



ディアナ・ ファラー ドバイ
アラブ首長国連邦を拠点とするブティックが、日本の伝統工芸産業を現代の世界に広めようと、特別展を開催している。
ドバイのアバヤショップ兼アートスペースのCHI-KAの共同設立者でディレクターのネマニャ・ヴァルヤレヴィッチさんは、和紙の展示会を開催することで、日本とアラブの建築およびインテリアデザインの世界の「架け橋」になれればと考えている。
「和紙ソムリエ」の杉原吉直さんは、和紙の卸売業の10代目で、日本内外で和紙を活用する新たな方法を探り続けている。
「和紙はとても繊細で脆そうに見えますが、実際には普通の紙よりずっと耐久性があって丈夫です」とヴァルヤレヴィッチさんは語る。
和紙は、福井県越前市の生産者が、ガンピと呼ばれる毎年自己再生できる植物から作ったもので、同市は日本でも有数の和紙の産地の1つとなっている。
ヴァルヤレヴィッチさんによると、杉原さんは1,500年の歴史を持つ日本の紙づくりの技術を「完全に新しい高み」に昇華させたとのことで、業界に精通する杉原さんはニューヨーク、ミラノ、及びパリでのプロジェクトで各国の建築家やデザイナーとコラボレーションしてきたとのことだ。
「和紙は様々な使い方ができます」とヴァルヤレヴィッチさんは言う。「ランプシェード、インテリア照明、パネル、窓、そして傘にも使うこともできます」
CHI-KAでの展覧会は、杉原さんにとっては和紙工芸を披露してアラブ世界のアーティストと知り合う絶好の場となった。
「私たちが作り出した架け橋によって、アラブ世界の人々が日本の職人と知り合ってコラボレーションできる場が生まれています」とヴァルヤレヴィッチさんは付け加えた。
和紙製品の需要が減退していることを受けて、杉原さんは和紙工芸を世界に紹介する活動をしている。作品が国際的に賞賛され受賞歴もある杉原さんは、日本内外で何百もの照明やアート作品のプロジェクトに携わっている。
和紙は何千年も使われており、「(スペインの画家パブロ・)ピカソの絵画やベルサイユ条約(第一次世界大戦を終わらせた重要な条約)にも使われて」いるとヴァルヤレヴィッチさんは言う。
「日本は私たち全員に近しい存在であり、和紙の美しさも私たち全員が享受すべきものです」とヴァルヤレヴィッチさんは付け加えた。
和紙の展覧会は12月3日まで続く。