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サーカスはどのようにサウジアラビアのエンターテインメントの一形態として隆盛を見るようになったか

05 Jul 2019
ライブショーアラビアでは、昨年のサウジアラビア王国の「エンターテインメントルネサンス」の開始時以来、3都市でサーカスを開いており、今度は他の都市にも展開する予定だ。(写真/提供)
ライブショーアラビアでは、昨年のサウジアラビア王国の「エンターテインメントルネサンス」の開始時以来、3都市でサーカスを開いており、今度は他の都市にも展開する予定だ。(写真/提供)
ライブショーアラビアでは、昨年のサウジアラビア王国の「エンターテインメントルネサンス」の開始時以来、3都市でサーカスを開いており、今度は他の都市にも展開する予定だ。(写真/提供)
ライブショーアラビアでは、昨年のサウジアラビア王国の「エンターテインメントルネサンス」の開始時以来、3都市でサーカスを開いており、今度は他の都市にも展開する予定だ。(写真/提供)
Updated 20 Oct 2019
05 Jul 2019

ハラ・タシュカンディ

コスチュームと演技に調整は施したが、パフォーマーが観客を唸らせ損なうことない

リヤド:「あらゆる年齢の紳士淑女のみなさん、そしてよいこのみなさん」。この前口上はすでに2年以上にわたってサウジアラビア全土で朗々と響き渡っている。サウジアラビア王国中の町にサーカスがあり、その様子からはサーカスは定着したといえる。

サーカスは、夜の歓楽に家族を連れていける場所として、あまねく愛されている。老いも若きも道化師の滑稽な身振りをおもしろがり、卓越した軽業の芸当に目をくらませる。家族志向の強い社会であるサウジアラビアは、サーカスが隆盛を見るのに最適の地だ。

ライブショーサウジアラビア(LSA)は、昨年サウジアラビア王国でスタートした「エンターテインメントルネサンス」のまさに開始時に、サウジアラビアのエンターテインメントの一形態として最初期にサーカスのマーケティングを行った企業だ。

同社は、今では非公式にサーカス広場として知られる、リヤドのグラナダモールの外の空き地にテントを張って、「ハリウッドサーカス」の公演を行った。以来、他の3都市でもサーカスを開いており、今後は他の都市にも展開する予定だ。

大きなショーも小さなショーも

その後サーカス人気は高まり続け、LSAが開催するような小規模サーカスも、有名なシルク・ドゥ・ソレイユやシルク・エロイーズなどによる大規模サーカスと同じぐらい人気を博している。

大規模なショーは親しみやすさの点で著しく劣り、しかも高額であることが多い。高額ということは、チケットを購入できるだけの余裕がある、一部の観客のみが入場できるということだ。LSAが公演するような小規模サーカスは現実にサウジアラビアの主要都市に限定されていないため、その人気はいっそう高まった。

しかも、ショーの規模が小さくても、パフォーマンスの才能が劣っているわけではない。 「シルコ・アメリカーノ」は、ミスター・エクストリーム・サーカスの異名をとる演技監督のマルティン・エスパーニャが率いている。一座で最も豊富な経験を有するエスパーニャは、あれこれとすべての演技にかかわり、曲芸師から道化師まで全員と演技する。

エスパーニャがアラブ・ニュースに語るところでは、59年間サーカスとともにあったという。今何歳かと尋ねると、答えは同じ数字だった。「私はサーカスの一座で生まれました。全生涯にわたってサーカスのパフォーマーでした」と、にやりと笑いながら語った。

ミゲル・グスタボ・バレイロは30年以上道化師を演じている。4年ほど前に「シルコ・アメリカーノ」一座に加わった後、アラブ世界各地を巡業し、オマーン、ヨルダン、レバノンといった国々を訪れてきた。だが、現時点では、中東地域でのお気に入りの場所はサウジアラビアだという。

「サウジアラビアの方々はとても優しい。とってもすてきだし、とってもかわいい。サウジアラビアはこんなにも格別で、私はこの国の人たちが好きです」と、幕間に楽屋でアラブ・ニュースに語ってくれた。

