アブダビ:イエメンの過激派組織フーシ派による一連のミサイル攻撃を受け、米国海兵隊のフランク・マッケンジー将軍が、6日、湾岸諸国の防衛強化の取り組みについて話し合うため、アラブ首長国連邦を訪問した。.
イランを後ろ盾とするフーシ派は、ここ数週間、アラブ首長国連邦(UAE)を標的とするこれまでにない一連のミサイル攻撃を行っており、その大部分は失敗に終わっているものの、UAEと米国軍を相手に防空戦を引き起こし、米軍が一時的に退避する場面も見られた。
今回の攻撃は、2015年以来、UAEを含むサウジアラビア主導の連合軍対フーシ派との戦いの構図となってきたイエメン内戦を終結させるための国連の仲介努力の失敗を浮き彫りにする形となった。
アメリカ中央軍のトップとして中東に駐留する米軍を監督するマッケンジー将軍は、フーシ派からの攻撃を受け、湾岸諸国の防衛に対する米国のコミットメントを強調するため、予定を繰り上げて訪問したと述べた。
マッケンジー将軍はアブダビに到着する直前、記者団に対し、「今はUAEが非常に不安を抱え、支援を必要としている時期てある。我々は彼らを助け、必要とする支援を提供するためにやってきた」と語った。
今月初めに米国防総省はアブダビ訪問に先立ち、UAE海軍と連携するために、最新鋭のF-22戦闘機と誘導ミサイル駆逐艦USSコールを配備することを発表している。
マッケンジー将軍は、F-22戦闘機はUAEに「世界最高レベルのルックダウン能力を持つレーダー」をもたらし、艦対地ミサイルや無人機などの標的を特定することが可能になるとし、また、駆逐艦USSコールは、UAE周辺の海域で違法な密輸品の取り締まり活動に当たると述べた。
最近のフーシ派によるミサイル攻撃について質問されたマッケンジー将軍は、戦線の後退への対応など、様々なシナリオが引き金となった可能性があるとし、「今回のフーシ派の攻撃の背後にある理由をすべて把握することは難しいが、フーシ派はイエメンで拠点を失うことに焦りを感じているのだと思う」と回答した。
米国政府は、イランがフーシ派に高性能な武器を提供していると非難している。
「イエメンから発射され、UAE内に侵入した中距離弾道ミサイルは、イエメン国内で開発、製造、設計されたものではなく、どこか別の場所で製造されたものであった。このことから我々は、今回の攻撃とイランとのつながりを確実視している」とマッケンジー将軍は述べている。
ロイター