Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

大人気ゲーム『ザ・ラスト・オブ・アス』声優、人生を変えた配役について語る

トロイ・ベーカーはアブダビを訪れ、2月9日〜11日に開催された中東フィルム&コミコン(MEFCC)に参加した。(ANJ)
トロイ・ベーカーはアブダビを訪れ、2月9日〜11日に開催された中東フィルム&コミコン(MEFCC)に参加した。(ANJ)
Short Url:
15 Feb 2024 12:02:49 GMT9
15 Feb 2024 12:02:49 GMT9
  • 『ザ・ラスト・オブ・アス』は2010年代でもっとも人気を博したゲームのひとつで、2013年のリリース初週に13億ユニットを売り上げた
  • 同ゲームでジョエル・ミラー役を演じたベーカーは、人気アニメ『NARUTO―ナルト―』、『鋼の錬金術師』、『ONE PIECE』などの英語吹き替え版にも出演した

マナール・エルバス

アブダビ:人気ゲームシリーズ『ザ・ラスト・オブ・アス』のジョエル・ミラー役で知られるトロイ・ベーカーは、アブダビ滞在中の10日、キャリアと人生に多大な影響を及ぼした重要な役について語った。

ミラーは2013年のゲームの男性主人公で、女性主人公である10代の少女エリーとともに、感染症の治療法を求め、ポストアポカリプスの世界を放浪する。ミラーは2020年発売の続編で死亡し、エリーは復讐を誓う。

この強烈な役を演じたベーカーは、キャラクターの複雑な内面を表現してプレーヤーの共感を得るとともに、批評家から絶賛された。

中東フィルム&コミコン(MEFCC)の2日目、アラブニュース・ジャパンの取材に応じたベーカーは、ミラー役のオーディションの際、受けずに引き返しかけたと明かす。「すごい人がたくさんいて、誰を選んでも文句なしの配役になるだろうし、僕なんかが選ばれるわけがないと(思いました)。幸い、キャスティングディレクターが引き止めてくれたので、考え直して、そうして僕が選ばれたんです」と、彼は語った。

「(この役は)人生を変えました。このキャラクターは僕個人にも僕のキャリアにも、とてつもない影響を与えました」と、彼はミラー役への抜擢を振り返った。「僕がいまここにいるのはあの役のおかげです。自分がどんな人間なのかを学び、俳優として成長しました。歴史上もっともすばらしいストーリーのひとつだと思います」

2011年に制作が発表されて以来、『ザ・ラスト・オブ・アス』は2010年代でもっとも期待を集めたゲームとなった。ソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)から発売され、批評家から高く評価されたこのゲームは、発売初週に13億ユニットを売り上げ、史上もっとも売れたゲームのひとつとなった。2023年1月時点での全世界の売上は3700万本となっており、HBOはペドロ・パスカル、ベラ・ラムジーを主役に迎えた実写ドラマを制作した。

「このゲームがこんなにビッグになるとは予想もしていませんでした」と、ベーカーは語る。「いい作品になることは確信していましたし、それは脚本やストーリーからわかりました。でも、こんなにグローバルになり、ドラマ化までされるのは、本当に想定外でした」

「何より重要なのは、たくさんの人々の人生に大きな影響を与えたことで、いま考えても事前にはけっして予想できなかったと思います」

今月YouTubeで公開された2時間のドキュメンタリー『Grounded II』は、『ザ・ラスト・オブ・アス』開発の舞台裏にファンを招待する内容だ。「(ファンへの)ラブレターです。僕たちがどんなふうにゲームをつくりあげたか、どんな人たちが関わっていたかを知ってもらえるでしょう」と、ベーカーはアラブニュース・ジャパンに語った。

同ゲームの出演以前から、米国人声優のベーカーは『NARUTO―ナルト―』や『鋼の錬金術師』など、数々の人気アニメの英語吹き替え版に出演してきた。

「一番のお気に入りを選ぶのは無理ですよ。でも、僕が本当に最初の頃に出演した『トリニティ・ブラッド』は、人生で一番好きなアニメのひとつです」と、彼はこれまでの役柄を振り返った。「1シーズン完結で、とても内省的で深い内容です。情念に満ちていて、キャラクターも最高です」

ベーカーは『ONE PIECE』の吹き替え版でも、ヘルメッポやオームなど複数の役を演じた。「あの漫画は世界にとてつもないインパクトを与えています。とくに日本ではそうです。地下鉄でルフィが話しかけてくるんですよ」と、彼は言う。

アラブニュース・ジャパンのインタビューのなかで、彼は昨年公開されたNetflixの実写版とその出演者についても、すっかりファンになったと話す。「イニャキ・ゴドイ(主人公ルフィ役、同じくMEFCCに参加)はすごいですよ。(キャスト)全員が最高でした。みんな有名になるでしょうね」

ベーカーはMEFCCのヘッドライナーゲストのひとりで、3日間のイベントのなかでミート・アンド・グリートに登場しファンと交流した。彼はまた、初日のパネルにも登壇し、これまででもっとも印象深い自身の役柄について語った。彼はUAEだけでなく、クウェートやバーレーンなどその他の中東諸国にも滞在経験をもつ。

「こっち(中東)に来るのはいつも楽しいですし、来るたびに離れるのがつらくなります」と、ベーカーは語った。「温かく親切に歓迎し、もてなしてくれるファンのおかげです」

まだサウジアラビアを訪れたことはないものの、彼はアラブニュース・ジャパンに対し、いずれ訪問する日を楽しみにしていると述べた。

ベーカーは今年発売予定の『インディ・ジョーンズ』シリーズのゲーム『インディアナ・ジョーンズ・アンド・ザ・グレート・サークル』でも主役の声優を務め、2025年には『デス・ストランディング』シリーズの新作で再びヒッグス・モナハンを演じる。

特に人気
オススメ

return to top