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シーメンス・エナジーのIPOがエネルギー市場の未来にとって重要である理由

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29 Sep 2020 09:09:45 GMT9
コーネリア・メイヤー
29 Sep 2020 09:09:45 GMT9

刻々と変化する規制や不確実性のあるこのエネルギー革命の時代に、公益事業を行うことは難しい。私たちの電気を生産・送電する企業はそういった規制や不確実性に直面している。電気はますます多くの輸送手段の動力となりつつある。コロナ禍の間、そしてそれ以降もITソリューション、通信、その他仕事に関わるあらゆる面で電気にますます依存し、そのすべてが将来の電力需要に拍車をかけることになる。

また、機器メーカーが変化や要求に対応するのも困難だ。ゼネラル・エレクトリック(GE)、三菱、東芝、シーメンスのような複合企業であればなおさらだ。 ここに挙げたのは一部に過ぎない。

こういった企業がどれほどの苦境に立たされているのか、GEが与えられた試練と苦難を見ればすぐに分かる。トーマス・エジソンが創業した131年の歴史を持つこの企業は、2018年にダウ・ジョーンズから一蹴された。1990年代から2000年代初頭にかけて世界で最も価値のあった偉大な企業であったが、その歴史の中で落ち目となっていた。

発電と送電のための機器の生産を行っているシーメンス社も、母国ドイツで特に厳しく要求されているエネルギー革命により、節目を迎えている。

退任するシーメンスのジョー・ケーザーCEOは、エネルギー、ヘルスケア、スマートインフラ、デジタル産業、交通機関などの分野で機器を製造する産業界の巨人であるシーメンスの再構築に、過去10年を費やしてきた。シーメンスは、コングロマリットが流行り廃りを見せていた時代に、コングロマリットから株主価値を打ち出す方法を模索していた。一番大きな動きは、医療機器事業体であるシーメンス・ヘルシーナーズAGのIPOだ。過去4年間でドイツ最大の規模を誇り、現在も79%の株式を保有している。

月曜日、同社はシーメンス・エナジー社を上場した。石油は最もクリーンな化石燃料であるにもかかわらず、2030年から2060年の間のどこかでゼロ炭素排出量を達成しようとする世界的競争の中で、様々な組織や国の見解や約束に応じるかたちで石油はますます不人気になってきている。

シーメンスは、今回の株式公開で200億ユーロ(233.1億ドル)の評価額の達成を目指している。シーメンスの親会社は、新会社の35%の株式を保持しようと目論む。環境、社会、ガバナンスの基準にますます関心を寄せる投資家のために、シーメンスはスペインに上場している再生可能エネルギー関連の子会社、シーメンス・ガメサの株式をこの取引に投入した。シーメンスは、ベレンバーグが90億ユーロと評価したガメサの69%を現在も保有している。

IPOは明らかに有望な選択肢でもなければ、唯一の選択肢でもなかった。シーメンスの経営陣は、ガスタービン事業と日本の産業界の巨人である三菱重工業との合併など、さまざまな選択肢を検討していた。

では、欧州外の人々がこの取引に関心を持つ理由は何か。それは、シーメンスが世界の電力生産と送電の6分の1を支える技術と機器を提供しているという点だ。

もし世界がネット・ゼロの目標に本気で取り組んでいるのであれば、交通機関だけでなくより多くの活動が電気に支えられるようになる。そのため電化を推進している企業は、たとえ機器の一部が当面化石燃料に依存していたとしても、生産と技術革新の資金調達のために利益を上げ続けることが非常に重要だ。企業は、イノベーションや研究開発に投資する資金力がなければ、CO2排出量を抑制しゼロエミッション技術に移行することはできない。

もっと大きなスケールで言えば、投資家は、将来を見据えた堅実な投資提案を提供する企業を必要としている。同社の最大かつ最も収益性の高い部門であるシーメンス・デジタル・インダストリーズは、収益の20倍で取引されている米国の主要な競合企業、ロックウェルと比較すると過小評価されているように見える。

資本は常に最高のバリュープロポジションを求めており、評価額は重要だ。今回のIPOは、シーメンス・エナジー社の取締役会の重役を務めるケーザー氏にとって最後の大規模な取引となる。これにより、化石エネルギーに根ざした20世紀の機器メーカーから革新的な産業技術を基盤とした21世紀の帝国への転換を目指した、ケーザー氏の再建努力が完了することになる。

シーメンス・エナジー社の株式は上場直後に一時的に13%下落したが、CET時間正午までのところでは22.01ユーロの初値からほぼ横ばいで取引されている。

  • コーネリア・メイヤー氏は、投資銀行や産業界で30年の経験を持つ博士レベルの経済学者。彼女はビジネスコンサルタント会社Meyer Resourcesの会長兼CEOでもある。ツイッター: @MeyerResources
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