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日本アニメ、ベルリン映画祭で中国の挑戦を受ける

(左から右)2023年2月23日ベルリンにて、ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で上映された映画『すずめの戸締まり』の記者会見に出席した日本人プロデューサー川村元気氏、監督・脚本家の新海誠氏と女優の原菜乃華。(AFP)
(左から右)2023年2月23日ベルリンにて、ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で上映された映画『すずめの戸締まり』の記者会見に出席した日本人プロデューサー川村元気氏、監督・脚本家の新海誠氏と女優の原菜乃華。(AFP)
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26 Feb 2023 01:02:57 GMT9
26 Feb 2023 01:02:57 GMT9

ベルリン:アニメーション監督の新海誠氏は24日、ベルリンでワールドプレミア上映された中国のアニメドラマ『Art College 1994』について、世界のアニメーションの舞台で、いずれ中国が日本を追い越すかもしれないと述べた。

今年のベルリン国際映画祭で金熊賞候補になった新海監督の『すずめの戸締まり』は、世界的な日本アニメブームの中で話題を呼んでいる。

しかし、中国のリウ・ジエン監督が1990年代の美大生たちをアニメーションで描いた『Art College 1994』も批評家の間で話題になっている。

スクリーンデイリーは、「特定の時代と場所を鮮明に呼び起こし、しけたタバコの煙と安ビールの味がしてくるほどである」と評している。

新海監督はAFPに対し、「(中国)映画の質は急速に向上しており、日本のようなユニークなキャラクターを考えることもできるようになりました」と語った。

「ですから、遅かれ早かれ追い抜かれると思います」

10年前まで日本のアニメ制作者は「自分たちが世界で最も優れた、ユニークなアニメ映画を作っているという強い自信を持っていました」と新海監督は言う。

「しかし、近年は変わってきていると思いますし、同業者の多くもそう考えています」

日本動画協会によると、2021年の日本アニメの世界市場は13%成長し、過去最高の2兆7400億円(200億ドル)に達した。

しかし、中国映画が追い上げてきている。

「近年、中国のアニメ映画はどんどん増え、商業的なものだけでなく、アートシアター系までどんどん多様化しています」とリウ監督はAFPに語った。

「中国の商業アニメは日本アニメの影響を受けているものが多いですが、独自のスタイルを見つけつつあります 」とリウ監督は言う。

1990年代に美大生だったリウ監督本人の体験を基にした『Art College 1994』も、審査委員長であるクリステン・スチュワートが25日に授与することになっている金熊賞の候補に挙がっている。

同映画は、中国の伝統と西洋の影響の狭間で勉学に励む6人の若者の姿を追ったものである。

フランス文学やドイツ哲学について深い議論を交わしながら、芸術の意味や自分たちの立ち位置を考えていく。

マクドナルドやマイケル・ジャクソンといった、西洋の影響を示すあからさまなシンボルが至る所に出てくる。

1990年代前半は「中国だけでなく世界的に芸術や文学が盛んになった特別な時代でした」とリウ監督(53)。

「当時は学生だけでなく、学外の人もこのような話題で盛り上がっていました。とてもエネルギッシュな時代でした」

リウ監督自身は南京芸術学院で絵画を学び、1995年からアニメーションの制作を開始した。

現在は大学の先生でもあり、90年代以降に生まれた生徒数名もこの映画を観たという。

「携帯電話もインターネットもない時代ですから、今とずいぶん違うので、彼らはその時代にとても好奇心が強いのです」

リウ監督のダークコメディ『Have a Nice Day』は、2017年に中国のアニメ映画として初めてベルリン国際映画祭に出品された。

AFP

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