天神英貴氏は、バンダイスピリッツ、ハセガワ、グッドスマイルカンパニーなど、数多くのメーカーのプラモデルボックスアートを手がけたことで知られる、日本のメカニカルイラストレーター、デザイナー、声優である。

マクロスゼロ、マクロスF、創聖のアクエリオンのようなアニメシリーズにメカニックアートを提供し、ヴァンヘルシング、マクロスデルタ、ナイツ＆マジック、スーパーロボット大戦T、バックアレイ、ヤスケといった作品にメカニックデザインを提供している。

さらに、宇宙戦艦ヤマト2205ではメカニックデザインの監修を担当した。

天神氏は、数多くのビデオゲームやアニメーションプロジェクトにも貢献している。その多才さは、サンセイテクノロジーズの四足歩行ロボットのデザインにも及んでいる。

彼は3歳で絵を描き始め、以来、日本のアニメ制作やプラスチックモデルキット業界で著名なプロのアーティストとなった。

同氏の画風は、アニメの象徴的なメカのいくつかにリアリズムをもたらしている。その中でも特に有名なのは『超時空要塞マクロス』とその多くの続編である。

天神氏はアラブニュース・ジャパンに対し、日本のアニメやマンガの荒々しさやシンプルな美しさを楽しんでいると語った。「たくさんのアニメを楽しんでいますが、私の人生を変えたアニメがあります。それが『超時空要塞マクロス』です」

「漫画も、さまざまな漫画を楽しんでいますが、一番好きなのは『エリア88』です。この漫画は中東について詳しく描いています。今思えば、この漫画を読んで初めて中東の存在を意識するようになりました」と彼は付け加えた。

天神氏は、2001年にキャリアを確立したと説明した。マクロスゼロのような自然、神々、地球外生命体をテーマにしたSFロボットアニメの制作に携わった後だった。このアニメーションの制作には4年を要した。

それまでは、一枚絵を描くときは、プラモデルの箱絵のように長時間かけて描くことに集中していた。しかしアニメーションでは、通常1秒も見られない。そのような状況で、何をどのように見せたいか、伝えたいかを真剣に考えるようになった」と、アラブニュース・ジャパンに語った。

天神氏は、2022年のサンディエゴ・コミコン(SDCC)でコミコン・インターナショナルのインクポット賞を受賞した。同氏は、マクロスフランチャイズの天神氏の作品を特集したUdon Entertainmentの書籍シリーズの第1作目である『天神氏画集 マクロス～フラッシュバック2012～からマクロスフロンティアまで』の早期版をUdon Entertainmentから提供され、同イベントに出席した。

アラブニュース・ジャパンに独占インタビューに応じた天神氏は、インクポット賞受賞について次のように語った。「思いがけないタイミングでの受賞でした。サンディエゴ・コミコンでの私のパネルセッションが始まる直前に、イベントスタッフがマイクを手に取り、インクポット賞受賞を発表し、トロフィーを私に手渡したのです」

「インクポット賞については何も知りませんでした。今回初めてゲストとしてSDCCに参加したのですが、今回は僕の初の画集『Hidetaka Tenjin the Artistry of Macross』の北米発売記念で参加したものです。パネルセッションは観客の拍手喝采とともに無事終了しました。実はその時は、これがSDCC参加賞なのかと思ったくらいでした」

「その後、インクポット賞について調べて、その素晴らしさを知りました。皆さんにも調べてほしいですが、受賞者は誰もが知る俳優や作家など、素晴らしい功績を残した人ばかりです。最初に感じたのは、とても驚いたことと、もしかしたら何かの間違いではないかということでした。とても嬉しい。海外でも！」。

「イラストレーター、デザイナー、声優として活動し始めてから25年以上経ちますが、ただひたすらに情熱を注ぎ続けてきました。 その大切さを証明できたような気がして、今はとても幸せで充実しています。 副賞もいただきました。 コミコンの生涯パス。 これがあれば、いつでもコミコンに入場できるらしいです。家族も一緒に。これ、うらやましいでしょう！」と。

「日本のアニメコンテンツは、世界で今でも高い評価を得ています。その力をもっと価値のあるものにし、世界中の人たちにその魅力を届けるためにも、これからもたくさんの作品を作っていきたい」と語った。

天神氏は、25年以上にわたるエンターテインメント業界でのキャリアを祝う「25周年記念 天神英貴アート展」を昨年12月に日本で特別開催した。この展覧会では、天神氏による『機動戦士ガンダム』、『エヴァンゲリオン』、『機動警察パトレイバー』など、さまざまな作品のプラモデルのボックスアートやメカニックデザインが展示された。

「25年間のキャリアの中で、10年以上ぶりの個展でしたが、皆さんのおかげで多くの方々を喜ばせることができました」と天神氏はアラブニュース・ジャパンに語った。「いつかアラブ世界でも、私の作品を間近で見ていただける機会が数多く訪れることを願っています。皆さんの応援のおかげで、アーティストとしてのキャリアを継続することができたと改めて実感しています」

また、天神氏は昨年12月、ガンダムファクトリー横浜で特別なメカニカルデザインユニット（四足歩行ロボットSR-02）をフィーチャーした。同氏はこの最先端ロボットの魅力的な外観デザインの立役者でもある。

SR-02は、株式会社サンセイテクノロジーが開発した搭乗型四足歩行ロボットである。ロボット制御システム「V-Sido」は、ガンダムグローバルチャレンジのシステムディレクター吉崎航氏の指導のもと、株式会社アスラテックが提供している。

現在開発中のプロトタイプ機は、全長約3.4メートル、全幅約1.6メートル、全高約2.7メートルで、4人搭乗での歩行や移動が可能である。

天神は現在、テンセント、ウェブ3ゲームプラットフォームのImmutable、ブロックチェーン企業のSuiを含む6,000人以上の投資家から870万ドル以上の資金を調達したオリジナルゲームおよびアニメプロジェクト「Dark Machine」のチーフメカニカルデザイナーとして働いている。

彼はアラブニュース・ジャパンに、ダークマシンプロジェクトの裏話を語った。「このダークマシンのデザインは、すでに数年前から取り組んでいるゲームであり、中東地域のみなさんに紹介できることを期待している、WEB3プロジェクトの非常に新しい形です」

スタッフはUnreal Engine 5を使用してゲームを開発している。このゲームでは、ブロックチェーンベースのゲーム内通貨MACHINA（$MXNA）が使用され、NFTアセットの所有権や、直接販売やピアツーピア取引のためのNFTマーケットプレイスも提供される。プレイヤーはNFTを購入しなくてもゲームをインストールしてプレイすることができ、またゲームを始めるために無料のNFTも入手できる。分散型トーナメントはゲームプレイに不可欠なものとなる。

アニメは独自のユニークな世界設定を持ち、人気ゲームのメタバースであるダークマシンが登場し、「そう遠くない未来」が舞台となる。アニメは世界配信が予定されている。