
ラシッド・ハッサン
リヤド:サウジアラビアの人材開発基金(Hadaf)が開始したOJTプログラムの参加者は、女性卒業生の数が男性卒業生の数を上回った。
Hadafによると、2017年のプログラム開始以来、ディプロマ、学士号、またはそれ以上の学位を保有する6万1000人以上の男女がタムヒール・プログラムの恩恵を受けてきた。
参加者のうち、74パーセントが女性であった。
参加者数の多い上位3県は、リヤド、メッカ、東部州であった。
タムヒールは、サウジアラビア国民が各人の専攻や専門分野に沿った職業環境での実践的なトレーニングを通じて、労働に必要な専門知識やスキルを習得できるようにすることを目的としている。
また本プログラムは、サウジアラビア国民の雇用適性を高めることで、研修終了後に民間企業が研修生を雇い入れるインセンティブにもなっている。
タムヒール・プログラムでは、技術・保健・行政に関する機関や大学のディプロマを保有する者には、毎月2,000サウジアラビア・リヤル(533ドル)、学士号以上の保有者には3,000サウジアラビア・リヤル(800ドル)の月額報酬を支給している。
またプログラムでは、研修生が実務に携わる際の保険料も負担している。
研修期間は3カ月から6カ月である。
プログラムを修了した研修生は、経歴証明書を受け取ることができる。
高等教育機関を卒業しており、離職して6ヶ月以上経過していることがプログラム参加の条件となる。
Hadafは、全国労働者ポータルサイトTaqatを通じて、研修を提供する企業への招待を再開した。
プログラムに登録したサウジアラビア国民に対して、訓練の機会を提供するよう企業に奨励している。このプログラムは、並行して実施されているニタカットと呼ばれるプログラムで得られる資金を使ってhadafが運営費を調達している。ニタカットは、国内の失業率を下げると同時に、国内の人的資本を最大限に活用することを目的としたサウダイゼーション政策である。
ニタカット・プログラムにより定められた目標に達するために、企業がサウダイゼーション・ユニットを支払うと、その資金がタムヒール・プログラム研修生の報酬として使用される。
また、タムヒール・プログラムを通じて実地研修を提供する企業も、Hadafが研修生に毎月報酬を支払うことで企業の財政支出を補填するため、このプログラムの恩恵を受けることになる。
サウジアラビア国民の労働市場におけるスキルや資格について、よく理解する機会を雇用主は得られるため、最も有能な人材を雇用することが可能になる。
このプログラムへの登録を希望する企業は、資格を得るために特定の要件を満たす必要がある。
登録企業には、研修生を受け入れるための明確な計画を立てること、研修生10人につき1人のメンターを任命すること、毎月の出勤記録を取ること、研修生へのフィードバックを行うことなどが求められている。
政府、半官半民の事業所もプログラムに登録することができる。
若者を労働力の一部に取り込むことで、サウジアラビアの経済と社会の発展に貢献している。