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代替エネルギーは世界の需要を担う段階にはない、サウジアラムコCEOが発言

サウジアラムコのアミン・ナーセルCEO兼社長はリヤドで開かれたサウジ資本市場フォーラムで演説し、資本市場に対し、非現実的なエネルギー移行計画によって起きうる問題について警告した。
サウジアラムコのアミン・ナーセルCEO兼社長はリヤドで開かれたサウジ資本市場フォーラムで演説し、資本市場に対し、非現実的なエネルギー移行計画によって起きうる問題について警告した。
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13 Feb 2023 03:02:04 GMT9
13 Feb 2023 03:02:04 GMT9

アラブニュース

リヤド:現状では代替エネルギーで世界全体の需要を満たすことができないため、エネルギー移行を目指す政策と目標により、世界の需給が危機的状況に陥る可能性があると、アラムコCEOが警告した。

サウジアラムコのアミン・ナーセルCEO兼社長はリヤドで開かれたサウジ資本市場フォーラムで演説し、資本市場に対し、非現実的なエネルギー移行計画によって起きうる問題について警告した。

「しばしばエネルギー移行計画では、一夜で代替エネルギーが石油・天然ガスに取って代わるというユートピア的な見通しが語られます。世界中の巨大なエネルギーシステムが、途上国のそれを含めて即座に変革できるというあり得ない前提に基づいて話をしているのです」とナーセル氏は述べた。

「代替エネルギーは、世界の需要を担う段階にはありません。私の考えでは、より安全なシナリオを描けるよう、エネルギー移行の今後について、資本市場を含めた全員がもっと現実的な視点を持つべきです」

ナーセル氏はまた、2022年は石油・天然ガスへの上流投資がピーク時の2014年と比べて半分の4,000億ドルまで減少するなど、大幅にこの分野での投資額が縮小したと説明し、その理由は「不備のある議論や前提」に基づく圧力だと指摘した。

「エネルギー移行計画を強引に押し進めれば、価格の上昇でエネルギーを入手できなくなり、エネルギーの安全が脅かされ、石炭や動物の排泄物の燃焼という手段への逆行が起こるなど、意図しない結果を招くという危機感を持つべきです。これらの事態はすでに現実のものとなりつつあります」

ナーセル氏は世界の資本市場にとって、最適なバランスを見いだすことが主要な課題であり、そのためには新エネルギー源に投資しつつ、従来型エネルギー産業とその脱炭素化を支援することが必要だと述べた。

また、氏は続けて、新興市場がすでにエネルギー価格の上昇に苦しんでいる中、現在の投資の不均衡は危機的状況につながると警告した。

2022年、世界はグローバルなエネルギー移行に向けて1.1兆ドルを投じたが、代替エネルギーの2大分野、二酸化炭素の回収・貯留技術とクリーンな水素エネルギーへの投資は総額の1%以下にとどまっているとナーセル氏は説明した。

「資本市場は価格の安定、エネルギー安全保障、持続可能性という3重の課題を同時に解決するチャンスを手にしています。そのためには、主要な従来型エネルギー産業への投資の回復、石油・天然ガス産業におけるカーボンフットプリント削減技術への投資の増大、再生可能エネルギーやグリーン水素、ブルー水素を含めた新エネルギーに投資することが必要なのです」とナーセル氏は締めくくった。

 

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