
アラブニュース
ロンドン:1月5日、ソーシャルメディアにパレスチナへの連帯を表明する投稿をした英女優エマ・ワトソン氏がインターネット上で反発を受け、イスラエル高官は反ユダヤ主義と非難した。
「ハリー・ポッター」シリーズに出演したことで知られるワトソン氏は3日、インスタグラムのある投稿を自身のページにシェアして、パレスチナの大義への連帯を示した。
ワトソン氏の声明はパレスチナ人や活動家から広く賞賛を集めたが、イスラエル高官からは手酷く扱われた。イスラエルの前国連常駐代表であるダニー・ダノン氏は、次のようなキャプションを添えて、ワトソン氏の投稿をリツイートした。「反ユダヤ主義者であるため、グリフィンドールから10点」
10 points from Gryffindor for being an antisemite.@EmmaWatson pic.twitter.com/Qaqkx36JSg
— Danny Danon 🇮🇱 דני דנון (@dannydanon) January 3, 2022
一方、イスラエルの現国連大使であるギラッド・エルダン氏は、ワトソン氏が「女性を抑圧」するハマスと結託していると示唆した。
エルダン氏は、「ハリー・ポッターではフィクションが通用するかもしれないが、実世界では通用しない」と投稿し、「もし通用するなら、魔法ワールドで使われている魔法で、ハマス(女性を抑圧し、イスラエルの絶滅を求めている)やパレスチナ自治政府(テロを支援している)の悪事をやめさせることができるだろう。私はそれに賛成する!」と続けた。
ダノン氏のコメントは厳しい批判を受けた。インディヴィジブル・プロジェクトの共同エグゼクティブディレクターであるリア・グリーンバーグ氏は、「パレスチナの人々との連帯を示す重要な表現を封じ込めるために反ユダヤ主義を武器に使うという、実に皮肉な悪だくみであることを完璧に示している」と述べている。
Bad Activist Collectiveのアカウントからリポストされたワトソン氏のインスタグラム写真では、人々が「自由パレスチナ」のポスターを掲げて行進している。あるプラカードには、「連帯は動詞だ」と書かれている。
この投稿には、フェミニスト学者であるサラ・アーメド氏の言葉が引用されていた。「連帯は、私たちの闘争が同じ闘争であることも、私たちの痛みが同じ痛みであることも、私たちの希望が同じ未来であることも、前提にしません」
「連帯にはコミットメントと活動が必要であり、同じ感覚や同じ生活、同じ身体をしていなくても共通の基盤の上に生きているという認識もまた必要です」
ワトソン氏のコメントはパレスチナ人活動家から大いに賞賛された。モハメド・アル・クルド氏は、「イスラエルの国連大使は、シオニストがデズモンド・ツツ氏を『反ユダヤ』と中傷した1週間後に、エマ・ワトソン氏を『連帯は動詞だ』を投稿したかどで『反ユダヤ主義者』と呼んでいる。これが風刺でないとしたら何なのか?」とツイートしている。
The Israeli Ambassador to the UN calls Emma Watson an “anti-Semite” for posting “solidarity is a verb,” a week after Zionists smeared Desmond Tutu as “anti-Jewish.”
— Mohammed El-Kurd (@m7mdkurd) January 3, 2022
How is this not satire? 😭😭😭 https://t.co/33wgxsZte3
また、パレスチナの駐英代表を務めるフサム・ゾムロット氏は、ワトソン氏の投稿を賞賛して、「解放と正義を求めるパレスチナ人の闘いへの連帯を表明することは、自由を愛するすべての人の人間的にして道徳的な義務です。エマ・ワトソンさん、ありがとう」と述べている。
昨年5月にイスラエル・パレスチナ紛争が再燃した後に、ベラ・ハディッド氏やマララ・ユスフザイ氏などさまざまな著名人が大義への見解を表明した。
父親がパレスチナ人であるハディッド氏は、自身のインスタグラムアカウントにパレスチナ人を支持するメッセージを投稿した。「将来世代は、私たちがパレスチナ人の苦難をこれほど長く許していたのかと訝しみ、不信の眼で振り返ることだろう。私たちの眼の前で繰り広げられる人類の悲劇だ」