
アラブニュース
ジェッダ:サウジアラビアとUAEは28日、多数の合意文書を締結した。観光を後押しするため、両国国民が使える共通の訪問ビザを発行する取り決めも含まれている。
UAEの公式通信社WAMによると、ムハンマド・ビン・サルマン王子のUAE訪問中に特に取り上げられた6つの取り組みのうちの1つである今回の取り決めは、サウジ観光・国家遺産委員会(SCTH)とUAEの経済省との提携協定の一部。
取り決めにより、両国間の検問所の通行が迅速化されることになる。
食料安全保障のための共同戦略も別に締結された。サウジアラビアやUAEだけでなく、地域全体の食料問題に取り組むことを目的としている。
各国のサイバーセキュリティの強化や信頼性の高いサイバー空間の提供支援についても合意され、両国へのサイバー攻撃を防ぐ方策を探っていく。
経済レベルでは、銀行のみに対象を絞ったデジタル通貨を実験的に発行することで合意した。ブロックチェーン技術の影響について理解を深め、越境決済を促進することを目的としている。
両国はまた、日産120万バレルの巨大製油所を新たに建設する予定だ。初期費用として700億ドル(2620億SR)を投じ、西インドのマハーラーシュトラ州で最新の石油化学コンビナートに統合される。サウジアラビアの原油を少なくとも1日当たり60万バレル供給する。
また、両国の若者の連携強化やアイデアの交換、若き才能を後押しする活動の調整のため、「Saudi-Emirati Youth Council(サウジ・エミラティ青年評議会)」が設立される。
一方で、両国は健康・文化・宇宙・食料安全保障の分野で4つの覚書(MoU)を新たに締結した。
最初のMoUはサウジアラビアとUAEの保健省が署名し、それに続いて、UAEのヌーラ・ビン・ムハンマド・アル・カービ文化・知識開発相とサウジの文化相であるバドル・ビン・アブドゥッラー・ビン・ファルハーン・アール=サウード王子の間で文化面の取り決めが交わされた。
第3のMoUは宇宙分野に関するもので、UAEの高等教育相であり宇宙庁長官を務めるアーマド・ベルホール・アル・ファラシ博士とサウジアラビアのムハンマド・アル=トワイジリー経済企画相が署名した。
食料安全保障に関する第4の取り決めは、マリアム・ハレブ・アルムヘイリ食料安全保障担当相とアル=トワイジリー大臣で合意に達した。
サウジ皇太子は滞在中、ドバイのムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム皇太子とともに「2020年ドバイ国際博覧会」の本部を訪れた。
192の国が参加するこの大規模イベントは、「Connecting Minds, Creating the Future(心をつなぎ、未来を創る)」をテーマに、2020年10月20日から2021年4月10日までドバイで開催される。