
東京:日本の中部地方では、長年にわたる自殺問題に対処するため一風変わった新たな取り組みを行っている。
「すべてを終わらせたいと思っているかもしれない、あなたへ」と書かれたトイレットペーパーは、自殺願望のある若者に手を差し伸べるため、新たな珍しい施策で活用されている。
日本では自殺が長期的に問題となっており、また他の多くの国々同様に、新型コロナ感染症のパンデミック下で自殺者数が急増した。
厚生労働省によると、2020年に小中高生の自殺者数が過去最多の499人を記録した。
山梨県の当局は、トイレットペーパーに安心を与えるメッセージと自殺予防の相談窓口の番号を印刷することで、苦しんでいる若者に効果的かつさりげなく手を差し伸べることができればと考えた。
山梨県職員の宮澤健一氏はAFPの取材に対し「トイレでは1人になります。つらいことや悩みなどを考えてしまいがちです。」と話した。
メッセージと相談窓口の番号が印刷されたトイレットペーパー6000ロールが、県内の大学12校に配布された。
丸まった猫や傘をさして空を見上げる女性などのイラストの間に、メンタルヘルスの専門家が作成した孤独を和らげるメッセージが散りばめられている。
白いトイレットペーパーに青字でこう書かれている。
「つらい毎日を、誰かのために平気な顔をして過ごしている、あなた」
「全部じゃなくていいから…ほんの少し言葉にしてみませんか?」
AFP