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MEドバイで、アート展「Sense of Women」開催

このプロジェクトの中心として活躍するのが、チリ人の後援者であるアレハンドラ・カストロ・リオセコ氏だ。氏は土木技師であり、アートコレクターであり、MIAアート・コレクションのディレクターも務める。(提供写真)
このプロジェクトの中心として活躍するのが、チリ人の後援者であるアレハンドラ・カストロ・リオセコ氏だ。氏は土木技師であり、アートコレクターであり、MIAアート・コレクションのディレクターも務める。(提供写真)
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26 Mar 2021 11:03:02 GMT9
26 Mar 2021 11:03:02 GMT9
  • 女性芸術に対する情熱から、アレハンドラ・カストロ・リオセコ氏が後援に乗り出した
  • 展覧会のオープニングを飾るのは、インスタレーション作品「Breathe」。磁器製のガスマスクに磁器製のバラの花から成る手の込んだ細工を施した作品で、スペインの新鋭アーティストNoemにより新型コロナのパンデミック前に制作されたこの作品からは、奇妙な予感のようなものが感じられる

アラブニュース

ベイルート:ドバイのMEホテルで、女性作家の作品だけを厳選して紹介するアート展が開催される。MEホテルはイラク出身のイギリス人建築家、故ザハ・ハディド氏が外観から内装までを手がけたホテルで、ハディド氏は男性の建築家による角ばった建築を曲線化したことで知られる。

MEドバイが、MIAアート・コレクション、アラブニュースおよびアラブニュース国際版と共催し、3月28日~4月20日の予定で女性作家の創造的な作品の数々を紹介する「Sense of Women」展を開催する。

アラブニュースでは、この類まれなアート展の舞台裏を覗いてみた。出品作家も紹介することにしよう。

アレハンドラ・カストロ・リオセコ氏、各方面で積極的に後援

このプロジェクトの中心として活躍するのが、チリ人の後援者であるアレハンドラ・カストロ・リオセコ氏だ。氏は土木技師であり、アートコレクターであり、MIAアート・コレクションのディレクターも務める。

本展に出品される作品は、女性作家の作品だけを集めた個人コレクションとしては世界最大のコレクションであり、900点近い作品を持つというリオセコ氏自身のコレクションから集められたものである。

リオセコ氏は、女性作家によるアートに対する情熱から、女性作家に焦点を当てたバーチャル美術館「MIA Anywhere」の創設やアート奨学金の授与など、多くの慈善事業に着手した。この2つの取り組みをきっかけに、リオセコ氏は世界中を旅し、新しい才能を求めて現代アートフェアに積極的に参加するようになった。

本展のオープニングを飾るのは、インスタレーション作品「Breathe」。磁器製のガスマスクに磁器製のバラの花から成る手の込んだ細工を施した作品で、スペインの新鋭アーティストNoemにより新型コロナのパンデミック前に制作されたこの作品からは、奇妙な予感のようなものが感じられる。(提供写真)

女性作家によるアートを推進する活動の一環として、リオセコ氏は女性のエンパワーメントおよび先住民族のノウハウや言語の保護を目的としたMujer Opina財団を設立し、特に古代マプチェ族の文化に特化した「Ultimate Women」プロジェクトを通して、女性作家によるアートを推進している。

リオセコ氏は、ニューヨークのエル・ムセオ・デル・バリオの役員を5年間務めた。現在はニューヨーク・グッゲンハイムのラテンアメリカ美術品購入委員会の委員を務め、アブダビに拠点を置くグッゲンハイム中東委員会の委員も3年連続で務めている。

リオセコ氏は音楽分野でも活躍している。ワルシャワの国際ショパン協会連盟の理事にチリ人女性として初めて選出された。さらにダンスの分野でも、権威ある国際バレエ団「ホセ・リモン」の役員を務めている。

アイシャ・アル・アハマディ。(提供写真)

