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イエメンの人道的危機が深刻化する中、アラブ連合軍がマアリブでフーシ派145人を殺害

アラブ連合軍は3日、イエメンの都市マアリブ周辺で過去24時間の間にフーシ派145人を殺害したと発表した。(資料/AFP通信)
アラブ連合軍は3日、イエメンの都市マアリブ周辺で過去24時間の間にフーシ派145人を殺害したと発表した。(資料/AFP通信)
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04 Nov 2021 03:11:45 GMT9
04 Nov 2021 03:11:45 GMT9
  • アラブ連合軍の戦闘機は過去24時間で32回の空爆を行い、フーシ派の軍用車両18台を破壊した
  • 人道支援団体は、マアリブ市で必要とされる人道支援は現地の支援能力をはるかに超えていると警告した

サイード・アル・バタティ

アル・ムッカラー:イエメン政府を支援するアラブ連合軍は3日、イエメン中部の都市マアリブ周辺で過去24時間の間にフーシ派145人を殺害したと発表した。同市周辺ではイランが支援するフーシ派と政府軍による凄惨な戦闘が続いている。

アラブ連合軍が国営サウジ通信を通じて発表した声明によると、アラブ連合軍の戦闘機は32回の空爆を行い、フーシ派の軍用車両18台を破壊した。

イエメンで活動している国際的な人道支援団体のグループは3日、戦闘の拡大により数千人の人々が家や避難民キャンプから逃げ出しており、マアリブ県や隣接する各県で人道的危機が差し迫った状況にあると警告した。 

人道支援団体のグループは共同声明で、「マアリブ県とその周辺で紛争が続いているため、この地域で避難していた人々が、7年間の紛争の影響をすでに受けている近隣の県に再び避難している」と述べ、国際的な援助国・機関に対して、紛争で苦しむイエメンの人道支援プログラムへの資金提供を迅速化するよう要請した。 

共同声明に加わった人道支援団体には、ACTED、CARE、デニッシュ・レフュジー・カウンシル、ヒューマニティー・アンド・インクルージョン、ハンディキャップ・インターナショナル、INTERSOS、ルーテル世界救援、世界の医療団、 マーシーコー、ノルウェー難民評議会、オックスファム、ポーランド人道アクション、セーブ・ザ・チルドレン、ZOAが含まれている。

10月に各人道支援団体が記録したマアリブでの民間人の死傷者は119人だった。この数字には、31日にマアリブのアル・アムドにある宗教学校をフーシ派が攻撃して死傷した29人が含まれている。10月のマアリブ県の死傷者数は、これまでの1か月間の最多死傷者数から230%以上増加した。 

人道支援団体は、「マアリブ市で必要とされる人道支援は現地の支援能力をはるかに超えている」と述べ、 「マアリブ市には大量の避難民を抱える国内避難民キャンプがある。マアリブ市の公共サービスと医療体制は逼迫しており、都市インフラは脆く、避難民を受け入れる地域社会はますます脆弱になっている」と指摘した。

ノルウェー難民評議会でイエメンを担当するエリン・ハッチンソン氏も、マアリブで紛争の火種となっている場所に閉じ込められ、命を救う人道支援を受けられない数千人の民間人を救出するよう訴えた。 

ハッチンソン氏は、「マアリブでは、イエメンで最も弱い立場にある民間人が命を救う援助を受けられない状態にあり、攻撃にさらされている。マアリブでは、子どもを含む民間人の死傷者数が過去最多となっている」と述べた。

国際的な人道支援団体による警告は、地元当局がここ数か月の間にマアリブの南側の地区から逃げてきた数千人の人々を収容するために5つの大規模避難民キャンプを建設する中で行われた。 

公式通信社の報道によると、マアリブ県のスルタン・アル・アラダ知事は、フーシ派の軍事行動の激化によってマアリブ南部の地域から流入している避難民に対処する地元当局を支援するよう、地域や国際的な人道支援団体に緊急の要請を行った。

国内避難民キャンプ執行部マアリブ事務所のハリド・アル・シャジャニ副所長は3日、アラブニュースの取材に応じ、食糧、避難所、薬が不足する中、ジュバ、ラハバ、ジャバル・ムラド、アベディア、ハレブ、セルワといったマアリブ南部の地区からの避難民の数は、9月初旬の5万人から7万人に増加したと話した。 

アル・シャジャニ氏は、「現在、避難民が最も集中しているのはワディ地区だ。避難民は、谷、村、農場、古いキャンプなどに散らばっており、中には自分で仮設の小屋を作った人もいる。誰も彼らを助けず、テントの提供さえ行われていない」と述べた。

住民の報告によると、数十家族が仮設の小屋を作っており、マアリブの南端にある砂漠地帯では、野外で寝ている家族もいるという。 

一方、戦場では、フーシ派がマアリブ市周辺の油田に近づくための地上攻撃を強化し、マアリブの南に位置するジュバ地区で政府軍とフーシ派による戦闘が激化した。 

イエメン国防省は、政府軍と親政府系部族がフーシ派と激しい戦闘を繰り広げ、マアリブ南部の政府支配地域に対する攻撃を阻止したと発表した。  

同地域で現在も続く激しい戦闘は、イランの支援を受けるフーシ派がマアリブの南に位置するアル・バイダ県を制圧し、続いてマアリブ県のハレブ、アル・アベディア、ラハバ地区に攻撃を仕掛けた9月に始まった。 

イエメン人権と自由のネットワークは2日、ジュバのアル・アムドでフーシ派が民間人や私有財産に対して1週間に69件の攻撃を行ったと伝えた。これらの攻撃で民間人20人が死亡した。死者の中には女性4人と子ども6人が含まれており、30人が負傷した。

同組織の責任者を務めるモハメド・アル・オマダ氏は3日、アラブニュースの取材に応じ、フーシ派はジュバを迫撃砲や弾道ミサイルで攻撃したと話した。また、フーシ派はスナイパーを配置し、部隊の進軍を円滑化するために地雷を仕掛けたと語った。  

アル・オマダ氏は、「フーシ派の違反行為は恐ろしく、憂慮すべき形で増加している。とりわけ、フーシ派がマアリブを襲撃しようとする中で違反行為が増加している」と述べた。

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