
アラブニュース
ドバイ:サウジアラビア外務省は同国南部とアブダビの民間人や重要施設に対して「繰り返される」フーシ派の攻撃を非難した。
UAE(アラブ首長国連邦)国防省は、月曜にアブダビに向けて発射されたフーシ派のミサイル2発を迎撃し、人的被害の報告はなかったと発表した。
同省は「どんな脅威にも対応できる万全の準備を整えている」と断言し、「UAEをあらゆる攻撃から守るために必要な全ての方策を講じる」つもりだと付け加えた。
今回のミサイル迎撃に「UAEと米国の緊密な連携」が役立ったと、UAEのユセフ・アル・オタイバ駐米大使は述べている。
アル・オタイバ氏は加えて、「次なるステップは支援者からの資金と兵器の流れを遮断すること」だと述べ、米国のジョー・バイデン大統領政権に対し、フーシ派を米国の外国テロ組織リストに再び加えるよう改めて要請した。
Ambassador Al Otaiba: “Close UAE-US cooperation helped to repel another round of Houthi terror attacks this morning in the UAE.
— UAE Embassy US (@UAEEmbassyUS) January 24, 2022
Next step is to shut off financial and arms flows from their backers. US should move now to put the Houthis back on the terrorist list.”
米国の国家安全保障担当補佐官ジェイク・サリバン氏がアル・オタイバ氏、駐米サウジラビア大使リーマ・ビント・バンダル王女と会談し、フーシ派の責任を追及する方法について話し合ったと米国政府が声明で伝えた。
サリバン氏は米国がUAE、サウジアラビア両国の安全保障に力を注ぐことを改めて表明したという。
サウジアラビアでは日曜、フーシ派が発射した弾道ミサイルがジーザーン州アハド・アル・マサリハの工業地域に着弾し、住民2人が軽傷を負った。月曜には別のミサイルがDhahran Al-Janub上空で迎撃された。
直後に「イエメンの正当性回復を目指す」連合軍がイエメンのジャウフ県で弾道ミサイル発射台を破壊したと発表した。
アメリカ中央軍は、月曜早朝にUAEのアル・ダフラ空軍基地の米軍がUAE軍と共に、同国を攻撃するフーシ派のミサイル2発に応戦したと発表した。
「UAEのアブダビに近いアル・ダフラ空軍基地のアメリカ軍は、2022年1月24日早朝に飛来するミサイル2発に対し、UAE軍と協力しつつ、複数のパトリオットミサイルで応戦した」とのこと。
サウジアラビア外務省は、フーシ派によるサウジアラビア、UAEおよび紅海の国際的な海運航路に対する全てのテロ攻撃を拒絶するとした。
また、フーシ派武装組織は地域の安全と安定を揺るがすためにテロ攻撃を継続しており、イエメン国内に甚大な被害を与え、イエメンの人々の命を奪っていると伝えた。
同省は国連安全保障理事会と国際社会に対し、侵略的なフーシ派の「行いを国際的な平和と安全を維持するために」止めさせるよう要請した。
加えて、フーシ派武装組織が攻撃を執拗に繰り返すことは国際社会への挑戦であり、「国際人道法のルールへの明らかな違反」だとした。
また、地域の安全と安定に対するフーシ派のふるまいの危険性を裏付けるものだと、同省は述べている。
UAEもアブダビへの弾道ミサイル2発による「邪悪な」フーシ派の攻撃を強く非難し、今回の件を見過ごすわけにはいかないと強調した。
同国外務省は「UAEはこのようなテロ攻撃と邪悪な犯罪行為の激化に対抗する権利を有する」と述べた。
また、フーシ派武装組織は違法な計画と目標を達成するために地域にテロと混乱を広めようと、野放図に犯罪行為を継続しているとした。
同省は国際社会に対し、民間人や民間施設を標的とするテロ行為を非難し、断固として拒絶するよう呼びかけた。
UAE外務省はフーシ派によるジーザーンへの攻撃も非難し、糾弾した。
同省は今回の攻撃は危険な過激化であり、市民の安全、安心、生命を脅かす卑劣な行為だとした。
また、テロ攻撃に直面するサウジアラビアに対するUAEの全面的な連帯を改めて表明し、両国の安全は不可分なものであると述べた。
アラブ内相会議(Arab Interior Ministers Council)は、攻撃の知らせに非常に心を痛めており、攻撃はこの武装組織の継続する侵略的アプローチ、アラブ地域の安全、安定、平和を脅かそうとする目的、国際社会への露骨な反抗、イエメンに平和をもたらそうとするあらゆる努力と構想への拒絶を表すものであると、声明を発表した。
アラブ議会はフーシ派によるサウジアラビアとUAEに対する攻撃の激化に警告を発し、フーシ派はアラブ地域の国家安全保障システム全般、とりわけ湾岸地域に脅威を及ぼしているとした。またフーシ派をテロ組織に指定することを要請した。
湾岸協力理事会はフーシ派の度重なるテロ攻撃は国際社会に対する露骨な反抗、あらゆる国際法の軽視、イエメンに平和をもたらそうとする全ての努力に対する拒絶の表れであるとした。
米国はフーシ派のUAEへのミサイル攻撃を非難し、UAEおよびサウジアラビアの防衛を強化する方針を再確認した。
ムスリム世界連盟は国際社会に対し「フーシ派のテロ行為に立ち向かうイエメンの連合軍の、イスラム的・人道的価値観と国際法および規範への献身を食い物にするテロリストの犯罪行為に断固とした態度で応じる」ことを求めた。
イスラム協力機構は市街地を標的とした度重なる攻撃を非難し、サウジアラビアとUAEへの連帯を表明した。
バーレーンはフーシ派の攻撃を強く非難し、サウジアラビアおよびUAEと、両国が安全と安定を維持し、国民と居住者の安全を確保するために講じるあらゆる措置を支援することを確認した。
同様にクウェートも攻撃を非難し、フーシ派武装組織に対する国際的なスタンスを固めることが必要だと強調した。
エジプト、ヨルダン、リビアは攻撃を強く非難し、サウジアラビアとUAEへの全面的な連帯を示す同様の声明を発表した。
米国からサウジアラビアへの使節団は日曜のフーシ派によるジーザーンへの攻撃を強く非難した。
「サウジアラビアの安全保障に力を注ぐことを改めて約束する」と使節団は述べた。
また、フーシ派に対し「民間人への攻撃をただちに停止し、国連の支援のもとで紛争の政治的解決策を見いだすために取り組む」よう求めた。
フランス外務省は改めてサウジアラビアとUAEへの支援を表明し、フーシ派による両国への攻撃を非難した。
トルコ外務省は両国への攻撃は国際法に明らかに違反するものだと述べた。