ラハフ・ジャムビ

リヤド：サウジのジャーナリストであるバルキース・バサロム氏は、アラブ人女性のロールモデルとなる人々に光を当てるオンラインプラットフォームを立ち上げた。湾岸協力理事会（GCC）地域の少女たちが励みとなるような尊敬すべき女性を見つけるのに役立つようにとの思いからだ。

彼女はアラブニュースに対し、「女性のロールモデルを持たずに育った少女たちのために、このプラットフォームを作ろうと思い立ちました」と話す。

「バルキース・フォー・ハー」は週に1回ニュースレターを発行している。スタッフは全員女性だ。

バサロム氏は語る。「ニュースレターでは、例えば、音楽について書いた後に湾岸地域の有名な女性ミュージシャンを紹介します。その後、どのように音楽のキャリアを追求すればいいかや、その他の関連した話題についてのアドバイスを読者に提供します。実話を紹介するだけでなく、皆がその目標を実現できるようにハウツーのガイドラインを提供するのです」

ニュースレターでは、女性がリーダーになったり経済的安定を得たりするにはどうすればいいかといった話題も扱っているという。プラットフォームでは、音楽、ヨガ、エンジニアリングなどの分野で夢を実現した湾岸地域の女性たちの成功談を紹介している。

彼女たちのニュースレターとソーシャルメディアプラットフォームは、湾岸地域の若い女性たちから大きな反響を得た。

「少女たちからたくさんのメッセージを貰いました。私達のニュースレターが大好きだとか、励みになっているとかです。これが最初から私の目標でした。女性にとって励みになるプラットフォームを作りたかったのです」

バサロム氏がこのウェブサイトを立ち上げたきっかけは、自身の姉妹たちの教育について、そして彼女たちが働くよう勧められなかったことについて、友人と話し合ったことだった。

この友人からは、彼女の姉妹たち（家族の中で最初に大学の学位を取得していた）が仕事をしていないのは単に彼女たちを励ましたりやる気を起こさせたりする人がいないからだと言われたのだという。

バサロム氏は説明する。「これらの少女たちの多くは私の姉妹のように非常に頭が良く、大きな野心を持っています。しかし彼女たちの中には、『こんな人になりたい』と言えるような尊敬できるロールモデルを持っていない人もいるかもしれません。人生において素晴らしいロールモデルに出会う幸運に恵まれていないかもしれないのです。だから、このソーシャルプラットフォームを立ち上げることに決めました」

バサロム氏のプラットフォームはライブイベントも開催しており、人々の励みになるような人を呼んでライブセッションを行っている。

2020年ドバイ万博のサウジパビリオンでもイベントを開催した。リヤド、メッカ、湾岸地域のその他の都市でも同様のセッションを行った。

ドバイ万博でのイベントでは、受賞歴のあるUAE人ジャーナリスト・ライター・著作家・起業家のマナール・アル・ヒナイ氏を迎えた。彼女はアート、文化、文学に関してアラブ世界をリードする独立系雑誌『シッカ・マガジン』の共同創刊者でもある。

また、地域のアーティストや写真家の作品を展示する湾岸諸国初のデジタル美術館「ガルフ・アート・ミュージアム」の共同設立者兼館長でもある。アル・ヒナイ氏は栄誉ある「アラブ女性賞」を2011年と2020年に受賞しているほか、2012年と2014年にはUAEで最も影響力のある人物の一人に選ばれた。

バサロム氏のプラットフォームがバーレーンで開催したセッションでは、女性のキャリア成長の加速を目指す教育テクノロジー企業「プレイブック」の創業者兼CEOであるワファ・アル・オバイダット氏のインタビューが行われた。

アル・オバイダット氏は広報・デザインの大手代理店「オビ&ヒル」の創業者兼CEOでもある。また、ポッドキャスト「ウィメンズ・パワー」のホストを務めるほか、湾岸地域で最もパワフルなビジネスウーマン50人にも選ばれた。さらに、『ワムダ』『ハーパーズバザー・アラビア』『アントレプレナー・マガジン』などの誌面を飾ったほか、マスターカードの「パイオニアズ・オブ・トゥモロー賞」を含むいくつかの賞を受賞している。

メッカで開催されたセッションでは、コンサルタントで教育行政専門家のマリアム・アブドゥラー・ソロール・アル・サッバン博士を迎えた。彼女はムサナダ行政教育相談研究センターのオーナー兼会長、ウンム・アル・クーラ女性慈善協会の諮問委員会メンバー、ジェッダのアル・ファイサリア女性慈善協会の理事でもある。

バサロム氏は、プラットフォームを成功に導いてくれた読者や支援者に加え、2021年に彼女がピッチしたプロジェクトに昨年出資してくれた投資家のリチャード・フィッツジェラルド氏に対する感謝の言葉を口にする。

「彼の支援には非常に感謝しています」