
ルバ・オバイド(Ruba Obaid)
ジェッダ:ジェッダを拠点とするサウジ・アート・カウンシルは、第8回となる「21, 39 ジェッダ・アーツ」が3月24日から開幕すると発表した。「アリダードの秘密」という題名が付けられた今年の展覧会では、美術史を専門とする哲学博士であり大学教授でもあるフランス人学者、ファビエン・ダネシ博士がキュレーターを務める。
アリダードは指方規ともいい、遠くの対象物に照準を定め、星との角度を測ることで方位を測定する科学・天文機器である。
「航海に用いられた道具ですが、ここでのアリダードは作品自体です。私のアプローチが寓話的であることを意味しています。展覧会の主題は地図学における天文学ですが、必ずしも文字通りの意味ではありません」とダネシは語る。「『アリダードの秘密』 では、天文学とカテゴリーが詩的な衝動を通じて合理性の網から逃れるという、そんなある種の解釈を表現しています」
ダネシは今年のイベントを通じて、国内外の参加アーティストとともに、オーディエンスに精神の旅を提案する。
「この寓話的な視点は、展覧会が旅の可能性の表現の制作を試みていることを意味します。船乗りが星を用いて海を航行したように、アート作品も私たちが向かい風や潮の流れを利用して文化という海を進むのを助けてくれるのです」と、ダネシは語る。
「二つの星の間で」はサウジ人アーティストのアイマン・ゼダニの作品で、シノモリウムという砂漠の寄生植物をテーマにした複層インスタレーションだ。
ゼダニのコンセプチュアルな作品は人間と非人間、動物と植物、有機と無機、陸と海の関係を再解釈しようと試みるものだ。この作品でゼダニはシノモリウムの命、そしてそこから学び取れる教訓に光を当てたかったのだという。
「この植物は生き残りや命の存続を他の砂漠植物に依存しているのですが、私はそれらのDNAを収集して自ら『砂漠のアーカイブ』と名付けたものを製作しています」と、ゼダニはアラブニュースに語った。
ゼダニは昨年の第7回の同展覧会に参加しており、「ペルシア湾の未来に関する対話を続けるために」今年の作品を昨年の作品からつなげようと考えた。昨年は実験的な映画を通じて、約4億年前に地球に生息したプロトタキシーテスという巨大な菌類の視点から見た石油の物語を伝えていた。
「今年の展覧会では、ファビアンは私たちの生活をすっかり変えてしまった悲惨なパンデミックを踏まえ、星や惑星、その他私たちの広大な世界を構成するすべてのものから着想を得ています」と、サウジ・アート・カウンシルのディレクター、ナダ・シェイクは語る。
「21, 39 ジェッダ・アーツ」はサウジ・アート・カウンシル開催による非営利プロジェクトであり、サウジアラビアの現代アートシーンにおけるジェッダの立ち位置のアピールおよび維持を目指している。この名称はジェッダの地理的座標から名づけられたもの(21.5433°N, 39.1728°E)。
同プログラムはキュレーションされた展覧会、ギャラリー展、ワークショップ、そしてアートという世界共通語を通じて外の世界との懸け橋を築くことを目指した一連のトークやディスカッションから構成される。
「21, 39 ジェッダ・アーツ」は若い新進アーティストがプロフェッショナルへと飛躍するチャンスを獲得でき、国際的に認知されたプラットフォームに携わることができる、アーティスト志望者にとって重要な機会であるとシェイクは語った。
またシェイクは、同展覧会が国際キュレーターにとって急成長を遂げるサウジのアートの世界で活動し足跡を残すことができる場であり、国内キュレーターにとっては経験を広げることができるルートであるとも付け加えた。