リヤド:リヤドで初開催となる「フォーブス中東女性サミット2023」では、多様な背景や業界からインスピレーション豊かな数十人の登壇者が集まり、生き生きと舞台を盛り上げた。
イベント2日目の月曜日には、数百人の代表者がテクノロジー、ヘルスケア、ファッション・美容、旅行・観光などの分野で活躍する女性たちのプレゼンテーションに耳を傾けた。
ソマリア系アメリカ人の活動家でファッションモデルのハリマ・アデン氏と、カヤリ・フレグランスの創設者モナ・カッタン氏が、美における表現力の向上をテーマにしたパネルディスカッションに参加した。
セッションのモデレーターであり、国連開発計画(UNDP)親善大使のムナ・アブ・スレイマン氏は、次のように述べた。「私たちは、多くの文化やアイデンティティにわたり、何百万人ものフォロワーを持ち、その人生が複数のソーシャルメディアプラットフォームで再生されながら、それぞれが独自の方法で、従来の権力構造を解体し、権力の座に上り詰め、交渉の場で自分の居場所を築き上げた2人の女性をお迎えしています」
アデン氏は、名声の絶頂期にファッション界から退き、その決断の際の自身の内面の葛藤を語っている。その後、彼女は自らの意志でエンターテインメントやファッションに復帰し、これまで以上に強い感情を持つようになった。
世界最大級のモデルエージェンシーであるIMGは、契約前にアデン氏の条件を歓迎し、ヒジャブに関する規定や 海外渡航時の女性の付き添いなどで同氏をサポートした。
「興味深いのは、ファッションは私が自分から求めていったのではなく、実際はファッションの方から私のところにやって来たという点です。ボールが私のコートにあるのだから、それは強力なことです。そして、仕事を始めたばかりの頃には、IMGがスーツケース一杯のヒジャブを自国から持ってくることを許可してくれて、とても親切にしてくれました」とアデン氏は語った。
同氏は世界最大級の難民キャンプであるカクマ難民キャンプで生まれ育ち、7歳の時に家族で米国に移住した。
新型コロナウイルスのパンデミックが起きた時、同氏は3年間モデル業を休業した。
アデン氏はアラブニュースに次のように語った。「私のキャリアの中で障害となったのは、尊敬する先達がいなかったという事実だけです。新たな方法を開拓することは簡単ではなく、とても大変なことです」
アデン氏はヒジャブを身につけることを選んだアラブ人女性のために、自分が切り開く道が正しいのかどうか、常に疑問を抱いていた。
「私がコミュニティ全体を代表しているのです、そして、自分が第一人者であることの素晴らしさは、第二、第三、そして多くの人々が、私が設定した基準を受け入れてくれているのを目の当たりにすることです」と同氏は語った。
元投資銀行員であるカッタン氏は、2018年に姉妹と世界最大級のビューティー企業「フーダ・ビューティー」を共同設立した。
同氏は、ソーシャルメディアがビジネスを始めるきっかけになったこと、そして彼らの事業はすべて自己資金で運営されていることに言及した。
「もし私たちが20年前にこのブランドを立ち上げていたら、こんなに早く実現するためのリソースがあったとは思えません。たった6,000ドルの資金でスタートした私たちのビジネスにとって、オンラインコミュニティの構築は非常に重要でした」と同氏は語った。
米国で育ち、UAEに移住した同氏は、自分の文化やルーツ、経歴を生かすことが成功への重要な原動力になったと指摘した。
「私のカヤリ・フレグランスのブランド自体が、中東と中東文化に着想を得たものです。ドバイに移住していなければ、アラブ人の香水の使い方に着想を得たこのビジネスを始めることはなかったと思います」と同氏は続けた。
カッタン氏は、すべての香りには感情や記憶が結びついており、それを香水が解きほぐしてくれるのだという。
アデン氏は、初めてカッタン姉妹がYouTubeチャンネルを開設した際に、インスピレーションを受けたという。「私たちの地域には、早くから素晴らしい活躍をする強い女性が常に存在していました」と同氏は語った。
アブ・スレイマン氏はアラブニュースに次のように語った。「フォーブス中東女性サミットは、自身の歩み、リーダーシップ、仕事について非常に率直に語ってくれる業界のリーダーたちと、現状打破を目指す若手経営者や若い女性たちとが人脈を築く絶好の場となっています」
「ですから、このサミットは両者が一体となって助け合える素晴らしい機会なのです」