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ワヒド・ジャラル:アラビアの俳優、ラジオプロデューサー、伝説をつくる

アラブニュースジャパンとの独占インタビューで、ワヒド・ジャラルは1970年代半ばにさかのぼる日本のアニメへの情熱を熱く語った。 (Supplied)
アラブニュースジャパンとの独占インタビューで、ワヒド・ジャラルは1970年代半ばにさかのぼる日本のアニメへの情熱を熱く語った。 (Supplied)
アラブニュースジャパンとの独占インタビューで、ワヒド・ジャラルは1970年代半ばにさかのぼる日本のアニメへの情熱を熱く語った。 (Supplied)
アラブニュースジャパンとの独占インタビューで、ワヒド・ジャラルは1970年代半ばにさかのぼる日本のアニメへの情熱を熱く語った。 (Supplied)
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01 Nov 2020 02:11:52 GMT9
01 Nov 2020 02:11:52 GMT9

Amin Abbas

レバノンの俳優でラジオプロデューサーのワヒド・ジャラルは、アラビア語吹き替え版制作の業界で、最も影響力のある声優の1人として認められている。

ワヒド・ジャラルはアラビアンナイト、シンドバッドの冒険のアリババ、みつばちマーヤのフリップ、宝島のジョン・シルバーの声優として活躍し、家なき子レミ(立体アニメ、家なき子)でも声優役を演じている。

最近では、痛快なりゆき番組 風雲!たけし城(アル・ホスン)や未来の民話(アサティール:未来の昔話)など、アラビア語吹き替え版の新しいアニメのナレーションを担当している。

アラブニュースジャパンとの独占インタビューで、ワヒド・ジャラルは1970年代半ばにさかのぼる日本のアニメに対する熱い想いを語った。

ジャラルは、「日本人はアニメ番組作成において、とてもプロフェッショナルで、番組のキャラクターがとても活き活きとして、リアルであると感じました」と、語っている。

彼は続けて、アニメ制作者たちの目標が教育的でありながら子供たちを楽しませ、1970年代と1980年代に多くの子供たちにどれ程好影響を与えたかを強調した。

ジャラルの声を聴いて育った子供たちは、「今や大人となり、自分たちの子供を育てている年代です」と話し、一方で、 当時に限らず、今でも人々に影響を与え続けられることを、どれほど光栄に思い、喜んでいるかを語った。

「私のお気に入りの日本のアニメシリーズは、まず真っ先に宝島です。それから、みつばちマーヤ、アラビアンナイト・シンドバッドの冒険、ミームいろいろ夢の旅、伊賀野カバマル、その他声優として参加している古典的なアニメ番組です」と彼は語った。

ワヒド・ジャラルは、当時新しくてユニークなプロジェクトであった日本のアニメ番組のアラビア語吹き替え版の声優として最初に参加した人々の一人である。

ジャラルは1970年代半ばから日本の古いアニメシリーズの声優を始めている。「アニメショーを通じて、子供たちの心に触れることができることが、とても嬉しかった」と語る。その当時彼自身が望んだことは、「子供たちが番組を観ながら、番組の想いを理解し、人生で成長するに伴って、理解したことを他の人たちに伝えられれば」ということだった。

「私がアラビア語吹き替え版で最初に取り組んだ番組は、1970年代半ばのシンドバッドの冒険でした。その後、みつばちマーヤ、まんが猿飛佐助、宝島、マンガはじめて物語、ミームいろいろ夢の旅などが続きました」とジャラルはアラブニュースジャパンに語った。

日本のアニメをアラビア語に吹き替える際に直面した課題について、ジャラルは次のように述べている。「当時直面した課題の1つは、ビデオ映像とオーディオ録音を制御する最近のようなテクノロジーがなかったことです。そこで、 自分の声をリールビデオとオーディオテープに同時に録音する必要がありました」

彼は当時の様子を更に細かく描写し、レコーディングセッション中に全員で如何に調整しなければならなかったか、それでも誰かが間違ったら、全てをやり直す必要があった当時の大変さを語った。

「それから何年も経って、コンピューター・テクノロジーが発展して、セリフの録音とオーディオのミキシングプロセスが簡単になったこと」も、彼は語った。

「また、日本語からの翻訳が大変でした。特に日本語のセリフが短く、アラビア語が長いときです」。何故なら、「アニメのセリフが語られるシーンで、唇の動きとアラビア語のセリフを同期させるのに非常に苦労しました」とジャラルは語った。

当時、中東地域で放映されたアラビア語吹き替え版のアニメシリーズの視聴者の受けはとても良かった。

ワヒド・ジャラルは、アラビア語吹き替え版の人気とフィードバックは非常に大きく、視聴者は色々な意味で番組に愛着を持っていたと述べた。

古いアラビア語吹き替え版アニメシリーズはより専門的に制作され、視聴者全員に貴重なメッセージを伝える力があった。「だからこそ、私も番組の楽しさと喜びを子供たちと分かち合うことが出来、それについては、今でも非常に満足し、謙虚な気持ちになれる」とジャラルは繰り返し語った。

ワヒド・ジャラルは、今日までアラビア語吹き替えアニメの世界で最も有名なキャラクターの1人である宝島のジョン・シルバー役を担当した事で知られている。

彼はアラブニュースジャパンとキャラクターの声を代弁することについて次のように語った。「吹き替えの世界では、何よりもキャラクターの背景と特徴を理解する必要があり、それが私が好きだった理由です」、宝島で私が声を代弁したキャラクターを。

このキャラクターを演じることで多くのことを学んだと、ジャラルは述べる。「彼は表面的には暴力的で残酷であるが、彼の生い立ちなどの背景や特質を知ることで、実は親切で思いやりがある人物であることが理解できた」

アニメシリーズのアラビア語吹き替え版のこれまでの変遷について語るとき、ワヒド・ジャラルは、古い番組が子供たちが視聴を通じて学べるよう、教育的、文化的、社会的配慮がされた、楽しいレッスンとして特徴を持っていたが、最近の番組にはそうした要素は少ないと語った。

今日まで中東に大きなファンを抱えるアラビア語吹き替え版の成功の貢献者の一人として取り上げられることについて、ワヒド・ジャラルは中東地域の多くの人々に愛され、評価されていることに対して、謙虚に感謝の気持ちを表した。

彼は、意欲的な若手声優に対して知識、情報、そして気付きの大切さをアドバイスして、今回のインタビューを締めくくった。

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