ジェッダ

アニメが世界的に認知される前から、アラブ人はアラビア語への吹き替え版を通じてアニメに親しんでいた。オープニングの主題歌や声優の心のこもった演技に我を忘れ、画面に見入った子どもがたくさんいる。そうした人気アニメを以下にいくつか挙げる。

『名探偵コナン』

現代のシャーロック・ホームズさながら、ティーンエイジャーの工藤新一は犯罪と闘いながら忙しい日々を送っていた。しかしある日、幼なじみの毛利蘭とともに遊園地を訪れた新一は、そこで犯罪に遭遇し捜査を行い、「黒の組織」と呼ばれる犯罪者集団のメンバー2人と対峙する。

「黒の組織」は毒薬を使って新一を殺害しようとするが、失敗し、代わりに新一の身体が小さくなってしまう。新一は、子どもの身体にふさわしい人格を生み出さねばならなくなった。元の身体に戻る方法を探すために、新一は「黒の組織」のメンバーを追う。

『キャプテン翼』

大空翼は2歳の頃よりサッカーの虜だった。母親を伴い、12歳で南葛小に転入する。そこで翼は仲間やライバルと出会い、サッカーに真剣に取り組みながら、人間として、そしてアスリートとして成長していく。番組は1983年から1986年まで放送された。この作品に刺激を受けてサッカーを志したプロのサッカー選手もおり、例えばスペインのアンドレス・イニエスタやエル・オンブレ・ランテルナを挙げることができる。

『宝島』

13歳のジム・ホーキンズの身の上にさまざまな出来事が起こり、危険極まりない海賊とともに伝説の宝探しに乗り出すことになった。しかし親友と、父親代わりの男とが本性を現し、船を乗っ取ってしまう。2人は実は無慈悲な海賊だったのだ。ホーキンズは裏切られ、混乱する。しかし宝を見つけるためには力を合わせるしかない。

子どものころ『宝島』を見ていたアル・ゴライビさんは「作画のスタイルが好きです。今のアニメの様式とはかなり違っています。すべて手描きだった点が気に入っています。こうしたアニメでは各話ごとに意図やメッセージが込められており、それが何年も自分の内に残り、示唆に富んだ、大事な意味を持ったりします。声優の演技や主題歌も素敵でした。吹き替えを担当した声優陣が一所懸命がんばり、視聴者に迫真の演技を届け、話の良さを伝えようとしてくれたのだと思います」と話した。

『グレンダイザー』

デューク・フリードはフリード星の王子だったが、フリード星が冷酷なベガ大王に侵略されて滅び、唯一の生存者となってしまう。グレンダイザーと呼ばれる宇宙船に乗り地球に脱出することに成功したフリードは、宇門博士と出会い、人間のふりをして暮らすことになる。数年後、ベガ大王が地球を次の侵略対象に選び、デューク・フリードは否応なしに戦うことになる。

4児の母のネイワ・ナイトさんは「キャラクターが深く作り込まれています。良い点、悪い点を持っており、リアルに感じられます。各エピソードにはしっかりとしたストーリーが付いており、単純な善対悪の戦いにはなっていません。騙されて戦いに参加させられたキャラクターがおり、自分の信じるもののために戦うキャラクターもいます。こうした前の世代のアニメは大変な熱意で作られており、それが今日まで作品が古びない理由となっています」と話した。

『未来少年コナン』

大戦争が地球を揺るがし、どんな核爆弾よりも威力のある破壊兵器が地球の半分を滅ぼしてしまう。人類は絶滅の危機に瀕する。地球を脱出しようと試みた人々もいたが、その宇宙船がのこされ島という小島に墜落してしまう。

島でコナンという名の少年が生まれ、祖父に育てられる。島での生存者は彼ら2人だけだった。ある日、ラナという名の少女が浜に漂着する。ラナが祖父を探すのを手伝うことにしたコナンは、大戦後の混乱が引き起こしたさまざまな事件に巻き込まれ、冒険へと乗り出していく。

『NARUTO -ナルト-』

うずまきナルトは救いがたい出来損ないだったが、夢は木ノ葉隠れの里の指導者になることだった。ナルトが生まれた時、妖狐の精がその体内に封印された。しかしナルトは里で一番の忍者になるために、さまざまな仲間や敵に囲まれながら、努力を重ねていく。

12歳のアーメッド・バレーグ君は、6歳の頃から姉と一緒に『NARUTO』を見てきた。「小さかったころ、姉が見ているのを見て、すぐに引き込まれました。戦闘シーンやいろいろなキャラクターが持っている独自の術が魅力です。時々、すごく笑えるシーンもあります」と話してくれた。