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サウジ代表、G20の首脳はL20の提言を最終の共同声明に盛り込むべきと発言

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09 Sep 2023 08:09:19 GMT9
09 Sep 2023 08:09:19 GMT9
  • ナーセル・アルジャリヤド氏は、世界的な課題に直面する中、労働者の権利と保護が必要であると主張
  • サウジ全国労働者委員会委員長、パトナで6月に開催されたL20サミットに参加

ラシッド・ハッサン

リヤド:インドの首都ニューデリーで20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開催される中、世界の首脳が労働者の権利を含む共通の課題や問題の解決に向けた前向きなアプローチで合意に達するだろうという期待が参加者の間で高まっている。

サウジアラビアのLabour 20(労働組合20、L20)の代表で、サウジ全国労働者委員会委員長のナーセル・アルジャリヤド氏はアラブニュースに対し、世界の首脳がL20の提言を受け入れることを期待していると語った。

アルジャリヤド氏は、9日にニューデリーで始まる2日間のG20サミットに先立ち、「ご存知のとおり、G20サミットは首脳たちによって重要な課題が議論される大きな舞台です」と語った。

「世界中の労働者において、特に私たち側に大きな課題が存在しています。L20代表として、労働者のあらゆる問題を考慮し、将来の経済と労働者に影響を与えている要因についての懸念に対処する、このサミットに期待を寄せています」

「だからこそ、私たちはすべての提言に希望を託しています。この提言を直接首脳たちに届けて、すべての提言が最終の共同声明に盛り込まれるよう、検討されることを願っています」

L20のサウジ代表で、サウジ全国労働者委員会委員長のナーセル・アルジャリヤド氏。(ANフォト)

L20は、G20参加国の労働組合のグループで、G20の話し合いにおいて労働者の利益とニーズを考慮に入れることを目的としている。L20は今年初めに会合と協議を重ねて、提言をまとめて世界の首脳らに提示した。

その主な目的には、雇用創出の促進、社会的保護の強化、労働者の権利保護、職場での男女平等の促進などが含まれる。L20はまた、公正かつ適正な賃金、安全で健康的な労働条件、強制労働と児童労働の撤廃を主張している。

アルジャリヤド氏は6月にインド北東部の都市パトナで開催されたL20サミット会議に参加した。会議に参加した代表者らは、労働界に関連する重要な問題に対処するための5つのタスクフォースを立ち上げるために、G20参加国と関連国の間で多国間メカニズムを構築することで合意した。

6月23日、インドのパトナで開催されたL20サミットのサウジ代表、リマ・サレハ・アルヤヒヤ博士(右)がG20作業部会の他の代表らと写真撮影でポーズをとっているところ。(写真提供:G. Vijayeshwar)

これら重要な問題には、共通の社会保障、女性と仕事の未来、国際移住と社会保障給付の携行性(ポータビリティ)、変化する労働界、スキル開発が含まれている。

「私たちからの提言はすべて、最終的な議論や首脳たちの会談で検討される予定です」と同氏は述べた。

アルジャリヤド氏は、今年のG20サミットのテーマ「ひとつの地球、ひとつの家族、ひとつの未来」は、国家間だけでなく、労働者のニーズが見過ごされることがある地域社会内における、緊密な協力への呼びかけとして理解されるべきであると考えている。

同氏は、「今年のテーマは、この問題、特に経済問題を共に考え、解決策を見出さねばならないという、私たちへのメッセージです。経済問題は、世界中のすべての人々、特に労働者に影響を与えています。これら労働者は、貧困国やアフリカ諸国を始め多くの国で全体的に弱い立場にあると私たちは考えています」と語った。

L20の代表団がUAEの労働雇用大臣と面談した。(Twitter/L20)

「私たちは誰ひとりとして忘れることはありませんし、置き去りにしたくありません。この労働者の集まりのニーズにすべて対応したいと考えています。これは、私たちがインドで会合を始めて、2023年のL20の全会合で、集中的に議論していたことです」

「労働者への影響について集中して議論しました…このことを首脳たちに伝える必要があります。サミットがあらゆる影響をすべて取り上げて、私たちの未来に何を築くことができるのか、どのように雇用を創出することができるのか、影響により失ったものをすべてどのように補うことができるのかをじっくり考えてほしいと願っています。以上は私たちの提言に含まれています」

世界経済はここ数年、数多くの危機の渦に巻き込まれている。まず新型コロナのパンデミックによるロックダウンがあり、その後のウクライナでの戦争が連鎖的に反応して、食料やエネルギーの価格のインフレにつながった。

このような危機の影響は、世界の労働者や最貧困層の肩に偏った形でのしかかっている。金利が上昇し、生活費が高騰し、雇用も蒸発した挙げ句に、世界中でさらに数百万もの人々が貧困線以下の状態に追いやられている。

これに加え、多数の分野で人間の労働者に取って代わろうとする自動化や人工知能の進歩があり、多数の手作業や事務作業における、新たな技術による影響に対する不安も存在する。

「私たちは6月の前回のL20サミットですでにこの件について議論しています。その中で、失ったものをすべて補うための極めて強靭な将来の計画が必要であると、明確に述べました」とアルジャリヤド氏は述べた。

サウジアラビアはG20参加国の唯一のアラブの国として、特に石油・ガス産業関連で湾岸地域の広範な利益を代表する大使役として、唯一無二の役割を果たしているとアルジャリヤド氏は語った。

「サウジアラビアはG20の中でも有数の大国で、ご存知のとおり、アラブ世界と湾岸諸国からは唯一の参加国です」と同氏は述べた。「今回のサミットでの決定に基づくこれらの提言は、湾岸地域の経済全体に影響を与えると確信しています」

「だからこそ、サウジアラビアの代表として議論したすべての意見が、アラブ地域から出てきた意見とみなされるべきであり、今回のサミットでまとめられるすべての提言がこの意見を考慮すべきであると考えています」

「私たち湾岸諸国はすべて石油産出国です。世界経済に関するあらゆる決定事項は、他の産油国にも影響を与えるでしょう…」

「私たちは、労働者と国家の将来をどのように計画しうるのか、経済に力強い未来をもたらすためにはこれらすべての目標をどのように達成できるのかを知る必要があります」

最後に、アルジャリヤド氏は、サウジアラビアとインドは非常に友好的な関係を共有しており、インドがG20議長国を務めるのを契機に、関係はさらに発展するだろうと指摘した。

「ご存知のとおり、インドはサウジアラビアにとって7番目に大きな貿易相手国です。これは特に経済において、そしてインドとサウジの関係強化において、極めて強い影響を与えるでしょう」と同氏は述べた。

「インドはサウジアラビアにとって5番目に大きな投資国です。つまり、サウジアラビアに投資する最大の貿易相手国のひとつなのです」

「サウジアラビアで多くのインド人労働者が働いていることを承知しています。彼らは私たちの多くのプロジェクトの構築を支援し、開発をサポートしてくれました。G20サミットは両国の関係と経済を間違いなく強くするでしょう」

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