史的な絆、共通するアラブの習慣と伝統、そしてアラビア湾岸のアラブ諸国が共有する遺産を通じて、深いつながりを保っている。

そんなサウジアラビアとオマーン両国は、湾岸協力会議(GCC)の傘下で地域共通のビジョンと戦略的目標に従いながら、多様な分野での加盟国間の統合を達成することを目標に連係して活動していこうとしている。

同様の協調的な精神で、両国はアラブ連盟、イスラム協力機構(OIC)、国連、その他さまざまな国際機関においても役割を果たしていくことができる。

サウジアラビアとオマーン二国間のパートナーシップをさらに拡大していく方策を見出すことは、サウジアラビアのサルマン国王の招待によるオマーンのハイサム・ビン・ターリク国王の2日間のサウジアラビア訪問における主要議題のひとつである。ハイサム国王は11日にリヤドに到着し、幅広い分野についての話し合いを行う。

2020年1月13日にオマーンの首都マスカットでサウジアラビアのサルマン・ビン・アブドル アジーズ国王を出迎える、即位後間もないハイサム・ビン・ターリク オマーン国王(右)。国営オマーン通信(ONA、Oman News Agency)配布の写真。(ファイル写真:AFP、 ONA経由)

サウジ通信社(SPA)は、「今回の訪問は、両国の指導者間の伝統ある友好関係の一層の進化に向けた取り組みの中で行われるものだ」と報じている。「また、訪問は両国の人々の利益と着実な進歩のために、様々な分野での相互協力による活動の見通しおよびそうした活動を発展させる方策の可能性を広げていくことも目的としている。」

サウジ通信はまた、今回の訪問では両国間の「歴史的な深い絆を強化する」こと、そして「特に貿易、インフラ、開発の分野における新しい協力分野を検討すること」が意図されていると付け加えた。

ハイサム国王には、上級大臣と外交官たちが同行しており、その主だった顔ぶれは、シハーブ・ビン・ターリク・アルサイード国防担当副首相、ハムード・ビン・ファイサル・アルブーサイーディー内務相、バドル・ビン・ハマド・ビン・ハムード・アルブーサイーディー外務相らとなっている。

代表団にはまた、サイード・ビン・ハムード・ビン・サイード・アルマーワリ運輸・通信・情報技術相、カイス・ビン・ムハンマド・ビン・ムーサ・アルユースフ商工業・投資振興相、およびオマーン投資庁のアブドゥルサラム・ビン・ムハンマド・アルムルシディ長官も参加する。

「サウジアラビアは、アラブ世界において最大の経済規模を持つ、中心的な経済エンジンとなっています。世界の石油埋蔵量の4分の1を所有し、中東・北アフリカ地域で最大の自由市場があります。サウジアラビアがオマーンの重要で価値ある貿易相手国であることは明白です」と、ハイサム国王の代表団に随行するファイサル・ビン・トゥルキ・アルサイード駐サウジアラビア・オマーン大使はアラブニュースに語った。

2020年1月のハイサム国王の即位と実権掌握は、オマーンの歴史の中でも非常に重要なタイミングでの出来事であっった。新国王は、アラブ地域を含む世界の大部分が、政治、経済、社会、そして健康という複数の面で課題に直面している最中に、国政を継承したのだ。

ハイサム新国王は迅速に近代化と変化の道を選択し、国の安定と安全を維持するための措置を講じながら、オマーン国民の希望と願望に応える改革政策を導入した。

今回の国王のサウジアラビア訪問は、指導者の地位に就いて初の外国訪問であり、サウジアラビアとオマーンの関係の重要性をはっきりと示すものである。

ハイサム・ビン・ターリク国王のサウジアラビア訪問は、指導者の地位に就いて初の外国訪問であり、サウジアラビアとオマーンの関係の重要性をはっきりと示すものである。 (ファイル写真:国営オマーン通信)

サウジアラビアとオマーンのアラビア湾岸の二国間のつながりは、定期的な二国間会合とシャトル外交の成果もあり、強固なものであり続けている。この緊密な関係は、1990年3月に国境協定を締結して両国間の658kmの国境を最終的に確定した後、伝統として確立されてきた。

サウジアラビアのハフル・アルバティンで締結された国境協定は、過去の領土問題を完全に解決し、両国に地域の豊富な水資源への平等なアクセスを認めたものであり、両国関係の強化に大いに貢献した。

その後の数十年間で、サウジアラビアとオマーンの関係はさらに深化し、大胆な経済パートナーシップや湾岸協力会議に関する共同行動を生みだしてきた。共同行動では、経済の多様化に向けた戦略的目標と共通のビジョンの融合が実現している。

実際に、両国の公的部門と民間部門の代表者たちが関わる貿易交渉は、ハイサム国王のサウジアラビア訪問のずっと以前から進められていたものであり、さらに多くのビジネスフォーラムもすでに予定が組まれている。

