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情報筋によるとカショギ氏殺害事件検察と被告は共に「数日内に」上訴の意向

サウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショギ氏殺害事件の裁判で被告 11 名の内 5 名に死刑が宣告された。 (AFP)
サウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショギ氏殺害事件の裁判で被告 11 名の内 5 名に死刑が宣告された。 (AFP)
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25 Dec 2019 03:12:11 GMT9
25 Dec 2019 03:12:11 GMT9

ラワン・ラドワン・タリク・アル=タカフィ、ジェッダ/メッカ

  • 検察の情報筋はアラブニュースに対して両者共に判決を上訴することを確認した
  • サウジアラビアの司法制度では判決から 30 日以内の上訴手続きが許されている

カショギ氏殺害事件の検察官と被告の弁護団は月曜日に下された予備判決を上訴する意向である。

検察側の情報筋はアラブニュースに対して両者共に判決を上訴する意向で数日内に手続きを開始する、と語った。 

サウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショギ氏の殺害に関して裁判に掛けられた 11 名の内 5 名が死刑を宣告された。他 3 名はそれぞれ別の刑期を言い渡され残りの 3 名は無罪とされた。捜査と司法手続は完了しており判決を受けた者はリヤド刑事裁判所の判決を上訴することができる、と検察官は判決後に語った。

サウジアラビアの司法手続は完全な透明性を持って国際社会の代表者に開かれた状態で執り行われた、と法律専門家は述べる。

「国連安保理常任理事国(中国、フランス、ロシア、英国、米国)の大使館代表者およびトルコ大使館代表者が殺害事件の裁判を傍聴した」と検事総長情報官のシャーラン・アル=シャーラン氏は語った。

サウジ人権委員会の会長、アッワド・アル=アッワド博士は「彼ら(被告人)の全ての人権は国際社会の裁判の公正性の標準に準ずる王国の制度に法って保証されている」と述べた。

サウジの司法制度では判決から 30 日間の上訴手続き開始が許されている。

ガルーブ・アンド・アソシエーツの弁護士兼法律顧問のディマー・アル=シャリフ氏がアラブニュースに対して語ったところによると、初期段階の裁判所は上訴裁判所に対して請願者の上訴通知を提出し次の司法段階が開始される。そこで初期裁判の情報が集められ、法的議論が行われ、事実と証拠が検証される。

「上訴裁判所は全ての証拠と書類を精査し、疑問点や説明要請がある場合に限り初期段階の裁判所に差し戻す」と彼女は述べる。「この照会は判決の法的根拠から法的議論の根拠と多岐に渡る可能性がある。今回の事件に関して上訴裁判所の判断はどちらに転ぶかまだ分からない。下等裁判所の判断を肯定して下等裁判所の判決が確定し裁判を終了させることもあるだろうし、判決を破棄して裁判を下等裁判所に差し戻し、被告には新たな裁判の機会が与えられるかもしれない。判決が部分的もしくは完全に無効にされ、新たな裁判のために差し戻されることもある」

サウジアラビアの司法制度においては王国の各地域に上訴裁判所が 1 つかそれ以上ある。「二次裁判所」と呼ばれるこれらの裁判所では管轄所管内の上訴された初期段階の裁判所の判決を精査する。

また、法律顧問のモハメド・アル=マームード氏がアラブニュースに語ったところによると、判決は予備的なもので上訴することができ、3 名の裁判官によって宣告されたものである。検事総長もしくは弁護団が上訴を要請する場合、上訴裁判所に送られ上官である 5 名の裁判官によって審査されるという。

地政学専門家のミシャル・アル=アリ博士は「被告にはまだ上訴する権利があり、彼らへの判決は終了しておらず効力を持たないため、氏名は公表されなかった。検事総長はサウジアラビアの司法制度の最高権威性を認め、法は何人にも優ることを示し、判決が証拠と捜査過程の慎重な審議と精査のもとで下されたことを実証した」と語った。

上訴裁判所の裁判官 5 名が満場一致で被告 5 名全員の死刑判決を決定した場合には、その判決は最高裁判所に送られ別の 5 名の裁判官によって審査される。よって全部で 13 名の裁判官によって審査される。サウジアラビア王国は死刑を軽く下されるべき刑罰とは認めておらず、死刑判決が下される前に全ての状況を総合的に判断するために死刑判決は満場一致で決定されなければならない。

上訴裁判所の新しい制度において上訴は被告の出廷の元で行われるか申請された書類の精査のみで行われると定められている、とアル=シャリフ氏は言う。

裁判の長期化を避けるために、被告不在での上訴判決の審査は制令によって明確化されている、とアル=シャリフ氏は説明する。上訴裁判所は全ての案件において 20 日以内、緊急を要する案件に関しては 10 日以内に判断を下さなければならない、と規定で定められているからだ。

裁判は王国が外部組織からの干渉を一切受けずに執り行われた、とアル=アリ氏は述べた。彼は、王国の司法当局は完全な独立性および透明性を維持しており、被告は全ての司法手続に関して完璧な認識を与えられていた、と付け加えた。

弁護士のカリド・アブ・ラシェド氏は、この裁判の司法管轄は事件が国際法でサウジ領であると認められているイスタンブールのサウジアラビア大使館で発生したため王国の排他的権限である、という王国の立場を反映している、と語った。

アル=アッワド氏によると、人権委員会は全ての裁判を傍聴し、基本的行政制度、刑事訴訟制度、シャーリア法上訴制度、絶対統治制度、およびサウジアラビア王国の地域社会ならびに国際社会における人権に関する合意およびその他の国際標準に沿って、王国の法制度に完全に則って執り行われた、という。

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