
サーレハ・ファリード
ジェッダ:年間1億人の観光客誘致を目指すサウジアラビアで、あるサウジアラビア人の男性が、彼の妻、そして娘と共に、国内外で同国の観光を盛り上げようと取り組んでいる。
祖国のサウジアラビアの観光に魅了され続けてきた一家は、サウジアラビアに対するイメージを変えるための取り組みを2019年に開始した。一家は、「サウジアラビアは砂や砂漠だけではない」というスローガンのもと、サウジアラビアの代表的な名所を取り上げたユニークなポストカードを作成している。
「私たち家族は非常に冒険好きです。サウジアラビアの魅力を、シンプルで昔ながらでありながら、今でも効果的なポストカードで世界に発信したいと思っています」と、変更管理の仕事をしている45歳のバンダル・アル・リファイ氏は語った。
「ポストカードには、私たちが愛するサウジアラビアの各名所を訪れた際に撮影した写真が掲載されています。サウジアラビアに対する固定観念を変えたいと思っています。」
このポストカードのプロジェクトには、フリーランスのインテリアデザイナーである妻のシュアアさん(39歳)と7歳の娘のファラさんが参加しており、アルリファイ氏は家族でこの活動に取り組んでいる。
一家の旅を記録するために、家族の誰もがある特定の役割を持担っている。アル・リファイ氏がリーダーで、妻のシュアアさんがナビゲーター、料理人、デザイナーを務める。娘のファラさんはモデルを務める一方、カメラや携帯電話のドローンも担当しており、訪問先の様々な場所についてのパンフレットを読んでいる。
彼らの完成した作品は、家族のInstagramアカウント『Traveler Crews』で見ることができる。
一家が故郷の美しさを探求するきっかけとなったのは、一家の友人が、彼らの世界旅行を賞賛した後、「サウジアラビアについて何か知っていることはないか」と尋ねたことであった。
その時、アル・リファイ氏は考え込んでしまった。旅慣れている一方、自身の国について全く知識がなかったアル・リファイ氏にとって、この質問は、国内に目を向けて、サウジアラビアに貢献できる観光プロジェクトを立ち上げる動機となった。
「私は国際的な企業で働いていますが、駐在員の同僚がサウジアラビアを『砂場』と呼んでいました」とアル・リファイ氏は語った。「これが私にとって、1枚の写真や動画といった小さなものでも、この概念を変えられるという考えを導きました。そして、私達は最後はポストカードにたどり着いたのです。」
ポストカードを選んだ理由について、アル・リファイ氏は『アラブニュース』に対し次のように語った。「大勢の中で目立つことができます。」
「1800年代後半から1900年代前半にかけて、誰もがポストカードを送っていました。ポストカードは、誰かとコミュニケーションをとるための手軽な手段であるだけでなく、集める楽しみもありました。」
サウジアラビアの美しさを知ってもらうために、ジェッダ出身でリヤドに住むアル・リファイ氏と彼の家族は、サウジアラビアの有名な名所をすべて見て回ることにした。
この一家のプロジェクトには、古代都市マダイン・サレー、ファラサン島、アル・スーダ、アル・シャック大峡谷、ライジャル・アルマー村、ウム・ジャルサン洞窟、ワディ・アル・ディサ、ジャバル・アル・カドル火山など、国内のさまざまな遺跡が数多く含まれていると、アル・リファイ氏は語った。
「サウジアラビアに火山が存在することを知らない人は多いです。」「サウジアラビアには2,000以上の休火山があり、そのうち3つは半活火山です。」
一家は、1月下旬から3月中旬までの間、一家お気に入りの国内旅行を行った。
アル・リファイ氏は、この国内旅行には「サウジアラビアの西南、西、西北全域が含まれていました」と語った。
「さらに、2021年のディルイーヤE-Prixのレースでは3回目となるレース運営の係員を務めました。12月のサウジアラビアGPでも同じようにレース運営係員を務める予定です。」
また、一家は旅の中で、国内の風景や主要な観光地を紹介するポストカードを700枚制作し、配布した。
「ポストカードを受け取った人たちから、案内してほしいという要望が多く寄せられました」とアル・リファイ氏は語った。「サウジアラビアを訪れた際、私たちが配布したポストカードで見たものを実際に見に行くにはどうしたらいいのか教えてほしい、と頼まれることもあります。」