「サウジ・オマーンビジネス協議会(Saudi-Omani Business Council)は、最近開催された初の公式バーチャル会議において貿易と投資両方の機会を特定したことに関して、非常に重要な補完的役割を果たしていくことになります」とファイサル・アルサイード駐サウジアラビア・オマーン大使は最新の共同活動の1つに言及した。

「サウジアラビア側とオマーン側の双方は、お互いを訪問し、主要な優先分野を特定していくことに合意しました。現在、協議会には両国のさまざまな重要セクターを代表する約40の会員が名を連ねています。」

2006年、サウジアラビアとオマーンは、貿易の拡大を促進するために新しい国境検問所を開設することに合意した。

両国の技術者たちは協力して、ルブアルハリ砂漠(ザ・エンプティ・クォーター)を通り抜けてサウジアラビアの東部州のアルアサとオマーンのイブリをつなぐ高速道路をサウジアラビアの資金提供により建設中である。開通すれば、両国間の移動時間は約16時間短縮されるという。

アブダビでの湾岸協力会議(GCC)サミットで握手を交わす、サウジアラビアのアブドッラー皇太子(当時、左)とオマーンのカブース前国王(右)。 (ファイル写真:AFP、WAM経由)

当局者たちは、2021年年末までにこの高速道路の民間および商業用の利用が可能になるものと期待している。利用が実現すれば、ビジネス活動の新時代の幕開けとなる可能性がある。

「サウジアラビアとオマーンをつなぐ道路の建設作業は順調に進んでおり、まもなく旅行者と企業の両方に開放されるでしょう」とファイサル・アルサイード駐サウジアラビア・オマーン大使 は述べている。

「この道路は、これから期待される両国間の新たなビジネスと経済のパートナーシップのためにも、非常に重要です。」

新高速道路が開通すれば、両国が拡大に積極的な観光業への潜在的な後押しとなることはもちろん、輸出入ロジスティクスにおけるコスト削減効果を(オマーンのソハールとドゥクムの港湾エリアの事業者たちには特に)もたらすことになる。

とりわけオマーン側は、新高速道路が、そしておそらく将来の鉄道による連絡もまた、ソハール工業団地とドゥクムの経済特区への共同投資を促進してくれるよう望んでいる。

二国間パートナーシップによるその他のプロジェクトには、カザーン経済都市、サララ-2ガス火力発電所、サララ淡水化プラントの各開発事業などがある。サウジアラビアはオマーン産の魚の主要輸入国でもあり、オマーンの漁業の発展は大きな共通の関心事となっている。

「両国の事業家の多くは、陸路によるつながりが、二国間貿易の拡大に大きく貢献する要素、飛躍への触媒となると考えています」とファイサル・アルサイード オマーン大使は指摘する。 「この重要な陸のリンクは、貿易関係以外の事業にとっても、切実に必要とされるサポートサービスとロジスティクス実現に向けたチャンスになるでしょう。」

共同活動のもう1つの中核は環境分野である。両国は協力して、炭素排出量を60%削減し、数十億本の木を植え、「サウジアラビアグリーンイニシアティブ」および「中東グリーンイニシアティブ」の目標を実現しようとしている。

ハイサム国王は、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子との以前の会談で両イニシアチブを歓迎する意を表明している。サウジアラビア・オマーン両国はまた、工業開発、都市計画、鉱物採掘に関する専門知識を共有し始めている。さらに、両国の閣僚の代表団同士が最近動画リンクによるバーチャル会合を開き、新たな協力活動についての話し合いをすでに行っている。

最近数か月、ハイクラスの代表団がこの地域を忙しく動き回り、「オマーン・ビジョン2040」と「サウジ・ビジョン2030」を統合させようと努力している。これら2つの開発および経済多様化プロジェクトは、活気に満ちた現代的な経済を創出することにより若い市民に刺激的な新しいキャリアの道のりを示し、また生活の全体的なクオリティを向上させるために計画されたものだ。

「ハイサム・ビン・タリーク国王陛下の賢明なリーダーシップの下、『ビジョン2040』の一環として、私たちは製造、ロジスティクス、漁業、鉱業、観光、テクノロジーなどの分野における戦略的強みを効果的に活用しています」とファイサル・アルサイード大使は解説する。

「さらに、今年初めの経済刺激策の発表により、オマーン政府は民間部門を強化し、特に若い起業家たちが経営する中小企業の設立と成長を奨励しています」と大使は付け加えた。

「また、サウジアラビア政府が自国のインフラに投資しているのと同じように、オマーンもドゥクム、ソハール、サララ、マスカットで注目度の高いインフラプロジェクトを成功させてきました。これらのプロジェクトはオマーンの成長とその拡大する経済の価値を大幅に高め、また国際的にも高い関心を集めています。」

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