ドバイ:ドバイ日本人学校で11月25日に、保護者の会主催の「DJSフェス23」が行われ、参加者は11月の青空のもと、日本文化と相互交流を楽しんだ。
恒例の子供たちによる御神輿の練り歩きがお祭りの雰囲気を盛り上げ、日本の縁日を模したくじ引き・駄菓子コーナーでは、遠く日本から離れて生活する児童たちが歓声を上げる声が聞かれた。また、体育館では、和太鼓に実際に触れたり、輪投げをしたり、日本人スポーツクラブが運営するゲーム広場が設けられ、日本でポピュラーのスポーツ、野球や、サッカー、バスケットなどを親子そろって楽しむ姿が見られた。
参加者のもう一つのお楽しみは、TOMO, MARU UDON, Yamanote Atelier, Fujiya, Summitなど、地元の人気レストランや食品業者による特別メニューランチの販売と、保護者によるエコ活で、リデュース(REDUCE)、リユース(REUSE)、リサイクル(RECYCLE)と環境に配慮したリサイクルバザーでは、当地では希少な日本の本を始め、掘り出し物の買い物を楽しんだ。
特筆すべきだったのは、新たな試みとして、外部の団体が参加し、より開かれたイベントとして成功したことだろう。
ドバイ日本人学校アウリア(保護者の会)会長の横山浩一氏によると、「今回のDJSフェス2023では、保護者の会の役員メンバーとイベントを実施するそもそもの目的を改めて定義し、“子供達が笑顔になれる楽しい場を提供し、家族とコミュニティーを繋ぐ機会を作る”としました。そこで過去の前例にとらわれず、外部企業や団体とのコラボも実施することにした」とのことだ。
その言葉の通り、開会式では、地元ドバイで行われるCOP28国連気候変動枠組条約締約国会議にちなみ、外務省気候変動課の職員が、DJSフェスに参加する子ども達のために『気候変動に対する日本の取り組み』をオンラインで日本から紹介した。また、地元UAE団体として、唯一UAE人メンバーを擁する和太鼓グループ、“Kharsha”がおなじみのカンドゥーラと法被の衣装で熱演、一方、地元文化を伝えるUAE人グループ、“ENKA”はUAE文化を楽しく紹介し、特に当地に来て日の浅い日本人ファミリーにはアラブ文化に触れる貴重な機会をもたらした。
微笑ましく見られたのは、日本人学校卒業生を中心にした、高校生ボランティアによるかき氷コーナーで、学校から巣立ったDJSファミリーの若者達が活躍した。
初の試みとなった企業参加では、日本のスポーツ用品メーカーであるアシックスが子供のための「走り方クリニック」、飲料メーカーのヤクルトによる「食育ブース」、子供たちの作った未来博物館の横には、これも人気の日本の魔法瓶ブランド、ZOJIRUSHIの商品が紹介され、閉会式の応募抽選会に同社商品を提供し、日本のラーメンをドバイで展開するWokyoからは、ボランティア向けにバウチャーがプレゼントされた。エミレーツ航空も初の参加となり、保護者と子供たちとの交流を深めた。
横山会長は、「DJSフェスの目的をある程度達成できた実感しており、ご支援・ご協力頂いた関係者の皆様には本当に感謝しています」という事だ。
保護者による手作りのお祭り、愛にあふれたDJSフェスは、郷愁を呼び起こす温かいものであった。同校の生徒は、次の週にはモスク見学、砂漠でのキャンプなど、アラブ中東地域ならではの貴重な経験を学校生活の中で体験する。
ドバイ日本人学校の歴史は1977年にまで遡る。1980年にアラブ首長国連邦ドバイ及び北部首長国日本人会により全日制の日本人学校として正式に設立された同校には、現在、小学1年生から中学3年生までの約136名の生徒が在籍し、幼稚園も併設されている。