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ポケモンカードゲームのイラストレーターとの出会いにサウジアラビアの観客が歓喜

ポケモンカードゲームの伝説の日本人イラストレーター、有田満弘氏。
ポケモンカードゲームの伝説の日本人イラストレーター、有田満弘氏。
ポケモンカードゲームの伝説の日本人イラストレーター、有田満弘氏。
ポケモンカードゲームの伝説の日本人イラストレーター、有田満弘氏。
ポケモンカードゲームの伝説の日本人イラストレーター、有田満弘氏。
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ポケモンカードゲームの伝説の日本人イラストレーター、有田満弘氏。
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31 May 2022 07:05:02 GMT9
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ナダ・ハミード

ジェッダ:『ポケモンカードゲーム(PCG/ポケカ)』の伝説的な日本人イラストレーターである有田満弘(ありた みつひろ)氏が、「ジェッダ・シーズン2022」のシティウォーク・ゾーンにある9つのエリアのひとつ、「アニメビレッジ」で、サウジアラビアの観客と初めて対面した。

このポケモン原画家との交流会は5月27日と28日に開催された。子供の頃に大好きだったアニメやカードゲームの立役者に出会い、話を聞き、会話することを熱望する有田ファンが押しかけ、夜のイベントは盛り上がりを見せた。

有田氏がファンのために数十枚のカードにサインをしている間、同氏はアラブニュースとの独占インタビューで、キャリアパスとイラストレーションの経験について話してくれた。

有田氏はその26年のキャリアの中で数百枚のポケモンカードのイラストを手がけた。また、『ファイナルファンタジー』シリーズ、アニメや任天堂ファンから世界的に人気のある映画『ベルセルク 黄金時代篇』三部作のイラストも手がけているが、彼の憧れと関心は『カルドセプト』にあったという。

「私はこれら3つの作品を監修しました。当時は3つの作品とも同じように素晴らしい結果を出すことだけを考えていました。しかし、私の憧れはカルドセプトに向いていました。私にとってこれはアートであり、自分の作品であることに誇りを感じています」とアラブニュースに語っている。

『カルドセプト』は、大宮ソフトが開発したターンベースの戦略ゲームシリーズである。プレイヤーはマップを移動しながら、魔法のタブレットのような「カード」を使って、モノポリーのように特定のマス目に相手を着地させ、通行料を支払わせることで倒すという、仮想ボードゲームのようなゲームプレイが展開される。

有田氏は1971年に福岡で生まれ、現在は東京に住んでいる。1996年にプロのイラストレーターとしてのキャリアをスタートした。最初のプロジェクトはポケモンカードゲームであった。

彼は660枚以上のポケモンカードのデザインとイラストを担当し、ポケモングラフィックの歴史に名を残した。また、MMORPG『ファイナルファンタジーXI(FF11)』のデザインを11年間担当し、雑誌や映画の本のデザインも手がけた。

有田氏は独学でイラストレーションを学び、その世界では天性の才能を発揮した。彼のロールモデルは、「北斎」として知られる葛飾北斎であるという。北斎は、世界的に有名な版画『神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)』を含む木版画集『富嶽三十六景』で知られている。

「1998年、私が高校生の時、友人の一人が天野喜孝(あまの よしたか)氏のファイナルファンタジーを紹介してくれました。私は当時から時々絵を描いていましたが、ファイナルファンタジーを手掛けた同氏は私の好きなアーティストであり、ロールモデルである葛飾北斎と同様にインスピレーションを与えてくれました」と語っている。

2004年に発売された書籍『武器甲冑図鑑』に掲載された有田の絵を見て、『ファイナルファンタジーXI』の内の架空世界『ヴァナ・ディール』作者は感銘を受けた。そして有田氏はその後10年以上『ファイナルファンタジーXI』の制作に携わることになったのだ。

有田氏は「ファイナルファンタジーの世界を作ったチームと一緒に仕事をするのは楽しかったです」と語った。

サウジアラビア人はもともと日本文化の大ファンで、アニメ制作も得意としている。サウジアラビア初のサウジ・日本合作アニメ映画『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』も制作し2021年に世界初公開された。

そこで有田氏は、アニメや漫画、ゲームのイラストレーターを目指すサウジアラビアの若者たちにこうアドバイスした。「いろいろなイラスト作品を何度も見て、アイデアを明確にし、サウジの文化を代表するアニメ作品を発表してください」

この5年間、彼は日本、アメリカ、中国、イタリア、そして今回のサウジアラビアで開催されたようなイベントに出演し、世界各地で多くの観客に出会うようになった。

今回のジェッダ訪問は、彼にとってサウジアラビアでの初めての経験である。そこで観客に会い、彼らの熱狂ぶりを見て、この国に対する考え方が変わったという。

そして、有田氏は、愛と感謝の気持ちを込めて、宿泊先のホテルからアニメビレッジに来る前にライブ配信で「シティウォーク」ゾーンのイラストを描いた。イラストは今回、自身のウェブサイト https://linktr.ee/mitsuhiroArita で販売することになった。

トーク終了後、会場は歓声に包まれた。サウジアラビアのファンたちは、サインをもらおうと、ステッカー、ポスター、カードを抱えながら有田氏の元に詰めかけた。

アラブニュースは、その中の一人、サウジアラビアの起業家で、ポケモンカードの大ファンである35歳のモハメド・ファクリー氏に話を聞いた。

ファクリー氏は、200枚以上のポケモンカードが入ったアルバムフォルダを持ってきていた。90年代の子供たちが学校で友達に自慢するためにポケモンカードを持って行った懐かしい光景が目に浮かぶようだ。

「このカードゲームの原作者が来ると聞いたとき、私は彼に感謝の気持ちと、彼が成したこと、私がカードをまだ持っていること、それがまだ『生きている』という認識を示したいと思いました。それは、ゲームだけの話ではありません。流行り廃りのあるものでもなく、私たちの中にずっと残っているものです。それは、私たちの子供時代の一部を作り出したのです」

「ポケモンは、私が初めて触れたカードゲームでした。私たちはカードを集め、買い、交換し、バトルをしました。手元にあるのはトレーディングカードのコレクションで、初版もあれば通常版もあります。コレクターにとってはとても大切なものなのです」

ファクリー氏の話では、これは感傷的なものであるという。彼と彼の友人たちは、カードを芸術とみなして収集していると話す。

ファクリー氏は有田氏にサインを頼んだ際、他の人とそれぞれ異なるサインを貰って驚いたという。これは、彼にとって忘れられない瞬間になったという。

「私は確かにサインを貰いました。実は、有田氏はとてもユニークなサインをするのです。彼が描いてきた絵を、彼自身が真似て描くのです。元々彼が描いたものなので、とても素晴らしい絵ですよ。忘れられない経験です」

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