「ドバイで暮らすのは1950年代のニューヨークで暮らすようなもの」

土木工学分野を離れ、慈善活動や現代アート、女性のエンパワーメントのための活動に取り組むようになった動機について、リオセコ氏は、自分は工学の分野で働いていたには違いないが、子供の頃から慈善活動に惹かれ、社会の不平等に反旗を翻していたと語った。

また、多くの活動を同時にこなすことについては、自分が「幸せだと感じる」秘訣は、自分の仕事に対する愛情、そして、毎朝目覚め、新しい風景を発見できる喜びだと指摘した。

また、家族の応援、特に高校生の娘さんが学校にいる時間以外は仕事に協力してくれていることも大きいようだ。

主にドバイを拠点に活動するリオセコ氏は、次のように語っている。「ドバイは私のお気に入りの場所となりました。私どものようにここに住める者は、本当にラッキーだと思います。この街ではさまざまなことが起こっている、ということもありますが、それだけでなく、この時代の大きな変化を観察し、その一部になることもできるのですから」

「ドバイで暮らすのは、1950年代のニューヨークで暮らすようなものだと思います。ここではあらゆることを目の当たりにすることができます。ひとつの帝国がまるごと、記録的な速さで築かれたのです。自然による障害がありながら、最先端のテクノロジーを駆使し、国民の安全や幸福を気遣う政府の支援のもとで。ドバイから学ぶべきことはたくさんあります」

MEホテルの大ホールは、建築家ザハ・ハディド氏が設計を担当した。(提供写真)

不安を抱える観客に向けた、現代的な回答

リオセコ氏によると、今回の「SENSE OF WOMEN」展のメインテーマは「現代に、そしてこの時代のツールやテクノロジーに適応できる女性の能力」だという。

「これらの作品は、美しいというだけでなく、環境や人間関係を尊重すること、そしてもちろん、日々を生きるために勇気を見つけること、といったメッセージも伝えています」

リュボーフィ・コルビナ。(提供写真)

「これらの女性アーティストたちは、出身国も芸術的・文化的な表現のし方もさまざまですが、持っている目的は同じであり、それぞれの成功が、我々皆に影響を与えるのです」とリオセコ氏は付け加えた。

これらの女性作家が探究していることとして共通しているのは、自分の中の女性とアーティストとしての自分とのバランスをとること、そしてテクノロジーの圧力により現代の観客とコミュニケーションをとるために新しいチャンネルを求めるようになったことである、とリオセコ氏は言う。

ファティマ・アル・キンディー。(提供写真)

素材、手法、夢、そして知覚

本展のオープニングを飾るのは、インスタレーション作品「Breathe」。磁器製のガスマスクに磁器製のバラの花から成る手の込んだ細工を施した作品で、スペインの新鋭アーティストNoemにより新型コロナのパンデミック前に制作されたこの作品からは、奇妙な予感のようなものが感じられる。

この磁器のインスタレーション作品は、パンデミックの犠牲者に捧げられている。このほか、テキスタイルを通してリズムに疑問を投げかけるイギリス人女性作家パトリシア・ミルズの作品や、アイデンティティー・ポリティクスを自作の中心テーマとするアブダビ生まれのマルチディシプリナリーアーティスト、アイシャ・アル・アハマディの作品なども展示されている。

アナ・ダガンゾ。(提供写真)

スペインのビジュアルアーティスト、アナ・ダガンゾは、写真を通して、道具としての目の特殊性、そしてそれによって引き起こされる現象に焦点を当てたビジョンを探求している。

同様に心を奪われるのが、スペイン出身の作家ヴェロニカ・ルース・フリアスが自身の身体を中心に据えた、一連の写真作品である。

また、日本人画家いとうまりが描く夢のような不穏な世界や、同じく日本人作家の中山晃子の表現主義的なアートも紹介される。

そのほか本展の見どころとして、シベリア生まれのロシア人作家リュボーフィ・コルビナの奇妙な風景画や、UAEの画家ファティマ・アル・キンディーが些細なことを変容させる試みに挑んだ、広大な抽象絵画作品なども注目される。

MEホテルの大ホールは、建築家ザハ・ハディド氏が設計を担当した。(提供写真)
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