


東京:日本のスタートアップ企業は21日、民間向け宇宙遊覧気球の打ち上げ計画を発表。通常であれば天文学的に高価な体験を、地に足のついたものにすることを目指している。
代表取締役の岩谷圭介氏は記者団に対し、ロケットで空を飛ぶには、億万長者でなくても、厳しい訓練を受けなくても、語学力がなくても大丈夫だと語った。
「安全、経済的で、人に優しい」。岩谷氏は言う。「 誰もが行ける宇宙遊覧を実現しようというものです」。彼は「宇宙の民主化 」を目指すという。
本社を日本北部の北海道札幌市に構える岩谷技研は、2012年より同プロジェクトに取り組み、2人乗りキャビンと、丸い地球がよく見える高度25キロ(15マイル)まで上昇できる気球を開発したと発表している。 気球は成層圏の中ほどまでしか上がらないため、乗客は宇宙空間にいるわけではないが、ジェット機よりも高く、遮るもののない宇宙空間を見ることができる。
日本の大手旅行会社である株式会社JTBと提携し、民間旅行の準備が整った段階で協力する計画を発表した。初めは1フライト2400万円(18万ドル)ほどかかるが、最終的には数百万円(数万ドル)まで下げることを目標にしていると岩谷氏は言う。
日本の宇宙ベンチャーは、SpaceX社などアメリカの企業に遅れをとっているが、岩谷氏は宇宙をもっとひらかれたものにすることを目指しているという。
SpaceX社は、4月に3人の富裕なビジネスマンとその付き添い宇宙飛行士をそれぞれ5500万ドルで国際宇宙ステーションに送り出したが、これは、NASAのために2年間軌道実験室へ宇宙飛行士を乗せてきた同社にとって、初の民間チャーター便であった。
しかし、岩谷技研の宇宙船は、同社関係者によると、ロケットや熱気球とは異なり、ほぼ再利用可能なヘリウムで浮揚させ、日本の領土や領空で安全に飛行することができるという。早ければ年内にも初飛行を予定している。
パイロットと乗客の2人乗り気密キャビンは、北海道の気球港から離陸し、定義はさまざまであるが、地球上空100キロ付近からと考えられている成層圏の一部で宇宙の玄関口である高度25キロ(15.5マイル)まで2時間かけて上昇し、1時間滞在して1時間で下降する。同社によれば、直径1.5メートル(4.9フィート)のドラム型プラスチック製キャビンには大きな窓が複数あり、乗客は上に宇宙、下に青い地球を見ることができる。
宇宙遊覧の募集は21日に開始し、8月末まで。同社関係者によれば、最初の乗客5人は10月に発表され、天候にもよるが、フライトはおよそ1週間間隔になる予定だという。
AP