ロンドン:「ファースト・ディセンダント(The First Descendant)」(Steam、XBOX、PS4、PS5)は基本プレイ無料のサードパーソンシューティングゲームで、ビッグネーム(「Destiny 2」、「ディビジョン」など)が支配するジャンルの中でニッチを切り開くことを目指している。
Nexonが開発したこのライブサービス型ゲームは、エイリアンの敵の大群を撃ちまくるスリルと、キャラクターの成長、武器の多様性、戦利品収集といった複雑なシステムを兼ね備えている。エキサイティングでビジュアル的に魅力的なところもあるが、林立した市場で目立つには苦労しており、しばしば重苦しい体験に感じられることもある。
このゲームの最も魅力的な特徴のひとつは、クロスプラットフォームに対応していることで、異なるシステムのプレイヤーが力を合わせて30時間の攻撃に挑むことができる。
協力プレイは『ファースト・ディセンダント』の中核をなすもので、プレイヤーは14人の個性的なキャラクターから、それぞれ異なる能力とプレイスタイルを持つキャラクターを選ぶことができる。標準的な銃火器から、戦闘に満足のいくパンチを加える特大の強力な銃火器まで、幅広い武器がこのバラエティを後押ししている。
ビジュアル面でも、『ファースト・ディセンダント』は細部まで作り込まれた環境とキャラクターデザインで印象的だ。ゲームの世界は近未来的な都市と不気味で荒涼とした廃墟が混在しており、視覚的に魅力的なアクションの背景となっている。アートディレクションとグラフィックの忠実度は間違いなく高ポイントで、各キャラクターは個性的に見え、そびえ立つコロッシや群がるバルガスなどの敵は、特に斬新ではないにせよ、印象に残るデザインとなっている。
ゲームプレイ面では、標準的な略奪シューターのメカニクスにユニークなひねりを加えている。戦闘は堅実で、特にこのゲームの特大武器を使用したときの感触がいい。また、グラップリングフックを搭載したことで、垂直性と機動性の要素が加わり、このジャンルの他のゲームとは一線を画している。グラップリングフックを使いこなすと、激しい戦闘の中でも独創的な戦略や素早い脱出が可能になり、特に満足できる。
しかし、「ファースト・ディセンダント」の弱点となるのは、その削り合いと無料プレイの収益化モデルに依存している点だ。このゲームは、戦利品やキャラクターのアップグレード、武器の入手を目的とした 「グラインド 」というコンセプトで作られている。プレイヤーは、特定のアイテムやキャラクターのアンロックのために何時間も作業に費やすかもしれない。この苦労は、ゲームのマネタイズシステムによってさらに深刻化する。このシステムは過度ではないものの、常に存在しており、苦労を回避するためにリアルマネーを使うようプレイヤーを誘惑する。
ミッションの種類はさまざまだが、リゾースを集めるために1つの場所に立つとか、敵の波からエリアを守るといった繰り返しの作業に終始することが多い。敵の種類は豊富で、大きなボス戦のスペクタクルもあるにもかかわらず、この繰り返しがゲームを「完璧に平凡」なものにしている。
「ザ・ファースト・ディセンダント」は視覚的に印象的なゲームで、戦闘メカニックもしっかりしており、協力プレイも期待できる。しかし、歯ごたえのある進行システムと反復的なミッション構成に依存していることが足かせとなっている。略奪シューターというジャンルのファンにとっては、特に序盤はそれなりに楽しめるかもしれないが、結局のところ、同ジャンルのゲームから意味のある形で抜きん出ようとはしていない。