
モスクワ:ロシアは9日、アメリカのバスケットボールスター、ブリトニー・グリナー選手とロシアの武器商人ビクトル・ボウト氏が関わる捕虜交換にもかかわらず、アメリカとの関係は依然として「危機的状況」にあると述べた。
ロシア、ワシントン間の緊張は、ウラジーミル・プーチン大統領が西側諸国寄りのウクライナに軍隊を派遣した後ピークに達し、様々な問題をめぐりここ数ケ月で急激に高まった。
クレムリンの大統領報道官ドミトリー・ペスコフ氏はイズベスチャ紙に対し、「これが現在の二国間関係の危機を克服するための一歩になる可能性があるという仮説的な結論を導き出すのは、おそらく誤りだろう」と語った。
二国間の関係は「悲しい状態が続いている」。彼はこう述べ、アメリカ当局との協議によって「アメリカ人によって基本的に14年間捕らえられていたロシア市民が…祖国に戻る」ことができることになったと付け加えた。
「死の商人」と呼ばれるボウト氏は8日にアブダビでの囚人交換で釈放された。この囚人交換には、大麻油の入ったベープカートリッジの所持によりロシアで投獄されていたWNBAのスター、グリナー選手(32)が関わっている。
ボウト氏(55)は、世界で最も血なまぐさいいくつかの紛争で反政府勢力を武装させたとして起訴された。
彼はタイで行われたアメリカのおとり捜査で2008年に逮捕されてアメリカに引き渡され、2012年に25年の懲役刑を言い渡された。
AFP