• 新政府を樹立するための取り組みは、政治的派閥によって妨害されており、ライ氏はこう着状態を解消するために個人的な介入を行っている
• 同氏は、政府の決定を機能させなくする割り当てや敵対する状況、障害のない政府の必要性を強調した

Najia Houssari

ベイルート：レバノンの政府樹立を遅らせる理由はない、と同国のキリスト教大主教は20日、述べた。

新政府を樹立するための取り組みは、政治的派閥によって妨害されており、キリスト教マロン派大主教ベカラ・ブートロス・ライ枢機卿は、こう着状態を解消するために個人的な介入を行っている。

ムスタファ・アディブ氏は、今年1月末にサード・ハリリ氏の後を引き継いだハッサン・ディアブ氏に代わる首相に指名されてから1カ月足らずで、9月に首相を辞任した。

ライ枢機卿はここ数日、ミシェル・アウン大統領、首相に指名されたハリリ氏、自由愛国運動（FPM）の指導者ジュブラン・バシル氏と行った全てのやりとりの中で、「政府の樹立を遅らせる理由はない。1日たりともない」ことが分かったと語った。

同氏は、政府の決定を機能させなくする割り当てや敵対する状況、障害のない政府の必要性を強調した。

「この政府は、政治色や党派がないようにしなければならず、能力、業績、専門性を市民社会に知られている閣僚がいなければならない。この政府が、憲法の規定に従い、合意、連携、大臣交代の枠組みの中で、指名された首相と大統領の協議と純粋な意思を通じて樹立されることが条件だ」

新政府の仕事は「改革の実行に専念し、計画・約束された国際援助を受け、（8月4日の）爆発事故で破壊されたベイルートの再建を優先する」ことだ、とライ氏は述べた。

12月9日、ハリリ氏はアウン氏に、18人の閣僚から成る閣僚名簿を作ることを提案したが、その日以来、新政府の樹立は進展していない。

過去48時間の間に、FPMと未来運動との間で緊張が高まり、政府樹立の過程がより複雑になり、大主教の仲裁が打開策につながらないという印象を与えた。

FPMは声明を発表し、ハリリ氏を「政府樹立の過程における対等なパートナーとして、国家元首として、憲法が定める大統領権限を無視しようとしており、さらに、誓約を心に留めることを主張し、全てのレバノン国民に対応するための、明確で統一された基準を採用せず、国の均衡を完全に無視するつもりであり、排除と権利侵害の時代に戻っている」と非難した。

声明は、「これは許されない」と付け加えた。

メディアにリークされた情報では、FPMは、FPMから3つの主要省庁 (内務省、国防省、司法省) に、レバノンの安全保障を担当する大臣を出すのと引き換えに、政府樹立に同意するだろうと言われている。

未来運動はFMP指導部を「憲法にある、政府樹立の基準の廃止を主張している」と非難した。

FPMのIbrahim Kanaan議員は20日、ライ氏との会談後、「議論を続けるべきではない。アウン氏は、憲法および、国家の再建と経済の救済を目的とした、フランスの計画に従い、政府の問題を解決する準備ができている」と述べた。だが、詳細は明かさなかった。

同氏は、特に大統領が憲法およびフランスの計画に従い「政府樹立の問題を解決することを決意している」ことから、説明とやり取りが行われると考え、来週の初めにアウン氏とハリリ氏が会うことを期待していた。

未来運動の副代表であるムスタファ・アルーシ氏はソーシャルメディアで、アウン氏と、彼の義理の息子であるバシル氏に向けて次のように語った。「全ての人を支配するシステムを破壊するつもりなら、あなたたちは成功した。だが、祖国を破壊し、大統領の義理の息子に大統領の地位を譲ることに意味があるのだろうか。憲法に違反することは全てうまくいかないだろう。使命を負った政府であることが、レバノンの崩壊を食い止め、レバノンを守る唯一の方法だ。あなたたちに良心があるならば」

このような口論とこう着状態から、レバノン軍党代表のSamir Geagea氏は大統領の辞任を要求した。議員連合の会合の後、同氏は「与党グループは統治するのに適していない。腐敗している。だから、この国は今の状態になった。私がこの国の大統領だったら、辞職しただろう。この言葉は、権力の座にあるグループ全体に向けられている」と述べた。