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日本の自然災害に対する不思議な恐怖

27 Oct 2019 11:10:52 GMT9

Caline Malek Dubai

多くのアラブ人は日本と聞いて地震を思い浮かべるが、それを理由に日本への旅行を断念することはないと専門家は指摘する。

Arab News-YouGovがGCC加盟国、北アフリカおよびレバント諸国で行った調査によると、回答者3,033人中43%が日本と聞いて地震を連想すると回答した。

「日本ではよく地震が発生するが、多くは微震であり、旅行を避ける理由にはなりません」とUAEのCleartripマーケティング部長、Matthew Sliedrecht氏は話す。

「万が一災害が発生した場合、旅行者を支援するための先進的なインフラが日本には備わっています。」

「日本と地震を関連付ける回答者の多さには驚いていますが、自然災害はメディアで大きく取り上げられるため、それが人々の認識に影響していると考えられます。」

2019年のラグビーワールドカップおよび2020年のオリンピック開催に伴い、日本に対するイメージは大きく変わり、また初めて日本を訪れる旅行者も大幅に増加するとSliedrecht氏は見ている。

「2017年以降、訪日旅行者は毎年9%以上増加しています。」と彼は話す。

「これには、中東-日本間の直行便の増加、A380など大型機の導入、また他の航空会社による直行便就航計画など、複数の理由があります。」

ワシントンDCのGulf State Analyticsで上級顧問を務めるTheodore Karasik氏は、日本と自然災害を関連付けるアラブ人が多いことには驚かないと話す。

2012年の大地震とその後の福島原発事故、また津波のイメージが日本に対する認識に永続的な影響を与えたと彼は指摘する。

Karasik氏は「それでも近年、中東の訪日観光客は着実に増加しています」とし、「エミレーツ航空やエティハド航空などのコネクティビティの強さは、UAEからの訪日観光客数を2017年の7,106人から昨年の7,782人へと押し上げたプラス要因の一つです」と述べる。

「GCC加盟国からの観光客数は2017年の20,742人から2018年には21,976人へと増加しました。この数字は今年、そして2020年に向けさらに伸びると見られており、ガルフと東京間のコネクションにおいて積極的な展開が重要となります。」

地震は日本が持つ自然の特性の一つだと考えられている。ガルフに駐在する日本人外交官は、「私たちは長い間地震と共存してきました」、「ときには人々に甚大な被害をもたらしましたが、毎月、毎年というわけではありません。これまですべての自然災害を乗り越えてきたのです」という。

同外交官は、日本には世界最先端の耐震技術があるだけでなく、課題を克服する最大限の努力を続けていると話す。

「日本特有の地質学的構造によって、ときに地震が発生します」、「しかし、それらはまた、様々な美しい景観や日本中にある素晴らしい温泉の多くを生み出すのです」と外交官はいう。

「百聞は一見に如かずという通り、是非日本を訪れ、大都市だけでなく地方の街や村に足を運び、冒険を楽しんでいただきたいです。」

Karasik氏は、真剣に日本を訪れたいと思っているアラブ人は、地震への恐怖があっても旅行をやめることはないだろうと話す。だが、必要であるならば、日本は民間防衛や町内会などを通し、地震への備えがあるということを知っておくべきだ。

「コネクションの充実、そして訪れる人に日本がもたらす和によって、中東の観光産業の見通しは明るいと言えるでしょう」とKarasik氏は話す。

「2020年オリンピックなどの大きなイベントが、同年に開催されるドバイ国際博覧会を盛り上げるでしょう。」

Sliedricht氏は、日本の素晴らしさを中東の人々に広める必要があると指摘する。

「豊かな文化、伝統、そして自然など、旅行先として本当に素晴らしい国です」と彼は話す。

「消費者が新たな体験を求める中、今後も中東とアジア、特に日本との間の行き来はさらに成長すると予想されます。」

「UAEの国民は、ビザ免除措置国となっており、ほとんどの中東系フラッグキャリアは東京または大阪への直行便を運航しています。」

「このため、対日本の中東観光産業では今後も明るい見通しが続くでしょう。」

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