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アラブ戦略フォーラム:サウジの改革は18億人のイスラム教徒にとってポジティブ

月曜日にドバイで開催されたアラブ戦略フォーラムのセッションではFaisal J. Abbasが司会を務め、エド・フサインとオマール・サイフ・ゴバシュ(右側)が参加した。 (AFP)
月曜日にドバイで開催されたアラブ戦略フォーラムのセッションではFaisal J. Abbasが司会を務め、エド・フサインとオマール・サイフ・ゴバシュ(右側)が参加した。 (AFP)
10 Dec 2019 05:12:40 GMT9
  • 作家のエド・フサインは、王国の改革はサウジアラビアだけでなく、イスラム世界全体に関するものだ言う
  • アラブ首長国連邦(UAE)のオマール・サイフ・ゴバシュ大臣は、アラブ諸国は経済問題を宗教問題から切り離すべきだと語る

ドバイ:サウジアラビアは、アラブ戦略フォーラムで高く称賛された。同フォーラムは、毎年開催されるイベントで、今後10年間の出来事とトレンドを予測することを目的として、著名な学者、外交官、戦略家、メディア専門家などが参加してドバイで開催された。

英国の反過激主義シンクタンクQuilliamの共同創設者であるエド・フサインは、「次の10年におけるイスラム教の未来」をテーマとした月曜日のパネルディスカッションに参加し、王国で進行中の改革に注目を集めた。

彼は、この変化はポジティブであるが「予期していなかった」ものであると述べ、王国の努力を称賛した。

「これらの改革はサウジアラビアだけのものではなく、地域全体に影響を及ぼしています。18億人のイスラム教徒が1日に何度もその行方を見守っています」と彼は言う。

私たちは、サウジアラビアの未来に注目しています。それは世界中のすべてのイスラム教徒に影響を与えるからです」と彼は語り、これらの変化により「イスラム教徒だけでなく世界がより良い方向に向かいます」とも付け加えた。

2016年にビジョン2030の改革計画が発表されて以来、サウジアラビアでは女性のエンパワーメントが着実に進展してきた。

最も顕著な例は、女性の運転禁止の解除と、サウジアラビアの女性が男性の同意なしに旅行またはパスポートを取得できるようにする後見人制度の廃止である。

その他、反ハラスメント法の制定や、監護権および慰謝料に関する法律の変更などの進展が見られる。また、女性が、航空業界、国の安全保障、経済、ベンチャーの起業、観光、娯楽などの新しい分野に参入することが許されるようになった。

サウジアラビアを称賛することに加えて、フサインはUAEを「ほぼ理想的なモデル」となる国であるとし、そこでは人々は「個人的には信心深いが、社会的および経済的問題を解決する責任を有するのは国家であってモスクではないということに気づいています」と説明する。

UAEのオマール・サイフ・ゴバシュ外務国際協力省の文化担当副大臣は、「モスクと国家」に関する彼のコメントの中で、今日のアラブ人イスラム教徒であることの意味を再定義する必要があると述べた。

UAEのフランスとロシアの大使を務め、『若いイスラム教徒への手紙』の著者でもあるゴバシュは、この地域では創造的、進歩的、経済に精力的であるといったことがもはや例外ではなくなっているので、定義が必要であると言う。

歴史を見ると、宗教階級が都市がどのように運営されるかについて非常に大きな権威を持っていたと彼は言う。しかし、知識が進歩し、さまざまな専門分野が生まれたことにより、「聖職者階級」は、運輸政策、物流管理、人口統計学上の課題といったトピックに関連したすべての質問に答えることができなくなっている。

ゴバシュは、「新しい世代は幸いにも自分たちの歴史を深く理解していないので、先祖の背負ってきた重荷をおろし、将来についてよりポジティブになれるのかもしれません」と言う。

アラブ戦略フォーラムとの継続的な共同作業の一環としてArab Newsが開発し実施した調査結果、「モスクと国家:アラブ人は今後10年をどう見るか」が、パネルディスカッションの中で紹介された。

このセッションの司会を担当したArab Newsの編集長Faisal J. Abbasは、YouGovの世論調査データを引用し、さまざまな分野での改革や変化にもかかわらず、アラブ世界は依然として宗教的であることが示されたと言う。

この調査では、アラブ人の51パーセントが他の宗教の礼拝所に対して好意的であるが、世俗国家のモデルとなることは恐れていることが示唆された。

フサインは、この地域の世俗主義と結びついた汚名は、アラブ人のアイデンティティとみなすことができる固有の、信ずべき、関連した定義が存在しないせいであると言う。

このような状況下で、「確固たるアラブ人のアイデンティティを明確にすることができないことは、過激なイスラム主義がはびこる余地を作り出すでしょう」とフサインは言う。彼は2007年の著書『The Islamist: Why I Joined Radical Islam in Britain, What I Saw Inside and Why I Left(イスラム教徒:私はなぜイギリスで急進イスラムに参加し、そこで何を見て、そしてなぜ去ったのか)』は、「新しいタイプの過激主義に関するレポートであり、個人的な闘争と内なる成長の回顧録のようなもの」 であると説明している。

彼は、過激なアジェンダを掲げる政党や組織を批判し、「ハマスはガザのために何をしましたか?ヒズボラはレバノンのために何をしましたか?ムスリム同胞団はエジプト人のために何をしましたか?蜂起は不安定をもたらしました。」と問いかける。

彼は、アラブ諸国が採用すべき最良のモデルは「進歩」であるとし、2011年以降のアラブの春の反乱に見られるように、政府を転覆させたいという欲求は「ユートピア」体制をもたらしはしないことを指摘している。

「2011年以来、私たちは未だに革命に苦しんでいますが、私たちが目にしてきたものは、それらに対する強い反応です...そして、政府の転覆は上手く行かなかったし、上手く行っていないし、これからも上手く行かないでしょう。」

フサインの見方に共鳴し、ゴバシュは、アラブ世界全体にわたる深刻な規模の社会的および経済的問題は、過激主義のアジェンダを推し進めるために使用された力の結果であると語った。

彼の見解では、アラブ諸国は経済問題と宗教問題を正しく見極め、両者を切り離すべきであろうと言う。

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