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ジェッダ:幅広い事案を網羅する共同声明が出され、多数の合意が結ばれたことは、フランスのエマニュエル・マクロン大統領の2日間の湾岸諸国歴訪を締めくくるサウジアラビア訪問のハイライトになった。
土曜日、サウジとフランスの企業が経済協力に関連する合意を発表した。マクロン大統領がムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下と会談を行っている最中のことである。皇太子殿下はアル・サラム宮殿でマクロン大統領と会談し、2人は二国間の協力関係について議論したほか、レバノンのナジブ・ミカティ首相と電話会議を行った。
公式報告によると、この3カ国はレバノンで不可欠の包括的改革を支援するため協力し合うことに合意した。また、サウジアラビアとフランスは、国の安全と安定性が強まることを望むと強調したという。
サウジ通信社(SPA)が報じた共同声明によると「双方は(中略)改革には、金融、エネルギー、汚職撲滅、国境管理の分野を含める必要があると強調した。双方はまた、これらの措置を確実に進めるため、レバノンと協力することに合意した」
「また両国は、武器の使用を正規の国家機関に限定する必要性を訴え、レバノンは、地域の安全と安定性を脅かすテロ行為の発射台や麻薬密売の元凶になってはならないと述べた」
「さらに両国は(中略)人道支援のため、完全な透明性を確保したサウジアラビアとフランスの仕組みを確立することに合意した。そして、レバノン国民の苦しみを和らげるために、友好国や同盟国と協力して適切な仕組みを探る決意を表明した」
イスラエルとパレスチナの紛争に関しては「双方は、中東の平和を実現するために支援を続け、包括的な和解に達することの重要性を繰り返した。(中略)合法的な関連決議、二国家解決とアラブ和平イニシアチブに基づき、パレスチナ人が1967年ラインで東アル・クッズ(エルサレム)を首都に国家を建てる権利を確保し、それを背景に二国家解決を脅かすイスラエルの入植政策を終わらせるよう呼びかける」とした。
イランに関しては、共同声明では次のように述べられている。「双方は、イランが核開発計画を進めていること、国際原子力機関に協力せず、透明性を欠いていることに深い懸念を表明した」
「フランスは、イランが核兵器を開発または入手することを許さないという決意を強調した。両国はまた、サウジアラビアに対する攻撃につながったドローンと弾道ミサイルの使用と移動など、この地域でのイランの安定を脅かす動きに立ち向かう必要性について合意した」
イエメン危機への対処については次のように述べた。「フランスは、2021年3月22日に提示されたサウジの和平に向けたイニシアチブを全面的に支持することを確認した。フーシ派民兵の弾道ミサイル発射とドローン攻撃を非難し、サウジアラビアの安全を守るために歴史的な関与を進めることを確認した」
SPAの報道によると、その他の進展として、土曜日にサウジ宇宙委員会のムハンマド・ビン・サウド・アル・タミミCEOとフランス国立宇宙研究センターのフィリップ・バティストCEOが宇宙空間の平和利用に関する共同協力協定に署名した。
この合意の「目的は、宇宙の平和利用に向けて宇宙活動で協力するための枠組みを用意し、情報と技術の交換を促し、能力開発と教育に寄与し、相互訪問や会議を実施し、訓練コースや専門ワークショップを開催することである。宇宙を拠点とする気候モニタリングのメカニズムを開発するための共同協力も目指す」
さらにSPAは、土曜日にサウジアラビアとフランス間の文化的関係を強化する覚書に署名が行われたと報じた。「サウジアラビア文化大臣のバドル・ビン・アブドゥラ・ビン・ファルハン・アル・サウード皇太子がパリでフランス側の担当者のロズリーヌ・バチェロット博士と会談してからわずか数週間で、この覚書は両国間の文化的関係を発展させることの最新事例になった」
「5年間の合意の下、サウジアラビアとフランスは幅広い文化的分野で文化協力と交流の促進に取り組んできた。建築、視聴覚作品、デザイン、映画、遺産、文学、舞台芸術、視覚芸術などがその分野に含まれる」
「さらに、この覚書で両国が文化に関する規制や政策を模索しやすくなるだろう。また、サウジアラビアとフランスのアーティストの交流レジデンシープログラムへの参加を増やし、両国のアーティストと文化機関の協力関係を強化する機会にもなる」
両国間の観光業の協力強化を目指す別の協定についても、サウジのアフマド・アル・ハティーブ観光大臣と、フランスの貿易・経済的魅力担当であるフランク・リーステール大臣が共同署名したことをSPAが報じた。
それによるとアル・ハティーブ観光大臣は次のように語っている。「フランスは、国内の知識と経験を活かして8,100億ドルを投じ、サウジアラビアが観光活動を発展させ、投資を誘致するのを支援する。それによってメッカの巡礼期以外にも観光の機会を増やせるだろう。サウジアラビアは2030年までに6兆ドルのコストをかけて新たな投資機会を獲得することが期待されている。非常に楽しみなことだ」