
アラブニュース
ドバイ:アラビア語とヘブライ語には一般に想定されている以上の共通点がある。いずれもセム語族に属し、文字の一部どころか単語の一部すら共有しているのだ。
こうした共通点に着目し、アブダビ・アラビア語センターはバーチャルセミナーを開催し、セム語族のアラビア語、ヘブライ語、シリア語間の類似点とこれらの言語を時代を超えて結びつけてきた緊密な関係について考察した。
「アラビア語とセム語族:理解と人間の友愛の物語」と題されたバーチャルセミナーは初の「人類友愛国際デー」に開催され、アブダビ・アラビア語センター長でシェイク・ザイード図書賞事務局長のアリ・ビン・タミム博士、イェール大学西セム語族教授のジミー・ダカチェ博士、アメリカ大学ベイルート校ヘブライ語研究科教授のブリジット・カランド博士、ヤルムーク大学アラビア語・文学科教授のヤヒヤ・アバブネ博士が発表を行った。
このセミナーの目的は、アラビア人とヘブライ人の古代の結びつきと共通点を浮き彫りにすることと共に、人類の友愛を推進し、人々の繋がりを促してきたアラビア語の役割に取り組むことだった。
「対話と理解のための言語が必要とされていることは現代の私たちにとって喫緊の課題です。また、そうした言語の歴史的役割、文明における機能を明確化する必要もあります。このような取り組みこそが、人々の間のコミュニケーションや信頼関係の確立に不可欠なのです」と、アリ・ビン・タミム博士はリリースで述べた。
「中東には数多くの古代語がかつて存在し、消滅してしまった言語もあれば、現代でも日常的に使用されている言語もあります。この事実を鑑みると、セム語族の共通の起源に焦点を置き、この地域の諸民族と諸文化の相互関係を明らかにすることがとても大切なのです」とアリ・ビン・タミム博士は付け加えた。
アリ・ビン・タミム博士の言葉に呼応して、ブリジット・カランド博士は、「アラビア語とヘブライ語を結びつけるものは多くの構成要素や文法、発話上の類似性だけではありません。この二つの言語のいずれの話者にとっても、もう一つの言語を短時間で正確に学ぶことが、他のいかなる言語を学ぶことよりも容易だといったこともあるのです」と述べた。
このバーチャルセミナーは、国連総会で2月4日を「人類友愛国際デー」と宣言することが採択されたほんの数週間後に開催された。この国際記念日の発案は、UAE、バーレーン、エジプト、サウジアラビアによるものだった。採択を受けて、2021年以降、世界各地で人類友愛国際デーとして2月4日に記念行事が行われることになる。
「人類友愛国際デー」は国連加盟国34カ国の共同提案となり、採択された。