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レバノンのパレスチナ人キャンプで衝突発生、住民恐怖

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02 Aug 2023 03:08:32 GMT9
02 Aug 2023 03:08:32 GMT9
  • アイン・アル・ヘルワには5万4千人以上の難民が登録されている。この難民キャンプは1948年の戦争で追い出されたパレスチナ人のために設立された

アイン・アル・ヘルワ(レバノン):果物や野菜を売るイスマイル・アッカウィさんは、レバノン最大のパレスチナ難民キャンプで、断続的だが死者が出るほどの戦闘が何日も続く中、生計を立てるために果敢に立ち向かわざるを得なかった

南部の沿岸都市シドンにあるアイン・アル・ヘルワ難民キャンプの中心部にある農産物市場は、普段は多くの行商人で賑わっているが、土曜日遅くにキャンプ内で衝突が起きて以来、危険を承知で外に出てくる行商人はほとんどいない。

「恐ろしい状況にもかかわらず、野菜を売るために家を出なければなりません」と60代のアッカウィさんは言った。

もし暴力が続けば、「誰が私と私の家族のために食卓に食べ物を並べてくれるのでしょうか」と、アッカウィさんは尋ねた。

このキャンプでは暴力の発生はよくあることだが、今回の騒動では11人が死亡している。ここ数年来で最悪の事態で、パレスチナのマフムード・アッバース大統領率いるファタハ派とイスラム過激派が対立している。

今回の衝突がなぜ起きたのかはまだ不明である。

アイン・アル・ヘルワには、5万4千人以上の難民が登録されている。この難民キャンプはイスラエル建国と同時期の1948年の戦争で追い出されたり、国外に逃れたりしたパレスチナ人のために設立された。

近年、シリアの内戦からの避難を望んだ数千人のパレスチナ人もこのキャンプに合流している。

パレスチナの各派閥は30日日曜日に停戦に合意したと発表したが、停戦は維持されず、月曜日と火曜日にも戦闘が続き、自動小銃やロケット弾が使用されている。

最前線では弾痕だらけの廃墟と化した建物が立ち並び、衝突や砲撃に見舞われたキャンプ南部のヒッティン地区には黒焦げの車が散らばっている。

パン屋の62歳のムフタールさんは、パニックに陥った住民が物資を買いだめしていると語った。

「治安悪化によるパンの不足を恐れて、住民はパンを2袋買っています」と、苗字は伏せた上でムフタールさんは語った。

この戦闘のため、国連はアイン・アル・ヘルワでの活動を停止し、レバノン南部最大の都市シドンでも商店や公共機関が閉鎖された。

「本格的な停戦を確立するための準備が進められている」と、ファタハ幹部のムニール・マクダ氏は火曜日、AFP通信に語った。

パレスチナの治安部隊は、暴力の実行犯を特定するため、「街から武装勢力を排除し、調査委員会を発足するべく」動いている、と同氏は付け加えた。

「すべての派閥が共同で、違反や治安事件の加害者に責任を取らせることを決定しました」と、マクダ氏は語った。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によれば、小国であるレバノンは推定25万人のパレスチナ難民を受け入れている。

パレスチナ難民の大半はレバノンにある12の公式キャンプのいずれかに住んでおり、就労などさまざまな法的制限に直面している。

昔ながらの因習により、レバノン軍はパレスチナ難民キャンプには入らず、治安対策は各派閥に任されている。

AFP

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