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ナディーム・カラム、日本のインスピレーションと芸術活動の現実を語る

彼は最近、ドバイを拠点とする展覧会 「The Sublime Nature of Being 」に参加した。(提供)
彼は最近、ドバイを拠点とする展覧会 「The Sublime Nature of Being 」に参加した。(提供)
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25 Feb 2025 05:02:47 GMT9
25 Feb 2025 05:02:47 GMT9

サフィヤ・アンサリ

ドバイ:「The Sublime Nature of Being(存在の崇高さ)」と題されたドバイでのグループ展を終えたばかりレバノン出身のアーティストで建築家のナディーム・カラム氏に、彼のインスピレーション、指導の力、そして「(シャツの)ポケットの上の時計の音」について話を聞いた。

彼は様々なスケールの彫刻、紙作品、サイトスペシフィックなパブリックアートプロジェクトを手がけている。

様々なスケールの彫刻作品を制作している。(提供)

彼は最近、ドバイを拠点とするアートプロジェクトに参加した。

最近では、ドバイを拠点とする展覧会「The Sublime Nature of Being」(ICDブルックフィールド・アーツ・プログラムとのコラボレーション)に参加し、磨き上げられたステンレススチールの 「Silent Thinker 」を展示した。

「”Silent Thinker “は、完全な静寂、あるいは崇高なものに到達しようと努力する内なる空虚をテーマにしています…内なる静寂の中で見出される明晰さは、ドバイの繁栄する多文化シーンの中で見出される刺激やインスピレーションと相反するものであると同時に、補完的なものでもあります」と彼は説明した。

レバノンでの形成期と日本での博士課程での学びは、カラム氏の作品に決定的な影響を与え続けている。彼は日本の建築家、槇文彦、安藤忠雄、そして1月に亡くなった原広司に師事した。

「原教授は…私の思考プロセスに多大な影響を与えた。私が彼から学んだ最も重要なことは、哲学的な概念を創造的なプロセスに適用し、建築物、彫刻、デザインされたオブジェなどの製品を生み出すという規律です」とカラム氏は語った。

「仏教哲学やアラズ-アラズの二重否定、世界中の村落に関する研究、数学、音楽、宇宙論への深い関心など、彼の多様な研究を通して、彼は私の世界に対する視野を広げ、私を取り巻く複雑な世界をよりよく理解し受け入れるために、絶えず”緩んだ境界線の端に移動する”ことを教えてくれた」

(提供)

京都駅ビルや大阪梅田スカイビルの設計で知られる建築家の原は、長野県にある田崎美術館や大田区にあるヤマトインターナショナルの東京オフィスなど、数々の賞を受賞した建築物の設計者でもある。

カラム氏の絵画や彫刻は世界中で展示され、2002年にはアフガニスタンのカブール復興のためにロンドンで開催された国連・ニューヨーク大学会議の共同議長を務めた。

「2003年のロッテルダム・ビエンナーレではレバノンのキュレーターを務めるなど、キュレーターの帽子をかぶるとき、カラムは自分の役割はアーティストのビジョンを促進することだと信じている」

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「私自身もアーティストの一人です。アーティストが全力を尽くしたとき、その作品は来場者の心を打つはずです。作品が出来上がっていく過程で一番大切なことは、他のことは一切関係なく、自分自身に忠実であることです。そして、キュレーターの役割は、作品をどこで、どのように、何をという文脈の中に置くことです」と説明した。

これほど多様なスケジュールをこなしながら、アーティストが自分のために仕事をする時間を持てるのは不思議なことだが、カラム氏は時を刻む時計を意識しているという。

「シャツのポケットの上の時計の音は、常に私を前進させ、警告を送り、仕事のスケジュールを立てている。特に彫刻やパブリック・アートの制作の場合、作品の規模や性質によっては、何百人もの人々を巻き込むこともある複雑な仕組みが必要になる」

「一人になると、時計という概念さえも消え去り、絵だけが残る」

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