シャムス・アル・ムトワリ
ドバイ: フードライター、レシピ考案家、そしてInstagramブログ「パス・ミー・ザ・ディムサム(Pass Me the Dimsum)」の創設者であるハイヤ・タリク氏は、日本の文化や料理への憧れを込めて、職人技を活かしたティーブランド「HAIYATEA」を立ち上げた。
「HAIYATEA」では、日本産の抹茶、煎茶、玉露、ほうじ茶、玄米茶など、さまざまなお茶を販売している。オンラインストアでは、茶こし「Komorebi」や、日本の伝統的な茶碗に入ったキャンドルなどの商品を、数量限定で販売している。
「今はオンラインで販売していますが、いずれはブティックでの販売も予定しています。HAIYATEAという言葉は、アラビア語で “私の人生 “を意味する “HAYATI “に似ており、とても運命的なものに感じました」とタリク氏はアラブニュース ジャパンに語った。
HAIYATEAの立ち上げのきっかけは、お茶に魅せられたタリク氏がティーソムリエの資格を取得したことだった。
日本茶の上級コースに参加したことで、お茶やお茶の入れ方についての理解が深まった。ソムリエの資格はインターナショナル・ティー・マスターズ・アソシエーション(International Tea Masters Association)から取得したもので、30年間お茶を研究してきた日本人の茶人から指導を受けた。
タリク氏が抹茶を飲むようになったのは数年前のことだが、「日本茶への愛は時を経るごとに増していった」そうで、2018年の日本旅行をきっかけに本格的に始めたという。
京都の碾茶農家を訪れたことで、お茶や日本独自の製造方法に対するタリク氏の情熱はさらに高まった。
「私が驚いたのは、日本の茶農家が半機械的な収穫やCTC方式の加工で節約した時間を、お茶の品種や自然な風味を完成させるために使っているということです。例えば、抹茶や玉露が特別なのは、収穫前の3週間から遮光しているからです。日光が当たらないことで葉の働きが活発になり、根がでんぷん質になるため、アミノ酸が濃縮され、L-テアニンが豊富な甘いお茶になるのです。非常に手間のかかる、心のこもった工程を経て、他に類を見ない優れた品質のお茶ができるのです」とタリク氏はアラブニュース ジャパンに語った。
タリク氏はパキスタン出身で、サウジアラビアで育ち、8年前にドバイに移住した。彼女は、タリク氏の育った環境では日本の文化に触れることは無かったが、日本の文化を知り、多くの要素に共感した。
「日本人の完璧を目指す姿勢に共感しました」と、アラビア語にも通じる日本語の奥深さにも共感した。
彼女の日本文化への理解はそれだけにとどまらず、茶碗蒸し、お好み焼き、カツカレー、おにぎり、そば、餃子など、日本の伝統的な家庭料理の投稿も頻繁に行っている。
またタリク氏は、「日本は、建築物、料理、ライフスタイルにおいて、過去、現在、未来のすべてをシームレスに融合させている」と嬉しそうに話してくれた。
このサイトのおかげで、タリク氏はJETROのような日本の組織や、専門店1004 Gourmetと仕事をする機会も得た。