
アブダビ:ルーブル・アブダビは10月11日から12月28日まで、毎年恒例の展覧会とコンペティション「アート・ヒア」の第5回目を開催する。
日系スイス人のキュレーターであり、審査員でもあるソフィ・マユコ・アーニ氏が企画したこの展覧会は、「影」をテーマに、光と不在の相互作用を探求することを目的としている。
今回は、GCCと日本を拠点に活動するアーティストから400の提案が寄せられた。
合計7組の日本人アーティストの中から3組(黒川良一、布施琳太郎、横前拓磨)が選ばれ、それぞれ独自の文化的視点と創造的アプローチで、美術館のドームの下で展示される。
黒川氏はオーディオビジュアル・アーティストであり、作曲家でもある。抽象的な映像と実験的な電子サウンドスケープをシンクロさせた没入型のインスタレーションを制作することで知られている。
布施氏はアーティストであり詩人でもあり、デジタル接続に関連した孤独と孤立のテーマを探求している。ビデオ・インスタレーション、VR、AR、ウェブ・ベース・プラットフォーム、詩など多様な媒体を通して作品を発表し、テクノロジーが人間の存在と不在を感じる体験にどのように貢献しているかを紹介している。
横前氏は建築家であり、モロッコ出身のガリ・ブアヤドとともに作品を発表する。YOKOMAE et BOUAYADの名で活動する二人は、東京とマラケシュのデザインの伝統を融合させたプロジェクトに取り組んでいる。
「今年の『アート・ヒア』のキュレーションを担当できたことを大変光栄に思います。”影 “というテーマにより、屋外でのインスタレーションを幅広く解釈することができ、寄せられた提案の数の多さは、Art Hereの妥当性を物語っています」
「この賞の地理的な範囲を拡大することは、困難が伴うかもしれませんが、異文化理解を促進することは、美術館の使命の中心に位置し、アーティストに夢と想像の新たな地平を提供します」とソフィ・マユコ・アーニ氏は語った。
今年の審査員には、アーニ氏のほか、2020年に文化庁長官賞、2015年に芸術文化勲章を受章した日本人キュレーターで京都大学客員教授の長谷川祐子氏も名を連ねる。
その他の審査員には、シェイク・ザイード・ビン・スルタン・ビン・ハリーファ・アル・ナヒヤーン外務省顧問、ギレム・アンドレ・ルーヴル・アブダビ科学・学芸・コレクション管理部長、マヤ・アリソン・ニューヨーク大学アブダビ美術館エグゼクティブ・ディレクター兼チーフ・キュレーターが名を連ねる。
「今年の日本の進出は、湾岸地域と東アジアの異文化間の対話を深める意図的なキュレーションの転換を意味し、芸術的関与の範囲を広げ、地域と国際的な創造性のハブとしての役割を再確認するものです」とアンドレ氏は語った。
「私たちは、UAEとこの地域からの新進の声を支援し、高め続けるとともに、現代アートは、私たちが共有する人間性と経験を理解するための強力なレンズであるという私たちの持続的な信念を反映し、大陸を超えた新たな創造的な架け橋を育成することにも同様に尽力しています」と付け加えた。