
アリ・カーレド/ラワン・ドワン
ドバイ/ジェッダ: サウジの空手スター、タレグ・ハメディ選手は8月7日の土曜日、一風変わった判定が下ったことで東京2020オリンピックでタイトルを得ることができなかった。ただ、同選手のファンたちにとっては、受け取った銀メダルは金メダルに匹敵するものであった。
23歳のハメディ選手は日本武道館において、4-1でリードしていたところで完璧な上段蹴りが決まり、イラン人の相手選手、サジャド・ガンジュザデ選手がマットに倒れ勝利を目前にしていた。だが、イラン人選手が担架で運び出され、ハメディ選手が勝利をほぼ確信していた時、トルコ人審判はサウジ選手を「危険でコントロールされていない攻撃」で反則負けとし、試合はガンジュザデ選手の勝利とした。
ハメディ選手のファンたちは当惑憤激し「次はなんだって言うんだ。ボールを強く蹴りすぎたサッカー選手にレッドカードを出すのかい?」などコメントが出た。
Twitterは金メダルを獲得できなかった若いサウジ選手を支援するツイートで溢れかえった。@bg_alasrajは「イラン人選手がマットに倒れていて、サウジのヒーローが仁王立ちしているのに、自分はなんで勝者を誇りに思えないんだろう」とツイートした。
@999saudsalmanは「公平な目で見たらタレグ・ハメディ選手こそ金メダリストだ」とツイートしている。
あるユーザーはガンジュザデ選手を「意識不明の金メダリスト」と評し、同イラン人選手が表彰台の一番上に昏睡状態で横たわっているミームが出回った。
実際のところは、ガンジュザデ選手は奇跡的な回復を遂げ、メダル授与式には間に合って介助を受けることなく自力で金メダルを受け取った。同選手は「こういう形での勝利は残念だ」と認めている。
ただ空手の試合では、フェルヤル・アブデラジズ選手が1948年以来わずか2個目となる金メダルを獲得するというエジプトにとって良いニュースもある。しかし、彼女の相手はアゼルバイジャンのイリーナ・ザレツカ選手で、横になったイラン人ではなかった。