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書店市場4年ぶり拡大=「鬼滅」特需が追い風

帝国データバンクによると、2019年の書店市場規模は1兆2186億円で、3年連続で減少。(AFP)
帝国データバンクによると、2019年の書店市場規模は1兆2186億円で、3年連続で減少。(AFP)
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04 Dec 2020 07:12:43 GMT9
04 Dec 2020 07:12:43 GMT9

出版不況にあえぐ書店市場が、4年ぶりに拡大する見通しだ。ネット書店や電子書籍市場の台頭に押される「街の本屋」を救ったのは、新型コロナウイルスの感染拡大による「巣ごもり需要」と、映画の大ヒットなどで一大ブームを巻き起こした漫画「鬼滅の刃」の特需。4日発売のシリーズ最終巻となる23巻は予約が殺到し、各地の書店が対応に追われている。

帝国データバンクによると、2019年の書店市場規模は1兆2186億円で、3年連続で減少。10年前の7割強の水準に落ち込んだ。ところが、出版取り次ぎ大手の日本出版販売によると、今年5~10月の店頭売り上げは前年超となり、映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が公開された10月の漫画の売り上げは前年比で約1.5倍に達した。帝国データバンクの担当者は「コロナ禍で実用書や文庫、漫画などの売り上げが伸び、『鬼滅』が後押しした」と分析する。

八重洲ブックセンター(東京)では、最終巻の予約数が2000冊近くに上っており、担当者は「これだけの予約は史上初ではないか」と話す。こうした状況を想定し、同社は感染防止で来店を減らしてもらうため、インターネットのみで予約を受け付けた。ブックファースト新宿店(同)では4日、営業時間前の午前8時から店舗前にレジを置き、最終巻を特別に販売した。

石川県津幡町の「スガイ書店」では約50冊の予約注文があり、キャラクターをあしらった消しゴムが数日で完売する状態。店員の吉田一平さん(28)は「関連商品を含め、仕入れたら全部売れる」と反響の大きさに驚く。他の漫画作品もよく売れているといい、「コロナ禍以降の売り上げは全体的に良い。特に『鬼滅』効果で漫画を買う人が増えている」と話している。

JIJI Press

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