


ディーマ・A・クデイル
ジェッダ:『千夜一夜物語』に登場する伝説の巨大魚が、サウジ風にアレンジされた新しい2Dアクションアドベンチャーゲームの主役となった。
バハムートと呼ばれる深海に住む伝説のモンスターが、Starvania Studioのクリエーターの手によって蘇る。このゲームは来年リリースされる予定だ。
『千夜一夜物語』は、イスラム黄金時代にアラビア語で編纂された中東の民話集だ。
ゲームの舞台となる海中の世界は、謎の魔法に蝕まれ闇に包まれている。プレイヤーは、バハムートの力を借りて海に光を取り戻す使命を負うことになる。
Starvaniaの共同設立者でアートディレクターのマシャエル・アル・カリファ氏は、このゲームを、水棲人型の少年が水中世界を探索する横スクロールのアクションアドベンチャーであると説明している。
カリファ氏によると。「私たちは、埋もれて忘れ去られた神話を扱っているのです。そしてそれらをうまく蘇らせ、特にアラブ人にはそこから貴重な教訓を学んでほしいと考えています」と語った。
Starvaniaの共同設立者兼最高経営責任者のミード・アフラ氏は、今作は2023年初頭にSteamのプラットフォームを通じてPC版として発売される予定であると述べた。
リヤドに拠点を置くサウジアラビアのインディーゲームスタジオであるStarvaniaの上層部は、感動的でよく考えられた、想像を超えるファンタジーの世界とキャラクターを作り、ユニークなエンターテインメント体験を生み出すことを目指している。
アフラ氏は、神話に対する世の中の関心が高まっており、今こそアラブの民話にスポットを当てるべき時だと主張した。
「神話はそれほど一般的ではなく、誰もが知っているわけではありません。私たちにとってこれは、神話を体験しゲームに反映させることで神話を世界に伝える、新しく、ユニークなものを作るチャンスだったのです」
「ゲームの物語とコンテンツに込めた奥深さは、コミック、シネマティクス、アニメーション、ゲームのグッズなど、ゲームを支える多様なエンターテインメント媒体で表現するのに一役買っています」とアフラ氏は付け加えた。
総合ゲームデザイナーのラフィフ・カランタン氏は、アラブニュースに次のように語った。「私は昔から古代の宗教や神話全般に興味があり、学部生の頃からアラビアや中東の神話を取り入れたゲームに携わりたいと思っていました」
「学部時代のプロジェクトの中にも、何度か練り直したコンセプトがあるくらいです。Starvania Studioの創設者と話して、アラビア神話がテーマだと知った時、それ以上話を聞く前に参加を決意しました」
バハムートは世界を背負うと言われている。カランタン氏は、この神話の大部分は、1203年に書かれたザカリーヤー・カズウィーニーの著書『Aja’ib Al-Makhluqat wa Ghara’ib Al-Mawjudat(被造物の驚異と万物の珍奇)』の内容と一致すると指摘した。
「ゲームというのは、今まで知らなかったものに興味を持たせることができる素晴らしいメディアです。私自身、ゲームプレイして初めて興味を持ったトピックがたくさんあります。『バハムート』も同じように、プレイヤーにインスピレーションを与えることができると思います」と付け加えた。
カランタン氏は、Starvania Studioが3Dではなく2Dのメディアを選んだのは、特にハードウェアの制限を考えると、インディーズデベロッパーにとってより開発しやすかったからだと述べた。
「また、2Dはカスタマイズや スタイライズが容易なため、競合他社に負けないよりユニークなゲームに仕上げることができます。2Dを採用した主な理由は、カスタムメイドのデザインとアクセスのしやすさです」とカランタン氏は語る。