バレイロのアラブ世界への愛情は、パフォーマンスの最中に明らかになる。観客に向かってアラビア語で話しかける姿を目にすることができる。観客との交流を試みるときには「ヤラ!」と叫び、観客が言われたとおりに行動したら「マシャラー!」だ。将来サウジアラビアにまた来たいかと尋ねられたときには、生意気にも「インシャラー(アラーのおぼしめしならば)!」だ。

ライブショーアラビアのティエリー・アントニオスはサーカスの終了後にアラブ・ニュースを楽屋に招待してくれた。私たちはそこでパフォーマーに会い、同社の各地のサーカスショーの成功について話し合った。

「ここは当社にとってサウジアラビアで4カ所目のサーカスになります。もっと増やしていくことを計画しています。観客としてのサウジアラビア人からはこれまで多くの成功を得てきました」と、アントニオスは述べた。

だが、サウジアラビアでは、パフォーマーは世界中のどの国でも一般的には適用されない特定の制限を課される。一座のメンバーはコスチュームと演技を変更しなければならない。

そうした変更は、パフォーマーが舞台でその姿をさらす様相から明らかに見て取れる。女性パフォーマーのダンスの動作は抑制的だし、時にはぎくしゃくした感じがする。まるで身体の動きが挑発的になりすぎないように、自分の体を拘束しているかのようだ。

もちろんコスチュームも変更されている。ある女性道化師は、チュチュの下にバスケットボールパンツをはいて、太ももを覆い隠している。女性の曲芸師は、ショートパンツ、ひらひらするスカート、クロップドシャツの下には黒の長袖ボディスーツを着用して、肌が露出する部位を隅から隅まで覆い隠してしまう。演技監督の女性助手の上半身はスパンコールの凝った赤のコートで完璧ないでたちだが、下半身は普通の黒のスウェットだ。

ウクライナ人パフォーマーのルドミラは、軽業とコントーションを専門にしている。ほとんどのサーカスでは曲芸師は通常、露出度の高い、肌に密着したコスチュームに身を覆い、想像にゆだねられる部分はわずかしかない。だが、ルドミラはサウジアラビアの観客により適切な、ゆったりしたジャンプスーツを選択している。

ハイライト

  • LSAの小規模サーカスは、有名なシルク・ドゥ・ソレイユやシルク・エロイーズの大規模サーカスと同じぐらい人気を博している。
  • シルコ・アメリカーノは、ミスター・エクストリーム・サーカスの異名をとる演技監督のマルティン・エスパーニャが率いている。
  • サウジアラビアでは、パフォーマーは世界中のどの国でも一般的には適用されない特定の制限を課される。一座のメンバーはコスチュームと演技を変更しなければならない。

 

コスチュームを変更してもパフォーマンスに影響しないという。「私は気にしません。パフォーマーのなかには、演技のために肌に密着したコスチュームが必要な人もいますが、私の演技には必要ありません」

「当社では、コスチュームの変更をいとわないアーティストを選ぶようにしています。これまでのところは、別のコスチュームを試してもらう上で問題は発生していません」と、アントニオスはいう。

フィードバック

コスチュームの変更は、リヤドでの「ハリウッドサーカス」の初演時に衣装と演技に関してライブショーアラビアが何点かの苦情を受けた後に実施された。

「今年、当社はすべてのフィードバックを考慮に入れ、ショーをサウジアラビアのニーズに適合させてきました」と、アントニオスは述べた。

「シルコ・アメリカーノ」でアラブ・ニュースが話を聞けたパフォーマーの大半は、また、実際、世界中のほとんどのサーカス・パフォーマーは、きわめて若い年齢で自身の才能を磨き始めている。今年50歳を迎えるバレイロは、30年以上道化師を演じている。29歳のルドミラは、25年前からパフォーマンスをしている。ほとんどのサーカス・パフォーマーは、サーカス一座で生まれたか、3歳ぐらいの年齢で一座に加わって巡業を開始している。

ところで、LSAでは、サーカス一座に加わることに関心を抱いている可能性のあるサウジアラビア人の存在に気付いている。同社には今後数年以内にリヤドにサーカス学校を設立する計画があることを、アントニオはアラブ・ニュースだけに明かしてくれた。

「現在はまだ完全な承認を待っている段階ですし、投資家の出現も待っているのですが、この計画は間違いなく当社が関心を抱いている事業です」と語った。

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