



アミン・アッバス
伝説的なアニメ監督で、『鉄腕アトム』『サイボーグ009』『SPACE ADVENTURE コブラ』『あしたのジョー2』『宝島』『はだしのゲン』『メトロポリス』などの有名なアニメプロジェクトに携わったアニメーターの大橋学氏が、2月12日に心臓病のため73歳で死去した。
故人のTwitterアカウントには、次のようなメッセージが投稿された。「やりたい事やアイデアが溢れるほどあったのですが年月が足りず、残念でなりません。生前にはたくさんの愛情をありがとうございました」
大橋学が2月12日に他界しました。
— 大橋学(MAO☆LAMDO) (@MaoCloud) February 14, 2022
やりたい事やアイデアが溢れるほどあったのですが年月が足りず、残念でなりません。
生前にはたくさんの愛情をありがとうございました。
永遠の少年・大橋学73才永眠 pic.twitter.com/44hkrOexKC
大橋氏は1949年栃木県に生まれた。代表作は『ロボットカーニバル』のエピソードの1つでOVA作品の『CLOUD』(1987年)である。
近年では、新海誠監督の映画『星を追う子ども』(2010年)、『たまゆら』(2011年)、『サカサマのパテマ』(2013年)、2019年NHKドラマ『なつぞら』第130話のアニメパートなどを手がけた。
大橋氏は生前、アラブニュース・ジャパンの独占インタビューで、「少年時代、漫画に夢中でしたが、お小遣いが少なかったので、『少年画報』しか買えませんでした。その中で好きな作品が2つあります。アニメや映画にもなった『赤胴鈴之助』と、探偵物語の『ビリーパック』です」と語っていた。
「私が10代の頃(1962年から1964年)は、日本の娯楽のほとんどが黎明期だったので、漫画やアニメに興味を持つことができたのだと思います」と彼は述べた。
アニメ業界でのキャリアを確立したことについて、大橋はこう語った。「15歳で仕事を始めたので、東映動画に入ったときは、ほとんど子どもでした! 先ほども言ったように、日本のエンタメ、特に映画やアニメは黎明期でしたから、興味を持つとすぐにアニメ業界に飛び込みました。募集があったので応募し、その後試験と面接を経て合格したのです。奇跡のような出来事でしたが、若かったので、自分のことを落ちこぼれだと感じるまで、そのありがたみがよく分かりませんでしたね!」
彼の最初のプロジェクトは東映のテレビ映画第2作目『少年忍者風のフジ丸』で、1年以上にわたって制作され、アニメについて多くを学ぶことができたという。
プロジェクトで直面した困難について、大橋氏はこう話した。「プロジェクトごとに困難と喜びと共に暮らしているようなもので、どんな作品であっても挑戦は続きます。難易度が高かった作品を挙げるとすれば、りんたろう監督、手塚治虫原作の『メトロポリス』でしょうか。私にとって難しいプロジェクトでした」
大橋氏は、今のアニメは色使いやキャラクターが複雑だが、昔のアニメはもっとシンプルでわかりやすかったと指摘した。
大橋氏はイラストレーターとしても活動し、亡くなるまで日本で定期的にイラストの個展を開催していた。
アニメーション作家を目指す人、日本で仕事をする人に対し、彼は勇気を持つことを勧めた。
「アニメーターになりたい人の多くは、日本人でもそうですが、消極的な印象があります。アニメーターになりたいのであれば、勇気を出して自らアニメ制作の現場に入ってほしいと思います。日本の諺に『為せば成る、為さねば成らぬ何事も』というのがあります。やる気と前向きな姿勢があれば、道は開けます!」